商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大和書房 |
発売年月日 | 2016/05/25 |
JAN | 9784479392903 |
- 書籍
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言葉が鍛えられる場所
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言葉が鍛えられる場所
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商品レビュー
3.5
13件のお客様レビュー
「年を取るほど計画性がなく愚かな人間が愛おしく思える」 言葉がうまく通じないその分だけ、思いは通じるということもある これは本当にその通りだと思います…
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「理解できるものは理解し、理解の困難なものは、そのままのかたちに〜自分の理解の領域にないものを、ただちに許すべからざる異質なものとして拒むという態度をおとりにならないで下さい」 この言葉がすごく刺さった また「天皇は言論という道具を奪われている」の一文にも動揺した 普段の生活で...
「理解できるものは理解し、理解の困難なものは、そのままのかたちに〜自分の理解の領域にないものを、ただちに許すべからざる異質なものとして拒むという態度をおとりにならないで下さい」 この言葉がすごく刺さった また「天皇は言論という道具を奪われている」の一文にも動揺した 普段の生活で天皇陛下のことを考える機会になんてめったにないけど私たちと変わらない一個人なんだとハッとさせられた 言葉、大事にしようとすればするほど嘘っぽくなって心の内に感じてることと若干ずれてて表現できない露出できないことに悲しくなる 小池昌代のりんごのひとつの重さだけで「あのひと」の不在を表したことにぞくっとした
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“「言葉」が指示しているものやことがらの意味についてというよりは、「言葉」が隠蔽しようとしているものが何であるかについて書いてみようと思ったのです。” という著者の思い。 荒地派、W.H.オーデン、鮎川信夫 etc. etc.. これまで触れたことのない詩人の作品を引きながら、言葉についての思索が繰り広げられる。 We must love one another or die. (われわれは愛し合わなければならない。しからずんば 死あるのみ) という詩の最終行を、 Because we are going to die anyway (われわれはどっちみち死ぬんだから) と書き換えたW.H.オーデンについての章が、今のこの時代に響く。著者は、 「世界は愚劣さに満ちており、その世界を構成している人間も希望を語れるような存在ではない。希望を語る語法ではなく、絶望を語る語法が必要なのだ。何故なら、われわれにはまだ絶望が足りないからだ。」 と突き放すが、耳に心地の良い響きだけが真実ではないという、著者なりの「思いやり」なのだと思う。 翻って、昨今巷に溢れかえる情報にしてもそうだろう。 われわれは自分に都合のいい声にしか耳を傾けようとしない。我々に届くその言葉は果たして本当のことを伝えているのだろうか? 言葉は意を尽くそうとすればするほど、— その意、そのものも疑ってかかる必要もあるが — 言葉の表面上の意味とは異なるものが上塗りされていくようで、非常に気味が悪い。 むしろ、伝わってこないコトの中にこそ真実があるのかもしれない。 著者も警告する。 「言葉が何かを明らかにするよりは、何かを隠蔽することもあるのです。いや、こちらの方が、言葉の本来の役割であるかのように感じるときもあります。」 言葉は発する時もそうだが、読み取る時にも、その能力を鍛えておかないと、容易にその言葉を操る輩の意のままの場所に連れていかれかねない。
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