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ケアをすることの意味 病む人とともに在ることの心理学と医療人類学
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ケアをすることの意味 病む人とともに在ることの心理学と医療人類学

皆藤章(著者), アーサー・クラインマン(著者), 江口重幸(著者)

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ケアをすることの意味 病む人とともに在ることの心理学と医療人類学

¥2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 誠信書房
発売年月日 2015/10/01
JAN 9784414428667

ケアをすることの意味 病む人とともに在ることの心理学と医療人類学

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2023/11/06

生きる心理療法は、わたしとは何者なのかを問い続ける実践。直す、治るといった次元とは異なる人間の生にコミットする実践がある、なおる、なおす実践を治療とすれば、ここにあるのはそれではない、ケア。 台湾の患者が、具合の悪い時に、健康を求めていろいろな行動をとる際に、近代医療を最終ゴー...

生きる心理療法は、わたしとは何者なのかを問い続ける実践。直す、治るといった次元とは異なる人間の生にコミットする実践がある、なおる、なおす実践を治療とすれば、ここにあるのはそれではない、ケア。 台湾の患者が、具合の悪い時に、健康を求めていろいろな行動をとる際に、近代医療を最終ゴールに据えなくてもよい、実際にそれが最終地点であることは多くはなく、それ以外の領域で癒しがもたらされることは大部分であるという事実を、明らかにしている。 近代医療にいかにしてはやく着くかということを治療の前提にするのではない発想は、衝撃だった。西洋医学は、実際には癒すこととは反対方向の作用をしている。 何を病気とし、誰を病人とし、誰を治療者とし、なにをもって治療とし治癒とし、治療者-患者関係といったものはとはどういうものかを規定する。。。。それが治療文化である。 生物学的な疾患と、いろいろな歴史や背景は織り込まれた病いの違い。 こうした分類が、ひとつの鉄の鑑になってしまう。そこに押し込められ、出られなくなってしまう 医療化、精神医学化、疫病化、精神病化。たとえば、子供が無くなる。それを悲しみとして体験する、それは臨床的にはうつの状態なのだから、治療すべきだということになる。 →日常の悲しみを病気にしてしまうこと、これが医療化、医学化 ★疫病の商品化。社会不安障害は、医療化、医学化、積極的に社会に対するあらたな病気の報告がなされたため、内気とか、静かに暮らすということがひとつの病気だ、社会不安だということになって、薬剤の販売促進が起こった。注意欠陥もそう。多くの人はそう診断を受けるようになった、通常の悲嘆も、うつ病になった。悲しいと鬱。そしていま感じる自分自身の存在そのものにかかわる不安も、不安障害。すべて病気、病、障害になった。アメリカでは、人生のどこかで、精神障害を発症していることになる、ばかげている。 ★精神医学、心理学の評価尺度でみると、普通の不幸と、うつとの間で境界性はひけない 医療制度化されてるものはケアの提供の余地を一層少なくしている 世界中の医師は、製造ラインのようなもの、医師に診断をうけると、医師は患者にあったとたんに処方箋を書き始める。 ケアを提供するということが医療からなくなりつつある。 ★★スティグマは、社会から生み出されたわけではなく、医療システム、家族、個人からもうみだされてる。 疾患の効果的治療はするが、それは伝統的なタイプの癒しが生じるのを阻害する どうして失敗するのかと言うと、心身的な不調を抱えて臨床場面に表れる患者の多くは、土着的治療者を訪れる場合と同様に、病をうまく扱って治療効果をあげてもらたいという願いから訪れる、しかし多くの専門的治療者は、もっぱら疾患の認識と治療に関心を寄せるようにして、病については軽視する。彼らは、治療すること(cure)を教えられているのであり、ケアすること(care)は知らない。

Posted by ブクログ

2016/02/18

本書は2014年のクラインマンの講演を軸にして、糖尿病医療学から接近された皆藤章氏のクラインマンへの論考、「病の語り」を訳し本邦でのクラインマンの専門家である江口重幸氏の論考により、クラインマンがどのような仕事をしてきたかを知るには良い本だと思う。グローバル化し、効率化や経済的な...

本書は2014年のクラインマンの講演を軸にして、糖尿病医療学から接近された皆藤章氏のクラインマンへの論考、「病の語り」を訳し本邦でのクラインマンの専門家である江口重幸氏の論考により、クラインマンがどのような仕事をしてきたかを知るには良い本だと思う。グローバル化し、効率化や経済的な観点が重視される現代医療では、医師の中からケアの視点が抜け落ちてきており、現代医療は疾患を治すことができるようになったが、病いを癒やすことができなくなっている状況を認識し、ケアを再興することの重要性を述べている。クラインマンの著作をさらに読み進めていきたい。

Posted by ブクログ

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