商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/05/20 |
JAN | 9784103342335 |
- 書籍
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半席
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半席
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商品レビュー
3.8
34件のお客様レビュー
人の心には、いろんなものが巣食うのですね。悪気ない人からひどく傷つけてられたと悔しさに塗れてしまったり、ただただ逆恨みが高じてにっちもさっちも行かなくなったり、、、お侍さんはそういう気持ちを表現することが下手すぎて、余計にこじれてしまう。直人はそこを解きほぐすことを求められるので...
人の心には、いろんなものが巣食うのですね。悪気ない人からひどく傷つけてられたと悔しさに塗れてしまったり、ただただ逆恨みが高じてにっちもさっちも行かなくなったり、、、お侍さんはそういう気持ちを表現することが下手すぎて、余計にこじれてしまう。直人はそこを解きほぐすことを求められるのですが、頑なな心の鎧をそっと剥がす、現代で言うと臨床心理士のような仕事ぶりが興味深かったです。
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半席とは、無役から役付きになっても、お目見え以上でない場合は一代限りの役となる。 御家人から旗本になっても、そんなわけで半席ではいられないと、主人公の片岡直人は日々を励む。 仕事は徒目付け。 上司の徒目付頭の内藤雅之は時折、仕事以外の頼みという依頼を受け、直人に振ってくる。 初...
半席とは、無役から役付きになっても、お目見え以上でない場合は一代限りの役となる。 御家人から旗本になっても、そんなわけで半席ではいられないと、主人公の片岡直人は日々を励む。 仕事は徒目付け。 上司の徒目付頭の内藤雅之は時折、仕事以外の頼みという依頼を受け、直人に振ってくる。 初めは断りを入れていたが、内藤の仕事ぶりを見るうちに、断りきれず半年に一度の頻度で受けるようになる。 犯罪を犯し事件が決着を決めたあと、当事者の『なぜ?』の問いに答えることだった。 何度も、事件に向き合ううちに、この仕事が好きになり、人間が深く理解するようになった。 心地いい読み応え。
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目次 ・半席 ・真桑瓜 ・六代目中村庄蔵 ・蓼を喰う ・見抜く者 ・役替え これは良い本にあたりました。 徒目付として、日々仕事に励む片岡直人には、御家人から旗本への出世を目指さねばならない理由があった。 彼の父は一度旗本に上り詰めたのだが、死後片岡家は再び御家人へ戻る。 旗...
目次 ・半席 ・真桑瓜 ・六代目中村庄蔵 ・蓼を喰う ・見抜く者 ・役替え これは良い本にあたりました。 徒目付として、日々仕事に励む片岡直人には、御家人から旗本への出世を目指さねばならない理由があった。 彼の父は一度旗本に上り詰めたのだが、死後片岡家は再び御家人へ戻る。 旗本としてついた役の次にまた同程度の役職につかないと、子どもも旗本と認められる永々御目見以上とはならず、一代限りの旗本ということになるのだ。 それを「半席」という。 父の死後無役の御家人からスタートした直人は、いずれ生れる自分の息子にはそんな苦労をさせないよう、旗本になれる役職を目指して日々仕事に励んでいた。 ところが上役が持ってきた仕事は、公の仕事ではなく、個人的に頼まれた仕事。 犯人は捕まり自白もしているが、なぜ事件を起こしたのかを口にしようとしない。 自白があればそれで公に事件は解決なのだが、被害者はそれでは納得できない。 本業の成績を落とさないよう、手早く解決しようとする直人だが、次第に武士として生きることの意味について考え始める。 決して名のある武士ではない。 しかし、市井に生きる侍にも、矜持はある。 心の奥に隠してきた小さなしこりが、耐えられなくなった瞬間ひき起される事件。 事件はどれも、些細な出来事がきっかけなのだが、それは被害者にも加害者にも痛みを与え得るものだった。 そう、加害者も痛いのよ。 直人が行き詰るとふらりと現れ、なにがしかのヒントを与えていく沢田源内という男がいる。 ちょっとご都合主義のようにも思われる登場だけど、その素性は明らかにされないまま退場してしまったのが残念。
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