![おいしさの人類史 人類初のひと噛みから「うまみ革命」まで](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001861/0018615826LL.jpg)
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おいしさの人類史 人類初のひと噛みから「うまみ革命」まで
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2016/02/01 |
JAN | 9784309253459 |
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おいしさの人類史
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商品レビュー
3.5
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※このレビューにはネタバレを含みます
現代まで生き延びた三葉虫はいないし、化石では神経系がほとんどわからないため、その感覚能力は知識に基づいて推測するしかない。(中略)人間が感じる味は、たとえ嫌悪感を抱かせるものであっても、複雑なニュアンスに満ちており、他の風味や過去の出来事や感情といった、その人が学習したあらゆる経験に結びついている。おそらく三葉虫は、快楽のような感情を持つことはなかっただろうし、保てる記憶もごくわずかだったにちがいない。どの食べ物も、多かれ少なかれ、同じような味だっただろう。違いがあったとすれば、それは三葉虫側の理由ー空腹だったか、攻撃する衝動が生じたかーによって、感じ取られたものだったと思われる。(p.28) 加熱料理という手段を使えば、食物を入手し、手を加え、味わう時間が作り出せる。そして、食物を少量ずつ一気に食べることを複数回繰り返すことができれば、小さな消化器官と大きな脳、というありえない組み合わせも、意味をなすようになる。(p.52) 甘い味は、生物学的に重要なものがあることを身体に知らせるシグナルで、それは「わたしを食べて」と訴えている。糖は地球の食物連鎖の土台だ。(p.121) 人類は、もっとずっと少量の糖分を摂取するように進化してきた。つまりわたしたちの身体は、これほどまでの糖分に耐えられるようにはできていないのだ。糖分に満ちた生活は基礎代謝昨日、すなわち、カロリーを燃やし、脂肪を燃やし、脂肪を溜め、栄養素を処理する昨日を撹乱してしまう。(p.122) 人間の五感は世の中および他の人間と関わり合う。言いかえれば、嫌悪感はコミュニケーションの媒体なのだ。嫌悪感がもたらす特徴的な渋面は、生まれたときから備わっている。「私の生後5か月の赤ん坊が冷たい水を飲まされたとき、そしてその1か月後に熟れたサクランボを口に入れられたときに見せた表情ほど、はっきり示された嫌悪感を見たことはない」とダーウィンは書いている。(p.156) 嫌悪の感覚は生涯にわたって進化していく。子どもたちが大人になるにつれ、社会との関わりは複雑化し、社会的なルールも身に付いていく。そうしたことは両方とも脳に刻まれる。そしてついに大人になると、嫌悪を感じる世界は無限に広がっていく。(p.167) わたしたち人間のトウガラシの熱への好みは、人間独自の何かー文化または心理に潜む原動力ーによるものにちがいないとロジンは信じるに至った。明らかに生存本能とは関係のない何らかの理由により、人間は、嫌悪感を満足感に帰るように自らを条件付けるのだ。(中略)「最適」と「限界」の境目は、紙一重だった。(中略)トウガラシの文化は、まさに限界への挑戦だ。この挑戦を受けて立ったことにより、自分の弱点が克服できたと信じている。(p.205) 快楽は、常に嫌悪感のすぐそばにある。それは、わたしたち人間の解剖学的特徴であり、行動学的特徴でもある。脳ではこの二つの感情が緊密に重なり合っている。(p.206) 「害をもたらさないマゾヒスティックな行為」は、トウガラシへの好みと合わせて、人間独特のものだと思われる。トウガラシを食べることは、まさにマゾヒズムの一形態かもしれない。文明によって守られている危険を、わざわざ犯そうとするのだから。(p.207)
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2016年11月3日読了。 とても興味深くて面白かった!幅広い内容と、多彩な例え話で、専門的な内容も難しく感じずに読むことができた。
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「舌の味覚分布地図」の否定で掴み、風味、苦み、甘味、まずさ、辛さ、食品メーカの味覚操作、といったトピックを最新の知見を交えて解説し、美味の本質に迫る。1、2章がやや硬いが3章から俄然面白くなる。
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