折れた聖剣と帝冠の剣姫(1) 一迅社文庫

川口士(著者), 八坂ミナト

• 販売会社／発売会社: 一迅社
• 発売年月日: 2015/12/01
• JAN: 9784758047852

商品レビュー

2017/04/03

川口士ファンであるため購入したシリーズですね。同出版社の前シリーズ作品であるサウザンドイージスは全巻読破済です。
戦記物かつ主人公とヒロインが二つの国の王子王女ということで、なんとなくファイアーエムブレムシリーズを思い起こしました。FEと違って、こちらはかなり泥臭い戦いを強いられておりますが。

主人公のルシードは「知将」と呼ばれる人物ですが、思ったほど軍略に秀でているわけではなく、さりとて武人としてもそこまで強くはなく、この世界では珍しい「銃」を武器として持っていますが何やら壊れていてまともに使えない、という三重苦を背負っており大変不憫ですね。川口作品で、ここまで器用貧乏な主人公も珍しいです。

ルシードの妹にして王女のコンスタンスが私的にお気に入りです。兄に対して酷く辛辣に毒舌を振るいながら、その一方で好意もまっすぐに伝えてくるという、なかなか珍しくも面白いキャラクターだと思います。

そんな二人と対比的に、ヒロインのファルは王道テンプレ通りの姫騎士様で。魔弾シリーズのエレンそのままですね。こういうタイプのヒロインこそ読者受けが良いのでしょうから仕方ないとは思いますが……もう少し何とかならなかったのかと、そこだけが残念です。

2016/01/13

義妹、めんどくさ可愛いなぁ！！

「魔弾の王と戦姫」の作者さんの新作と言うことで購入。
敵対する国の王子と王女。出来すぎたタイミング（ひどい）で国を追われてしまい、寄る辺をなくした彼らは「じゃあ、自分で作るか」と…。
そんなノリ（いや、ちゃんと葛藤がありますよ？）の話です。
軍略が売りかと思いましたが、むしろしっかりしたファンタジー冒険譚でした。魔物がいる大地を剣と魔法と知略を頼りに旅していく、そんな懐かしい物語。
言い換えれば定番であり目新しさには欠けます。まだ「国」としての体を成していないので、「国作り」の面白さも未知数。更に逆に言えば次巻以降どんな国が生まれ、大きくなっていくのか楽しみでもあるのですが。

と、微妙な評価をしていますが、読み始めたら止まらない。
というのも、キャラクターが魅力的だから。
主人公・ルシードのすれた王子（貧民街育ちの庶子なので）っぷりもいいですし、ヒロイン・ファルの高潔な姫騎士っぷりもいい。
しかし何より、ルシードの義妹（嫡子）・コンスタンスが素晴らしいのです。最近ではあまり見なくなった（少なくとも私の知ってる範囲では）お兄ちゃん大好きっ子というかブラコン。
更にはルシードに対して悪態をつきつつ、構ってほしくてしょうがないというめんどくささ。素晴らしい。実に素晴らしい。
ネタバレになるので詳細は省きますが、とにかくルシードに意識して欲しいという行動のアレコレが可愛くて仕方ないのです。

ボリュームで負けているのもいいんじゃないかと（ひどいな）。

次巻では是非コンスタンスの沐浴をラッキースケベしていただきたいですねぇ（…あれ？ 先に言ってた事と違う…？）

2015/12/30

これから国を興そうという割に登場人物が少ない気がするが、これからわんさか出てくるんだろう。折角だから一癖も二癖もあるキャラがどっちゃり出てくると嬉しい。