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ケインズかハイエクか 資本主義を動かした世紀の対決 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/08/01 |
JAN | 9784102200513 |
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ケインズかハイエクか
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ケインズかハイエクか
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商品レビュー
4.1
8件のお客様レビュー
日本語版の副題に「資本主義を動かした世紀の対決」とありましたが、まさにこの二人の思想は多かれ少なかれその後の経済学者に影響を及ぼし、実際の経済政策にも二人の思想の痕跡が見られます。本書を読んで一番腑に落ちたのはケインズとハイエクの育った環境の違いが思想に及ぼしたであろう影響です。...
日本語版の副題に「資本主義を動かした世紀の対決」とありましたが、まさにこの二人の思想は多かれ少なかれその後の経済学者に影響を及ぼし、実際の経済政策にも二人の思想の痕跡が見られます。本書を読んで一番腑に落ちたのはケインズとハイエクの育った環境の違いが思想に及ぼしたであろう影響です。 ハイエクはオーストリアの比較的裕福な家庭に生まれましたが、第一次大戦での敗戦後にオーストリアを襲ったハイパーインフレや隣国ドイツでのナチスの台頭を経験しています。青年時代にこのような環境を見ているハイエクからすれば、国家というものは極力小さくすべき存在であっただろうなと思います。本書の中にも書かれていましたが、ハイエクは資本(巨大企業)が牛耳る世界の方が、国家が牛耳る世界よりマシだと考えていました。そこまで国家に対する嫌悪感があったわけですが、これはまさに彼の若かりし頃の実体験があればこそだと思います。 他方、ケインズは英国で生まれ育つわけですが、彼の基本的な価値観は、善意で運営される国家は良い結果を生み出すということで、国家性善説といいますが、国家に対して肯定的なわけです。これはやはり英国で育ったからこそではないかと思います。タラレバ論ですが、もしケインズが当時のドイツで生まれ育っていたら、国家に対する嫌悪感はハイエク並みに育っていたのではないか、と想像しました。 また両者の論争は大部分かみあわないところがあった訳ですが、本書を読むと、ハイエクは家計や企業を主体とした議論をしているのに対して、ケインズは国全体を対象とした議論をしているということで、後にミクロ経済とマクロ経済という分類が出来るわけですが、経済をボトムアップで見るか(ハイエク)、トップダウンで見るか(ケインズ)の違いがあったことなど、非常にわかりやすく書かれていました。 現代の経済学者も多かれ少なかれ二人の思想に影響を受けていると思うので、本書を読むと、現代の経済学者を見る目も多少変わってくるのではないかと思います(例:あの人はケインズ的だな、でもこの点に関してはハイエク的なことを言っているな、といった具合です)。本書オススメです。
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アメリカではケインズ的な政策とハイエク的な政策のバランスをとりつつ、今日に至るまで成長を維持し続けていることがわかる。翻って日本はこの30年ハイエク的政策を通り越した緊縮政策一辺倒で、一人負け状態。このままでは国が滅びる。
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学生時代に経済学を学ばず、近現代史の高校教科書レベルしか持っていない私でも、充分に経済学の2人の偉大な巨人を理解でき、本当に素晴らしいです。 マクロ経済学史の成立過程だけでなく、ミクロな視点である、生い立ちや当時の背景を著述することにより、歴史的な著作や論理に至った背景を鮮明に...
学生時代に経済学を学ばず、近現代史の高校教科書レベルしか持っていない私でも、充分に経済学の2人の偉大な巨人を理解でき、本当に素晴らしいです。 マクロ経済学史の成立過程だけでなく、ミクロな視点である、生い立ちや当時の背景を著述することにより、歴史的な著作や論理に至った背景を鮮明にしてくれたのは、理解しやすく本当に良かったです。これで文庫は安い! 専門外の方が、2人の名著を読む前には、必読です。因みに、挫折する可能性がありますが、私は、2人の代表作にチャレンジしたくなりました。
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