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Xのアーチ 集英社文庫
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Xのアーチ 集英社文庫

スティーヴ・エリクソン(著者), 柴田元幸(訳者)

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Xのアーチ 集英社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2016/02/01
JAN 9784087607185

Xのアーチ

¥1,210

商品レビュー

3.8

5件のお客様レビュー

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2020/04/20

エリクソンを読むのは「黒い時計の旅」に続いて二冊目.裏表紙のあらすじによると,トマスジェファソンとその奴隷のサリーが主人公とあるが,サリーがトマスジェファソンの愛人であったという史実(確実ではないが)をモチーフにしてはいるものの,実在の二人の実際とはほぼ関係なく話は進む.序盤です...

エリクソンを読むのは「黒い時計の旅」に続いて二冊目.裏表紙のあらすじによると,トマスジェファソンとその奴隷のサリーが主人公とあるが,サリーがトマスジェファソンの愛人であったという史実(確実ではないが)をモチーフにしてはいるものの,実在の二人の実際とはほぼ関係なく話は進む.序盤ですでに18世紀のアメリカを離れ,20世紀後半のアメリカ,ドイツ,それから架空の都市を舞台として時間を行き来しするのだが,それぞれが交錯し,最後にはもう一人の主人公であるエッチャーの生の終焉を描いて終わる.ストーリーも奇天烈なのだが言葉の奔出(恥ずかしながらボキャ貧の自分には,こうしかいいようがない)が凄い!これを書いたエリクソンも凄いが,これを訳した柴田元幸大先生も凄いと思う. 文庫の帯ではピンチョンが本書を絶賛している.

Posted by ブクログ

2019/06/13

今まで読んだエリクソン作品のなかでも一際パッションに満ちた物語だった。エリクソンというアメリカ人作家が作中に登場するうえに、「私」という一人称で語られる登場人物とは別のエリクソン(?)が何度か介入することもある。暗号で書かれた私小説と捉えることもできるかもしれない。『彷徨う日々』...

今まで読んだエリクソン作品のなかでも一際パッションに満ちた物語だった。エリクソンというアメリカ人作家が作中に登場するうえに、「私」という一人称で語られる登場人物とは別のエリクソン(?)が何度か介入することもある。暗号で書かれた私小説と捉えることもできるかもしれない。『彷徨う日々』のエンディングから端を発している章があったり、過去作品との交差点にもなっているようだ。いつもながら目眩のするような読書体験だが、他作品に比べて切実さと歪さが際立っていて、それゆえドライヴがかかったときの文章にはめらめらと燃焼するような爆発力を感じる。 この本のなかで語られる〈愛〉は(全ての愛が少なからずそうであるように)矛盾と不道徳を内包しており、健全な社会からすればPCやジェンダーの観点から、まず間違いなくナシにされてしまう類いの非常に脆い性質のものだ。そして我々は時に、そうした社会的要請を超えて〈愛〉を見つめる時間を必要としている。物語という容れ物は、そうした取り扱いに難のあるものを慎重に鑑賞するための真空空間なのではないだろうか。傷つけず、損なわずに〈愛〉に対峙するには、俳優の身体を経由する映画ではノイズが多すぎて、我々の脳に直結する文学こそが手段として最も好ましいように思った。

Posted by ブクログ

2018/08/20

アメリカ独立宣言起草者の一人トマス・ジェファーソンとその奴隷で愛人説もあった黒人女性サリーと、二人を取り巻く関係者が織りなす不思議な物語。フランス革命直前のパリからアメリカに帰国するトマス。主人でありあ人である彼について奴隷として帰国するのか、自由だが孤独で人種差別がないわけでは...

アメリカ独立宣言起草者の一人トマス・ジェファーソンとその奴隷で愛人説もあった黒人女性サリーと、二人を取り巻く関係者が織りなす不思議な物語。フランス革命直前のパリからアメリカに帰国するトマス。主人でありあ人である彼について奴隷として帰国するのか、自由だが孤独で人種差別がないわけではないパリに留まるのかの選択を迫られる。そこからパラレルワールド的に複数の世界でストーリーが展開する。設定は面白いのだがストーリーが複雑で突拍子もない展開になり、ついていくのが精一杯。

Posted by ブクログ

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