人間の旬

大村智(著者)

• 販売会社／発売会社: 毎日新聞出版
• 発売年月日: 2016/08/01
• JAN: 9784620323923

商品レビュー

2017/07/19

大村先生らしい文章が淡々と並んだ一冊。
仕事も家族もご自身も大切されている様子が伝わってきました。

が、誰かに薦める、とまではいかない印象。

とはいえ、これまで８０年超の人生をしっかり生きてこられたことには敬意を表します。

2016/08/10

・人間の旬…気がかりなのは、思考停止型、他人指向型の若者たちが少なくないこと。ものごとをとことんまで考えず、まあ皆のやっていることをしていれば、となる。２０代といえば体力だけでなく、知力もまた絶頂の頃。あらゆる知恵が乾いた砂がしみ込むように頭に入る時期。人間いかに生くべきかを思うのは青春をおいてない。物には不自由しなくとも、心の乾きに苦しむのが若さというもの。それをいやすためには、まず１冊の良書を手にとることだ。若さとはまた、このようなことができる体力と気力の充実した「旬の季節」ではなかろうか。この「旬の季節」というものは若い時に一度だけ訪れるとは限らない。人が独創性と実行力を失いさえしなければ、何度でもめぐってくるものなのである。

・国際人になるために…現在は国際的視野で物事を考え、行動しなければならない時代。語学、特に英語ができないと役に立てない。私が語学の価値をわかったのはずっと後年のことで、今も、あの時にきちんと授業を受けていればと思う後悔の念が深い。今後の日本の国際的役割を考える時、後輩諸君には、若い頃から自然にその環境に入れるような心構えを持ち、また、その志を実現するための努力を欠かさないでほしいと思う。

・２１世紀国際的リーダーの育成…世界は進むだけ進み、その間に、幾度も幾度も闘争を繰り返すであろう。そして、その闘争に疲れ果てる時がくる。その時、世界人類は平和を求め、そのための世界の盟主が必要となる。その盟主とは、アジアに始まって、アジアに帰る。そして、アジアの最高峰、日本に立ち返らねばならない。われわれは神に感謝する。天がわれわれ人類に日本という国をつくってくれたことを。ｂｙアルバート・アインシュタイン

・子供の時に肉体的につらい経験を与えないと、大人になって不幸だｂｙコンラート・ローレンツ

・国際的な仕事をするとき…国際的というとは何か。英語がしゃべれることは国際的かもしれないが、一番大事なことは日本人であるなら、日本の文化をよく理解しているということｂｙ緒方貞子氏