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もう一枝あれかし 文春文庫
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もう一枝あれかし 文春文庫

あさのあつこ(著者)

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もう一枝あれかし 文春文庫

605

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2016/03/01
JAN 9784167905675

もう一枝あれかし

¥605

商品レビュー

3.5

6件のお客様レビュー

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2024/05/09

「甚三郎始末記」 一瞬の隙に連れ去れ。 間違えたことをしたのは誰なのか分かっていたとしても、理解とは違う行動を取るのが感情なのかもしれないな。 「女、ふたり」 信じきれなかった日。 気になったのであれば、どんな答えが返ってきたとしても覚悟を決めて聞いていたら溝はできなかっただろ...

「甚三郎始末記」 一瞬の隙に連れ去れ。 間違えたことをしたのは誰なのか分かっていたとしても、理解とは違う行動を取るのが感情なのかもしれないな。 「女、ふたり」 信じきれなかった日。 気になったのであれば、どんな答えが返ってきたとしても覚悟を決めて聞いていたら溝はできなかっただろうな。 「花散らせる風に」 飢饉で死にゆく人は。 どれだけ必死になって動いたとしても、それが一枚岩でなければ脆くなったところから崩れて理想のままだろう。 「風を待つ」 何度もたかりにくる。 いつから都合のいい存在にされていたのか理解しているだろうが、それでも信じたいと少しでも思ってたのだろ。 「もう一枝あれかし」 命をかけてでも伝え。 知ってしまったからには仕方がないとはいえ、普段と変わらず出て行ったのは生きて帰ってきたかったからかも。

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2022/12/02

 表題作含む5編収録の短編集。  いろいろな立場の男女が織りなす恋愛模様、それに付随するそれぞれの始末が同じ藩を舞台に描かれている時代小説。  世の中、大抵のことは思うとおりにいかない。永遠に続く平穏な関係というのは珍しい。それでも人が人のことを思うとき、そこに直接の言葉はなくて...

 表題作含む5編収録の短編集。  いろいろな立場の男女が織りなす恋愛模様、それに付随するそれぞれの始末が同じ藩を舞台に描かれている時代小説。  世の中、大抵のことは思うとおりにいかない。永遠に続く平穏な関係というのは珍しい。それでも人が人のことを思うとき、そこに直接の言葉はなくても感じ取るものがあるはず。そこに生まれたドラマを余すことなく伝えている作品集。  時代小説というと、重厚で難しいイメージを持つ人も少なくはないと思うが、この作品集は難しい立場などを排除し、わかりやすく書かれている。

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2022/02/15

短編集、とも違うなあ、とある藩のあちこちの、男と女の生き様アンソロジーというか。奥に同じ景色がある粋な設定。 甚三郎始末記/女、ふたり/花散らせる風に/風を待つ/もう一枝あれかし 柚香下川、槙野川の流れるとある小藩、小舞藩、これ架空なんだろうけれど、読み終える頃にはこの藩の景...

短編集、とも違うなあ、とある藩のあちこちの、男と女の生き様アンソロジーというか。奥に同じ景色がある粋な設定。 甚三郎始末記/女、ふたり/花散らせる風に/風を待つ/もう一枝あれかし 柚香下川、槙野川の流れるとある小藩、小舞藩、これ架空なんだろうけれど、読み終える頃にはこの藩の景色がなんとなく見える。季節の移ろいも、ひとの暮らしも。それぞれの短編の人間関係はつながってないんだけども、おなじ藩のおなじ時代の出来事で、こういう設定の短編はありそうでなかった。視点は侍であったり武家の妻であったり女郎であったり。立場さまざまで男と女が思いを抱え。ラストの「もう一枝~」は肉付けすれば映画になりそう。秘めたる思いが胸打つストーリー。 光景描写が細やかで、せつなく美しい景色が見える一冊、でした。◎。

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