商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 読売新聞社 |
発売年月日 | 1984/07/14 |
JAN | 9784643737806 |
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著者の最近の書「チャイナ・ナイン」等を読み、中国ウォッチの本としてピカイチの調査と考察の深さを実感し、著者の著作である本書を手にとってみた。 本書は、著者の中国における幼き頃の体験と、現在(昭和50年代)の回想とで構成されている。 著者が少女時代に体験した国共内戦は日本敗戦...
著者の最近の書「チャイナ・ナイン」等を読み、中国ウォッチの本としてピカイチの調査と考察の深さを実感し、著者の著作である本書を手にとってみた。 本書は、著者の中国における幼き頃の体験と、現在(昭和50年代)の回想とで構成されている。 著者が少女時代に体験した国共内戦は日本敗戦後においては1945年から中華人民共和国の成立の1948年まで戦われているが、この時期は著者の4歳から7歳時となる。 国共内戦の直接的な戦火の凄まじさを語った本は少ないが、本書の内容の苛烈さ・迫力はすごいとしか言い様がない。 著者は山崎豊子の「大地の子」を盗作として訴えて敗訴したそうだが、いやいや本書は「大地の子」以上の「迫真のドキュメンタリー」そのものである。 その内容と当時の軍事戦略を後世の知識から類推するなどの知的考察は読後に感嘆する思いをもった。 しかし、現実に忠実であるだけに、小説「大地の子」にあるような読後の「カタルシス」はない。 「驚き」や「苛烈さ」、「暗然とした読後感」は残るものの、「感動」はない。それが歴史の真実なのだろうが、読後に「救い」は感じないと思えた。 むしろ、このような幼少期を過ごした少女が、日本に帰国後に物理学者となり、教授となり、中国問題の権威となったことの方が、驚異であると思えた。その経緯については本書の続編があるようだから、ぜひ読んでみたいと思った。
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