商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 地湧社 |
発売年月日 | 1985/09/25 |
JAN | 9784885030345 |
- 書籍
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祈りの姿に無の風が吹く
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祈りの姿に無の風が吹く
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信州の八ケ岳山麓に高森草庵を開いて自然と呼応し合う修道生活を営むとともに、キリスト教と仏教の深い次元での架橋を模索しながら、日本の地における真の信仰生活のあり方を模索し続けた押田成人神父の講演録とインタヴューをまとめたもの。呼吸し、自然界と交感しながら生きるところから遊離した抽象...
信州の八ケ岳山麓に高森草庵を開いて自然と呼応し合う修道生活を営むとともに、キリスト教と仏教の深い次元での架橋を模索しながら、日本の地における真の信仰生活のあり方を模索し続けた押田成人神父の講演録とインタヴューをまとめたもの。呼吸し、自然界と交感しながら生きるところから遊離した抽象的な知性の発する「理念ことば」──生命を根底から破壊する核はその産物にほかならない──に振り回される近代の「文明社会」の虚妄から脱して、今ここに在ること、出会いがあることの奇跡──日本語で言う「有り難さ」──に触れるなかから、気息とともに言葉がおのずと発せられる次元に、すなわち著者の言う「コトことば」の生まれる深みに降り立つこと。その重要性を自覚するなかからしか、真に生きる道も、平和への道も開かれないという著者の指摘には、胸を衝くものがある。自分を超えたものに触れるなかから、またその存在の事実を肯定するなかからおのずと発せられる言葉に立ち返らなければ、一部の人々の姑息な利害のために作られたキャッチ・コピーに踊らされて、このままでは戦争にすら駆り立てられかねない。「神」や「無」といった信仰の言葉そのものはにわかには共有できないにしても、著者が、言葉を発して生きることの真実を、真に生きることへ向けて、信仰生活のただなかから洞察していることがひしひしと伝わる一書であり、その洞察は、出版から30年を経た今もまったく色褪せない。
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