志士の海峡

童門冬二(著者)

• 販売会社／発売会社: 朝日新聞社
• 発売年月日: 1985/10/30
• JAN: 9784022554055

商品レビュー

2022/01/09

幕末の長州藩士である赤根武人の歴史小説。
松下村塾の一員でもあり、尊王攘夷に奔走し、奇兵隊の第三代総監を務めながらも、新選組との関係等、裏切り者と見做され、享年２９歳で捕まり長州藩政府に斬首されるという不幸な最後を遂げる。
この小説では、赤根武人が被差別民解放の理念に賭けたが、奇兵隊を生んだ長州藩においても、その壁が高かったとする。
本著は、限られた情報での「歴史小説」であり、史実を問うものではないが、戦後にようやく顕彰碑が建立され、復権がなされたようだ。

事実はともあれ、当時、理想に燃えた幕末志士であることは間違いないだろうし、長州の幕末史において理解しておきたい人物。

「真は誠に偽に似、偽りは以て真に似たり」

2014/07/14

http://booklog.jp/users/huitaine/archives/1/4396322895