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あかんやつら 東映京都撮影所血風録 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2016/06/10 |
JAN | 9784167906412 |
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あかんやつら
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あかんやつら
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商品レビュー
4.8
11件のお客様レビュー
熱き『日本映画の歴史書』…。
2024年10月読了。
春日さんの著作は折に触れて読んでいるのだが、順番がめちゃくちゃなのか、どうもしっくり来ないので、既読感は有ったが本書を購入。
ところどころ「あれ、この話聞いたことあるな…。」と思いつつも、映画に命を懸けた人たちの物語は読んでいて飽きるこ...
2024年10月読了。
春日さんの著作は折に触れて読んでいるのだが、順番がめちゃくちゃなのか、どうもしっくり来ないので、既読感は有ったが本書を購入。
ところどころ「あれ、この話聞いたことあるな…。」と思いつつも、映画に命を懸けた人たちの物語は読んでいて飽きることが無い。
又、著者の春日さんが余り「大御所に阿ったり」「映画会社に気を遣い過ぎたり」せず、ズカズカと書いてくれるので、大物の情けないところや、一流と言われる役者の失敗談なども読めて、本当に飽きることを知らない楽しい読書時間を過ごせた気がする。
それに、文中に出て来る映画も「そこまで言われると観たくなっちゃうな…」と、古い映画であっても観たくなる気にさせてくれる、素晴らしい本だと思う。
2024年、今の娯楽業界は映画どころかテレビ(地上波)さえも廃れてしまい、BS,CS等のペイチャンネルが、今や世界を席巻している。
娯楽業界はいつの時代も“栄枯盛衰”を繰り返しているのだなとつくづく思わせる現在、今の若い人達にも“ちょっと昔の映画でも観てほしいなぁ”と伝えたくなる『アカンけど熱い奴らの本』だと強く思わずにはいられなかった。
左衛門佐
いゃあ おもしろく読ませてもらいました 私自身は 全くの映画ファンでは ありません 本書で描かれ、紹介されている 数々の名作もほとんど見たことがありません それでも その時代であるがゆえに こういう映画が作られた こういう映画人がいた ということが 肌感覚で伝わってくる 「人...
いゃあ おもしろく読ませてもらいました 私自身は 全くの映画ファンでは ありません 本書で描かれ、紹介されている 数々の名作もほとんど見たことがありません それでも その時代であるがゆえに こういう映画が作られた こういう映画人がいた ということが 肌感覚で伝わってくる 「人間」が作ってきたのだ という熱い思いが伝わってくる スクリーンに映し出される 映画スターのお話ではなく その「映画」に携わってきた人たちの 息遣いが伝わってくる
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メチャクチャ面白かった。たぶん今年のベスト1だと思う。 東映の黎明期から時代劇、任侠、実録路線までを膨大な量のインタビューと資料を駆使して活写している。 東映映画ファンでない人はどうなんだろう。少し割引いて考えなくてはならないのだろうけど、それでも楽しめると思う。固定的な映画...
メチャクチャ面白かった。たぶん今年のベスト1だと思う。 東映の黎明期から時代劇、任侠、実録路線までを膨大な量のインタビューと資料を駆使して活写している。 東映映画ファンでない人はどうなんだろう。少し割引いて考えなくてはならないのだろうけど、それでも楽しめると思う。固定的な映画館を持たなかった東映は普通の映画会社の倍の映画をものすごい熱気で作り続ける。東映撮影所では皆走っていると言われていたとか。 できあがった作品より現場が面白い。東映は今まで何本の映画をつくってきたか知らないが、この本を映画化できたらそれが一番面白いものになるだろうと思う。見る人は限られるかもしれないが。 『例えば、侍が殿に伺候するシーンを描くとする。これを所作通りの段取りで進めれば、次のような流れになる。まず侍が襖を開け、おじぎをする。これに対し殿が「近う」と声をかける。それで侍は中に入り、襖を閉めてから前に進み、殿の近くに座り、刀を置き、それから両者の会話が始まる。これが従来の多くの時代劇で採られた手法だった。 ただ、物語の展開と直接は関係ない段取りを丁寧に積み重ねていては、テンポがまどろっこしくなり、観客に飽きられてしまう。そこを東映時代劇の場合は、たとえば前日に侍と友人の間で「明日、殿に言上しにいく」「そうか」と会話をさせたら、次のカットでは殿と侍が対面している場面による。その結果、物語上で大して必要のない所作事に時間を割かれることなく、前へ前へテンポ良く物語を進ませることになり、観客は飽きさせない構成になったのだ。』 『「遠山の金さん」では、主人公が町人《遊び人の金さん》として町へ出る時、ほっかむりをするだけの変装しかしていない。それでも悪党は奉行所のお白州で対面しても、目の前にいる奉行の正体が「金さん」だということに桜吹雪の刺青をその見るまでは気づかない。 「あれ、どう見たって知恵蔵じゃないですか。気づかないのはおかしいですよ」 そう疑問を呈する平山。松田は動じない。 「これは意識的にやってるんだ。客は気づいているのに悪役は気づいていない。だからお客さんは優越感を感じることができるんだ。時代劇の悪役といえばヤクザとか権力者とか、普段から偉そうな奴らだろ。そういうのを鼻で笑うことでできるんだから、お客さんにとって、これほど痛快なことはないんだよ」』 『大映と東映両社では、使われる証明器具も異なる。大映では光量の強い、大きな器具を一台使ってスポット的な一発を当てる。それによって、照明の当たっている所とそうでない所がハッキリと分かれ、陰影の濃淡の強い映像になる。勝新太郎は座頭市を演じている時、目をつぶったままでも正確な位置への移転ができてと言われているが、それは照明の当たっている所とそうでない所の温度差が大きかったために、肌で感じる光の強さで自ら立ち位置を把握することができたからだ。 一方の東映では、小さな照明器具を何台も使う。まず、一台のメイン照明はスターの顔と同じ高さに配置し、正面から明るく綺麗に照らす。その上で、周囲に小さな照明器具を使って、顔から一つ一つ、細かい影を消していく。ただ、それだけでは顔だけが浮かび上がることになって、かえってブサイクな映りになる。そこで、背景も同様に明るくするため、スタジオの二階に組まれた足場の三百六十度に張り巡らされた照明を使ってセット全体を明るく照らし出すのだ。』 『上野はここで、「息の詰め方」を徹底的に研究した。真っ暗闇の中には近衛が一人だけ映る。闇の中から敵はいつ出てくるのか・・・観客は黙って息を詰めて待つしかない。そのしてギリギリまで緊張を盛り上げたところで突然現れ、静寂の中に近衛の悲鳴が響くことで観客を「ドキッ」とさせる。それが上野の狙いだった。 この息を詰めさせる時間が短いと緊張を盛り上がらないし、長いと観客が息を吐いてしまって緊張が途切れる。どうカッティングを積み重ねれば最もいいタイミングでの悲鳴になるのか、上野は尺数や画面サイズなど、計算に計算を重ねた。』
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