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花や今宵の
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花や今宵の

藤谷治(著者)

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花や今宵の

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2016/09/13
JAN 9784062202695

花や今宵の

¥1,760

商品レビュー

3.6

13件のお客様レビュー

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2022/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったですー。 読みやすいし続きが気になって、するすると一気に読みました! 面白かったからこそ結末が少しモヤっとしてて…。 結局、義男さんがうわ言のように言っていた事がほぼ正しかった…それは良いんだけど、パラレルワールド的な世界も良いんだけど、それぞれの世界線でみんな幸せそうだったからそれもまぁ良かったねと思ったけど…。うーん? [昨日と今日と明日がつながっているなんて、誰にも言えない。] 5分前と今がつながっていてずっと存在していたなんてどう証明する? 体験や知識の記憶を持った状態で、ついさっき現れた存在かもしれない。 ↑そうだったとしてもだよ。 「こことは違う世界がどこにどれだけあろうと、ぼくたちが生きているのはこの世界なんです。この世界で生きていくよりほか、どうしようもないんです」 智玄が言う通りだよね。 違う世界線で、 子どもの記憶がないというか存在すらしてない世界で義男さんが笑ってたとしても、 違う世界線で、 智玄と亜菜が結ばれたとしても、 私たちがずっと読んできた世界線でのハッピーエンドにはなり得ないでしょう。何の解決にもならないし何の克服にもならない。 私は智玄に乗り越えてほしかったな。 亜菜の事を乗り越えて強くなって自分の人生を智玄らしく生きていってほしかった。 それか、いっそのこと、しんのと戦って(←?)亜菜を取り戻してめでたしめでたしでよかったー。 全ては主である桜の花の思し召しって事ですか!

Posted by ブクログ

2022/01/02

初めて読んだ作家さんの小説。 ひと言で言うと「とても好き」 小説のプロットや細部の描写や比喩など、小説の骨肉とも言うべき部材が自分の好みに合うか合わないか 合えば、筋立てが好みでなくとも読み進められるような気がするが、その意味でこの小説の(作家さんの?)文体が自分の好みに合って...

初めて読んだ作家さんの小説。 ひと言で言うと「とても好き」 小説のプロットや細部の描写や比喩など、小説の骨肉とも言うべき部材が自分の好みに合うか合わないか 合えば、筋立てが好みでなくとも読み進められるような気がするが、その意味でこの小説の(作家さんの?)文体が自分の好みに合っている気がした。 嘘をひとつ混ぜるには他の本当の部分を、徹底してリアリティで満たした方が効果的であると思う。 その点この作品は、現実には起こり得ないようなファンタジー以外の地の文が地に足ついた展開で、そこだけでも読める仕上がりになっていると思う。 ファンタジーを囲むスーパーリアリスティック。 この作家のほかの作品も読んでみたいと思った。

Posted by ブクログ

2019/06/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表紙が綺麗だったから図書館で、「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ借り」をしてしまった本。 「最後の部分がよく分からなかった」という感想が多い作品。わたしも読んでみたけど分からなかった。 小学生の時に神隠しのように突然姿を消した少女。 「しんの」という山の中に、冬に満開になる桜があり、それを見に行った亜菜(あんな)と智玄(ちひろ)。二人は桜の木の下でキャッチボールをしていたが、亜菜がボールを取ろうと身体をのけぞらせた瞬間に消えてしまう。 29歳になった智玄は再び「しんの」へむかう。 ラストは平行した別世界があることを表現しているように思いました。 娘が消えて、暗く気味が悪くなっていった父親の善男、友人の“和田ラーメン”(和田姓が多い集落の中でそう呼ばれていた)、主人公の智玄の3人で満開の桜を目の当たりにする。 智玄は娘を無くして狂ったように神隠しについて、根拠のない説を話す善男に「河守亜菜は戻ってこないんですよ」と言うが、そんな智玄に和田ラーメンが「そのへんでやめてくれねえかなあ!」と叫ぶ。 (→このシーンがわたしの中で一番の盛り上がりでした。) お前こそ変わったんじゃないかと言う。二人とも同じだ、同じなくせに説教なんてすんな、と。友人をほんとうに大切に思うからこその言葉なんだろうなと思いました。ここは本当に感動して、このまま智玄が目を覚まして前向きな人生を歩んでいく話になるのかと思ってました(笑) でも、そのあと善男がすごく大事っぽいこと言ってるんです。 善男はそんな二人を気にせずに自分の説を主張し始めました。 「これから先、ぼくたちが全然違う世界に紛れ込んで、しかもそれわやなんの不思議とも思わず、今までずっとそうやって住んでいたかのように、そこで暮らす、ということだって………」 そのあと風が急に強く吹き、ラストのシーンへと繋がる。 ここで3人は互いの姿を見ていない。 桜が吹く直前に智玄は「ぼくがいなくなればよかったんだ」と呟き風が収まったあと“何もなかった” 次に文書が線で区切られている。これが1つ目の世界のラスト。 この線をまたいで違う世界の話になっているようでした。 2つ目の世界では“俺”と善男が桜を見にいってる。おそらく俺とは和田ラーメンのことだろう。それは、智玄も亜菜もいない世界だった。智玄が持ってきたはずのテントは善男が持ってきたことになっていた。桜を見に来た理由も曖昧になってしまっている。 そしてまた文書の間に線が引かれている。 一人称は“ぼく”。 3つ目の世界は智玄と亜菜が桜を見に行っている世界。 亜菜にプロポーズしてめでたしめでたしなラスト。 その中で歌の解釈が述べられている「桜がその人の人生の、あるじになってしまう。」 うーん、謎。 ①智玄だけしかいない世界 ②智玄も亜菜もいない世界 ③智玄と亜菜がいる世界 この3つに何の意味があるんだろう。 そもそものわたしの解釈が間違ってるのかなぁ。 誰かに解説してほしいです(笑)

Posted by ブクログ

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