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英語助動詞の語法
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英語助動詞の語法

柏野健次(著者)

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英語助動詞の語法

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 研究社
発売年月日 2002/04/15
JAN 9784327401283

英語助動詞の語法

¥2,750

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2016/05/29

 大学の紀要や学会の論文誌に発表したものをまとめたもの。助動詞に関して、小説などの文献から集めた用例と、インフォーマントへの調査から得られた知見をまとめた学術書。根源的、認識的、法、アスペクトなどの用語が普通に出てくるので、一通り英語学をやった人向け。canとmayの違い、can...

 大学の紀要や学会の論文誌に発表したものをまとめたもの。助動詞に関して、小説などの文献から集めた用例と、インフォーマントへの調査から得られた知見をまとめた学術書。根源的、認識的、法、アスペクトなどの用語が普通に出てくるので、一通り英語学をやった人向け。canとmayの違い、canとbe able toの違い、mustとhave toの違いなどは、英文法をちゃんとやった人なら分かるだろうが、そこからさらに一歩進んだ考察を加えている。さらに、can't beとmustn't beの違い、have toとhave got to (had toとhad got to)の違い、had to beとmust have beenの違い、さらにそれらの英米差など、あまり一般向けの文法書には触れられていないところについての観察結果も述べられている。  畠山雄二著『くらべてわかる英文法』で、助動詞について詳しく知りたい人向けにおすすめされていた本なので読んでみた。  なぜSmoking may cause lung cancer,よりもSmoking can cause lung cancer,の方が適切で、ディズニーランドの乗り物の警告文ではBumping may occurの方がcan occurよりも好まれるのか(p.22)というあたりが、面白いと感じる。根源的用法のcanとmayの違いを知っている人は多いだろうが、認識的用法のcanの可能性の度合いについて、あまり理解していなかったことに気付いた。「mayはときに『一般的な可能性』を表すことがあるが、may, canともに『一般的な可能性』を表す場合にも可能性の度合いはcanのほうが高い」(p.23)というのは覚えておこう。  couldが「過去の1回限りの行為」を表すには使えない、というのは高校英文法のポイントの1つだろうが、実は「向上ケンカ悪条件のいずれか一方、あるいは両者が文中に示されていれば」(p.58)容認度が上がる、というのもこれまで気付かなかった。「could+知覚動詞」と知覚動詞の単純過去との比較でも、このcouldの持つ「達成感」がポイントらしく、面白い。  Can you ~?とWill you ~?をめぐるポライトネスの話も興味深いし、こういうのは英語教師として生徒に話しておいてもいいんじゃないかと思った。  mustとhave toについては、認識的用法の場合はhave toの方が意味が強くなる、というのが、考えれば分かることだがあまり言われていないことなんじゃないだろうか。つまり、「根源的用法ではmustはその『主観性』により、義務の押しつけを表すため、客観的なhave (got) toよりも意味が強く、逆に認識的用法ではhave (got) toはその『客観性』により、客観的な証拠の存在が示唆されるため、主観的なmustよりも意味が強く、ひいては確実性が高くなる」(pp.141-2)というあたりは、実例とともに覚えておきたい。  had toは「行為の実現性」が認められるので、I had to get up early yesterday, but I didn't.は非文になる、というのは日本語の「しなければならなかった」とは違うので注意したい。I needed to ~ならOKということらしい(p.186)。  あとは表現の勉強として、had betterの無生物主語構文で、「明日雨が降らないでほしい」を It had better not rain tomorrow. (p.166)とか、使ってみたい。But I will have to bring our talk to a close now.「でもお話はこれくらいで終わらせていただきます」(p.190)なども面白い。  とても勉強になるが、一回読んで全部を理解するのはなかなか難しい本。(16/05/29)

Posted by ブクログ

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