商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/02/26 |
JAN | 9784103317098 |
- 書籍
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石川啄木
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石川啄木
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
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申し訳ないことに、啄木に対しては「金遣いが荒い」「友人に借りた金で女遊びをしていた」「口が悪い」というイメージがあった。 しかし、本を読んでイメージががらりと変わった。 彼は貧しさでかなり苦労し、悩んでいた。 「自分の故郷」と呼んだ渋民村の人々との問題について、啄木一家が一部の村人から良く思われず、「敵」がいたことは、なんだか自分のことのように悲しくなった。 「村社会の狭さ」の怖さは、私も地元でひしひしと感じていたので、他人事には思えなかった。 なんとか仕事に就くことができても、なかなか長続きせず、高くない給料を前借りしながら暮らしていた。 暮らす場所を転々としなければならなかったことは、当時としては大変だっただろう。 彼は幸い友人から援助を受けることができたが、そのような人物がいなかったら啄木一家はどうなっていたか分からないなと思った。 ローマ字日記の頃の彼は、小説が成功しないことや、ずっと続く貧しさで鬱々としていた。 朝から晩まで動揺と不安を抱いていた。 家族と離れて上京していた啄木は、安心感や心も身体もとろけるような楽しみを感じるために女を抱いたが、求めたものは与えられず、ただ哀しみを感じただけだった。 ローマ字日記には、女性の私が読んで酷いと感じることも書かれているが、「何て奴なんだ」と突っぱねることはできない憂鬱さと寂しさが漂っている。 自分の身勝手さが原因になったこともあれど、そんな彼に親しみのようなものを覚えてしまった。 彼の人生には常に貧しさがつきまとい、ずっと何かに苦しんでいたように見えた。 その苦しみや哀しみから数々の歌が生まれたとはいえ、もし心から安心できる生活を手に入れられていたら……と、不遇だった彼の人生を思ってしまう。 逸話を断片的に知り、勝手にイメージを作り上げてしまっていたことを恥ずかしく思う。 じっくりと本を読んで、彼の人生を知ることができて良かった。
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ドナルド・キーン(1922.6.18~2019.2.24 享年96)著 角地幸男訳「石川啄木」、2016.2発行、376頁の大作です。啄木の生い立ちから家族を含めた短い生涯について、沢山の文献をもとに、詳しく記述されています。啄木関係の本は結構読んできましたが、初めて知ることも多々ありました。日戸村~渋民村~盛岡~上京~代用教員・結婚~北海道流離(函館・札幌・小樽・釧路)~東京~朝日新聞~本郷・家族との暮らし~母と妻の不和~妻の病気・不貞~啄木の死(結核、明治45年4月13日 享年26) ドナルド・キーン(1922.6.18~2019.2.24)著、角地幸男・訳「石川啄木(1886~1912)」、366頁、2016.2発行。ノンフィクション、大作です。石川啄木の実像に迫っているのではと感じます。啄木の日記を始め、豊富な文献をもとに、美化も誇張も歪曲もせず・・・。啄木の人生、啄木の家族、友人を知るための格好の書といえると思います!
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アメリカの文学研究者、なんていうと失礼になってしまうドナルド・キーンさんの啄木伝。短歌の英訳、明治的古語の現代語訳がすべてに付けられています。特に啄木短歌の英訳は、注目されていい仕事なんじゃないでしょうか。国語の先生とか、啄木に興味を持っている人の入門としては最適。いや、ちょっと...
アメリカの文学研究者、なんていうと失礼になってしまうドナルド・キーンさんの啄木伝。短歌の英訳、明治的古語の現代語訳がすべてに付けられています。特に啄木短歌の英訳は、注目されていい仕事なんじゃないでしょうか。国語の先生とか、啄木に興味を持っている人の入門としては最適。いや、ちょっと分厚いか?
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