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英語を学ぶ人のための英語史
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英語を学ぶ人のための英語史

北村達三(著者)

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英語を学ぶ人のための英語史

2,563

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 桐原書店
発売年月日 1980/03/05
JAN 9784342613005

英語を学ぶ人のための英語史

¥2,563

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2019/02/16

 とっても古い英語史の本で、ちょっと読みにくいかなという第一印象とは裏腹に、わりと面白かった。古英語、中英語、近代英語、現代英語という時代別の章立てで、それぞれの時代の借用語、音韻、統語論などが書かれている。  この1冊前に読んだ本は『ベーシック英語史』で、わりと目からうろこ的な...

 とっても古い英語史の本で、ちょっと読みにくいかなという第一印象とは裏腹に、わりと面白かった。古英語、中英語、近代英語、現代英語という時代別の章立てで、それぞれの時代の借用語、音韻、統語論などが書かれている。  この1冊前に読んだ本は『ベーシック英語史』で、わりと目からうろこ的な話もあった、ということを書いたが、それ以上に目からうろこがたくさんあったことに驚いた。こんな古い本なのに。例えば「ラテン語などと比べると、古英語の屈折は決して『豊富』であるとはいえません。屈折をもっていた古英語の語順は自由であったと、これまでよくいわれてきました。しかし、最近の綿密な研究結果によりますと、古英語の語順はかなり定式化しており、詩と散文との差はほとんどなく、現代英語にみられる語順の基礎となるものは、すべて古英語にみられることが分かりました」(p.40)というものは、もっと教える時に強調されてもよいポイントではないかと思った。あとは古英語の文学とされる『ベオウルフ』など、「奇妙なことに、内容的にも形式的にも英国本土の雰囲気が少しも見当たらない」(p.46)ということらしく、そもそも何が「英国本土の雰囲気」なのかが気になる。古ノルド語は英語と「言語的にも親類といってよい間柄」(p.51)で、だからかえって「古英語はむしろ強化された」(p.52)というのも、意外な事実だ。ノルマン・コンクエストをやったノルマン人の起源が「デーン人」ということで、実はゲルマンの人たちだった、というのも驚きだ。つまり古英語期に「英国に来攻したデーン人の別派」(p.59)で、だからノルマンディー、つまり「ノースマンの土地」だそうだ。そしてノルマンコンクエストがなくても、文化交流は既に進んでいたのであって、「『ノルマン征服』の影響をあまり過大視するのには疑問も出されている」(p.66)ということだ。さらに、oxが食卓に上るとbeefになるという、英語史の鉄板ネタの話題にも、「ウォルター・スコットの小説『アイバンホー』の第一章」(p.71)に書いてある、なんて、そんな出典これまで知らなかった。同じようにサピアの説として、「英語は早くから言語そのものの構造の中に語尾屈折にあまり依存しないで、屈折によって示されるものと同じ機能をもつ『機能語』といわれる語を多く用いる『分析型の言語』に向かおうとする傾向があり、それが中英語においてフランス語の反乱により多少の速度の促進はあったものの、自己の本来の型を改造するほどの重大な影響は受けていない」(p.93)とあって、いろいろな既成概念が覆される。あとはペストの流行→労働者の不足→労働者階級の地位が向上→フランス語の衰退(pp.119-20)、と言う流れも分かりやすい。あと共時的な話になるが、「無生物の-'s」が残っているのは「today's paper, ten pounds' weightといった時間・重量・長さ・価格などの程度を示すとき、for convenience' sakeのようなfor ~ sakeのとき、Nature's purposeなどの擬人化した言い方、その他二、三の慣用句のみ」(p.155)のように、なんとなく曖昧だった無生物'sの用法が確認できたことが良かった。「その他二、三の慣用句」もついでなら載せて欲しいのだけれど。  といった感じで、古い本なのに新しい知見が確認できて、勉強になった。引用されている文献の一節も面白く読めて、良かった。(19/02/11)

Posted by ブクログ

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