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妖怪・憑依・擬人化の文化史
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妖怪・憑依・擬人化の文化史

伊藤慎吾(編者)

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妖怪・憑依・擬人化の文化史

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 笠間書院
発売年月日 2016/02/01
JAN 9784305707970

妖怪・憑依・擬人化の文化史

¥2,420

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2017/07/11

妖怪も憑依も擬人化も、実はわりと身近。 -------- 「妖怪憑依擬人化」って、文化史を出すほどにメジャーなものだったのか。普段、妖怪も憑依も擬人化も気にしていないので…。ところが、こいつら手を変え品を変え、僕らの周りに今もいるのであった。 編者は論文集ではない、というものの...

妖怪も憑依も擬人化も、実はわりと身近。 -------- 「妖怪憑依擬人化」って、文化史を出すほどにメジャーなものだったのか。普段、妖怪も憑依も擬人化も気にしていないので…。ところが、こいつら手を変え品を変え、僕らの周りに今もいるのであった。 編者は論文集ではない、というものの、ちょっとそういう匂いは残る(から、そういう注意書きをしているんだろう)。 文献に残る「異類」がどんなもんだったよ、ということを、それぞれの切り口で伝えるものだ。 さてさて、その異類、古代社会では強く信じられていたので、もろに恐怖の対象で、絵に描いて残すとか、そんなことは禍々しい行為であり、できなかった。 ところが、社寺が力をつけてくると、自分たちの信仰的求心力を高めるために、怖いものを使った。それを倒したり救ったりする自分たちスゲー、というストーリーだ。百鬼夜行なんか、もろにそういう感じ。 近年、妖怪はその恐ろしさとそれによる支配力固めという機能から解き放たれたので、一回皆信じなくなる。現在の妖怪は、ヒーローとして再発明されたものだ。まったく。 ヌエ。鵺。鳴く夜が恐ろしいアレ。 しかし、万葉集には、ヌエを恋歌に詠んでいるのだ。 というのも、もともとは実在の鳥を指していた。これがだんだん不吉な鳥と捉えるようになっていく。ヌエの地位が落ちたのは、陰陽師たちがヌエを不吉化したからじゃないか、という考えもある。そうかもしれない。 ネコマタ。猫又。猫が長生きして妖怪になったアレ。 近頃ではジバニャンで有名なアレ。 ゆるキャラ。みうらじゅんが命名したアレ。アレ…? まあ、強度そのものの擬人化、これも現代の異類だ。ここから、擬人化は一部の二次元カルチャーの偏愛などではなく、文化の中で脈々と伝えられてきた表現技法だ、と大上段の構え。 付喪神。ものを永く使って捨てるとなるアレ? に代表されるような、ものへの執着・思い入れがベースになる異類。こればっかりは本人次第だろう。 とにかく、ここで名前を上げたようなものは、小中学生でも知っているようなものばかり。 それは裏を返せば、日本に異類の憑依・擬人化が珍しいことではなかったことや、その延長たる(違うよね)ゆるキャラグランプリなど受け入れられている理由なのかも知れない。 ペット。愛玩動物のアレ。アレが、スピリチュアルな面での異類代表状態になっている。 自らの創造物を入れ物に入れて、癒やしてもらおうというのが現代のペットだ。 コスプレ。あっち方面の人たちが好むアレ。完全に擬人化。 というわけで、断片になりがちな本ではあり、いわゆる読み物要素としての面白さをいうと、ちょっと苦しいものがあるが、このテーマ、普段憑依のこととか全然気にしていないので、受け身を取れずに投げられたような感じ。

Posted by ブクログ

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