商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2015/11/01 |
JAN | 9784334910587 |
- 書籍
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白日の鴉
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白日の鴉
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商品レビュー
4.1
20件のお客様レビュー
今回もおもしろかった! シリーズと知らずに3作目から読んでしまって、 1作目に戻り、つづいてこの作品を読んだけれど、 武藤の新人の頃が一瞬だけ出てきて、嬉しくなった。 留置場や拘置所の様子が事細かに書かれているのも、友永の気持ちに強く入り込むことができて、擬似体験しているようだ...
今回もおもしろかった! シリーズと知らずに3作目から読んでしまって、 1作目に戻り、つづいてこの作品を読んだけれど、 武藤の新人の頃が一瞬だけ出てきて、嬉しくなった。 留置場や拘置所の様子が事細かに書かれているのも、友永の気持ちに強く入り込むことができて、擬似体験しているようだった。ゆえに途中すこし暗澹たる気持ちになったが、それも含めてよい読書体験だった。 現実は物語のようにはいかないとは思うけれど、警察官の方々のなかに、新田や片桐のような気持ちで働いてくれている方がいるなら、自分も信じた道を行こう、と心新たにすることができた。 4作目で条川署シリーズを読み終わってしまうのがさみしいので、まだしばらく新田の活躍は読まずにおこうと思う。ごめんね新田さん。
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福澤徹三『白日の鴉』(光文社、2015年)は痴漢冤罪事件と貧困ビジネスを扱う警察小説である。タイトルはイソップの寓話『おしゃれなからす』に因む。製薬会社MRの友永孝は痴漢冤罪で逮捕される。友永は見知らぬ男女から電車内での痴漢の疑いをかけられて駅から逃走し、駅前交番の新人巡査である...
福澤徹三『白日の鴉』(光文社、2015年)は痴漢冤罪事件と貧困ビジネスを扱う警察小説である。タイトルはイソップの寓話『おしゃれなからす』に因む。製薬会社MRの友永孝は痴漢冤罪で逮捕される。友永は見知らぬ男女から電車内での痴漢の疑いをかけられて駅から逃走し、駅前交番の新人巡査である新田真人に取り押さえられた。 友永は否認し続ける。否認し続けることは中々できることではない。決めつけの捜査で自白を強要し、冤罪を作る日本の刑事司法の仕組みが描かれる。実はタイトルを『自白の鴉』と勘違いしていたが、自白してしまう話ではない。 その後、真人は被害者の女子大生と目撃者の男性が親密そうな関係であるところを見てしまう。本来ならば警察内部で捜査をやり直すところである。しかし、硬直した警察組織は見直すことができない。真人は五味陣介弁護士に協力を求める。ここはフィクションならではである。現実の警察官に真人のような正義感を期待できるだろうか。
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「白い鴉がおるのを証明するには、白い鴉を一羽捕まえればええ。しかし白い鴉がおらんのを証明するためには、世界中をくまなく捜索せなならん。これが悪魔の証明、すなわち未知論証や。」 痴漢冤罪を訴える男、自ら逮捕しながら冤罪を信じ密かに協力する交番警官、国選弁護と年金で食いつなぐ老弁護士...
「白い鴉がおるのを証明するには、白い鴉を一羽捕まえればええ。しかし白い鴉がおらんのを証明するためには、世界中をくまなく捜索せなならん。これが悪魔の証明、すなわち未知論証や。」 痴漢冤罪を訴える男、自ら逮捕しながら冤罪を信じ密かに協力する交番警官、国選弁護と年金で食いつなぐ老弁護士。3人の男が、塀の中と外から有罪率99.98%の壁に挑む。 痴漢冤罪を晴らすことの難しさ。逮捕されてから留置場、拘置所へと移され拘留される数か月に及ぶ日々が克明に描写される。未決拘留期間は無罪でも有罪でもないのに、とても人道的とは思えない状況に置かれる恐怖。 読んでいる間中つらくて、もしも自分がこんな状況に置かれたらとても精神を正常に保っていられないと思う。 やってなくても認めて示談すればすぐに出られるからという悪魔のささやきにも似たそそのかし。やってないと証明することの難しさ。痴漢をすることは言語道断だけど、被害者の訴えと、目撃者がいれば簡単に陥れられる怖さ。 この作品、本筋の事件は驚くべき広がりを見せハラハラドキドキ、そして最後はスッキリなんだけど、途中の拘留中の描写があまりにリアルで怖すぎてどんより。 余談ですが、腐乱死体に蛆がたかって、蠅が大量に飛んでいるシーンでなんだか嬉しかったのは蛆ロスのなせる業。もう、ビョーキです。
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