商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | スクウェア・エニックス |
発売年月日 | 2015/11/21 |
JAN | 9784757547957 |
- コミック
- スクウェア・エニックス
助太刀09(3)
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助太刀09(3)
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優れた漫画に必要なモノ、それは未だに、私自身もよく分かっちゃいないが、少なくとも、「これかな?」と思うモノが、この『助太刀09』にはあるようだ 私が優れた漫画に必要であってほしいモノ、それは読了後、読み手に、その作品のテーマについて、しっかり考えさせる事 この『助太刀09』が読み...
優れた漫画に必要なモノ、それは未だに、私自身もよく分かっちゃいないが、少なくとも、「これかな?」と思うモノが、この『助太刀09』にはあるようだ 私が優れた漫画に必要であってほしいモノ、それは読了後、読み手に、その作品のテーマについて、しっかり考えさせる事 この『助太刀09』が読み手に、厳しい表現と、確かな信念を持って問うてくるのは、正義の有無、復讐の正当性じゃないだろうか? 私にとっては『うしおととら』がバイブルなので、憎しみが何も実らせない、それは百も承知だ。しかし、それはそれ、これはこれ。大事な者を奪われた怒り、憎しみ、恨みを、納得できない、と言うより、したくない理由で自分から奪った相手へぶつけなければ、前を向けない、目の前の壁を越えられない、弱い人間が少なくないのも事実だろう 敵討ちが正しい、そんな事は言えない。多分、岸本先生だって、読み手にそんな考えになってもらいたくて、この『助太刀09』を描いている訳じゃあるまい。正しいのか、間違っているのか、もし、自分が被害者になってしまった時、全てを捨ててでも為すべきか、残った何かを捨てない為に諦めるべきか、それを真面目に考えるのが大事なんだろう 恥ずかしいとは思わないが、申し訳ない事に、これだけ語っておいて、私は自分だけの結論を出せないでいる。きっと、それは幸いにも、私がまだ、誰一人として奪われていないからだろう この3巻のメインは、全盲と言うハンデを抱えながらも、助太刀人の任に就いている中谷雪 視覚と引き換えに得た、音の反響による高度な空間把握能力が彼女の武器ってトコが、実に少年漫画好きとしてはグッと来る 赤色に対するトラウマを抱えた彼女が、自分への好意を隠せない功太の本気のエールで、己の弱さを乗り越えたくだり、実に好い 陰惨さが拭えない敵討ちの代行ではあるが、恋愛要素と言う色が描き加えられている事で、ほんの少しだけ、重苦しさが緩和されており、ここに岸本先生の地力の高さが窺える 功太も、まだまだ未熟だけど、惚れた女性の為に強くなると決意を新たに固めた事で、これから、一皮剥けそうで楽しみだ そんな雪と功太の恋の進展だけでなく、男性への嫌悪から自然な笑顔を浮かべられなくなってしまった涼子と母親との再会も描かれている このサイレント形式のエピソードが、3巻で一番、グッと来たって人も多いだろう ただ、最も、インパクトを与えたのは、やはり、萩原さんの話だろう 被害者の無念を晴らす、大層な理由があれども、結局は人殺しと変わりない 表の自分は死んだ、完全なヒーローなどいやしない、そう言いきる萩原さんの執刀が、如何様な物になるのか、見るのが恐ろしいような、ゾクゾクしてくるような やはり、外道に裁きの鉄槌を下せるのは、それに劣らぬ悪意に身を染め、真っ当な理性を保てる、歪んだ心の強さを持つ人間だけか・・・・・・毒は毒で制す、それがこの世の真理なのか? この台詞を引用に選んだのは、母娘との絆に心が温まるだけでなく、本来、人が持つ無限の可能性を感じさせてくれるものだから。白は確かに淋しさや物足りなさを感じさせるかも知れない。けれど、何もない、と考えるよりは、いくらでも自分の好きなモノを描ける、色を塗り重ねていける、そう考えた方が人生は楽しい。果たして、私はどんな色で、どんな絵を描けているんだろう
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