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義太夫を聴こう
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義太夫を聴こう

橋本治(著者)

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義太夫を聴こう

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2015/10/17
JAN 9784309276502

義太夫を聴こう

¥1,980

商品レビュー

4.3

5件のお客様レビュー

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2021/07/15

文楽を見たことがある方ならわかると思うが、実は文楽は大阪にルーツを持つだけあり、笑いの要素もかなり含まれている。なので、この本も、分かりやすいのは確かだけれど、もう少し読みやすさを入れてほしかった。 元々は、鶴澤寛也さんというある女流義太夫と橋本さんが組み、文楽初心者に道行を見...

文楽を見たことがある方ならわかると思うが、実は文楽は大阪にルーツを持つだけあり、笑いの要素もかなり含まれている。なので、この本も、分かりやすいのは確かだけれど、もう少し読みやすさを入れてほしかった。 元々は、鶴澤寛也さんというある女流義太夫と橋本さんが組み、文楽初心者に道行を見せて楽しんでもらうという企画で、橋本さんが講演をしたものが主体で、義太夫というより道行をメインとした話。 琵琶と三味線の日本の音楽における役割の違いなども導入で説明されていて、読む気力がある者にはわかりやすいが、なんせしんどい。 本体になると、3つの道行を取り上げて、文章の意味を解説してくれる。なるほどとは思う!思うのだが、いかんせん、疲れてくる。まじめすぎるのだ。 15ページの引用は、心に響く。師匠も、ここでこの音をちゃんと弾かないと、太夫が息をひけないとかって言われるのと共通するなと。そして、175ページの引用では、そうか、太夫だけじゃなく、お客にも合図を出しているんだと目から鱗。だた、橋本さんの様に、それを理解してくれ、演者の出来を批判してくれる観客が減ると、文楽自体の質が落ちてきてしまいそう。そして、明らかに、観客の質は下がってきていると思うので、演者の心構えにかかってくる部分が増えそうな気がする。 135ページの引用では、まるで三味線と太夫が人間の運命を操る力を持つ運命だと、神だといわれたようで、気が引き締まった。 印象的だったのは、橋本さんと寛也さんの対談。橋本さんが結構、何様なのか偉そうで、寛也さんが近代的だと、古典芸能をする人間にとってはショックなのではないかというコメントをしている。 で、さらに巻末に橋本さんが、この寛也さんが近代的であるという特徴を踏まえて、源氏物語の一幕を現代義太夫として作詞したものが掲載されているのだけれど、やぱりもうね、現代人の日本語能力が下がっているのがいかんともしがたい。 文章がまず短い。こんなの、大夫さん、伸ばすとこばかりでしんどいし、初心者にとっても長く伸ばされた義太夫の方がしんどいのではないかと思う。これでは、ぷつぷつと文章が切れて、義太夫の特徴の一つである文章の美しさがないのではないか。 それに、関西人でない橋本さんが、関西弁を基調とする義太夫を作詞するのは、ちょっと出すぎではないかと思った。 ラッスンゴレライなど、すでにもう死んでいる、一時期的なはやりのフレーズなども入っており、これで義太夫の魅力に気付いてもらうのは難しいのではないかと思った。初心者には厳しい本。文楽を少しかじった人向け。

Posted by ブクログ

2020/01/14

著者の「浄瑠璃を読もう」を読んだのは、2012年9月。その1年後に大阪に単身赴任。三浦しもんさんの本も読み、国立文楽劇場通い。 昨日も新春公演に行く。太夫6人に三味線6棹並ぶ場もある。同じ節を謡う太夫達に同じ糸を弾く三味線。これは確かに音楽だと思うが、西洋の音楽の意味では音楽じ...

著者の「浄瑠璃を読もう」を読んだのは、2012年9月。その1年後に大阪に単身赴任。三浦しもんさんの本も読み、国立文楽劇場通い。 昨日も新春公演に行く。太夫6人に三味線6棹並ぶ場もある。同じ節を謡う太夫達に同じ糸を弾く三味線。これは確かに音楽だと思うが、西洋の音楽の意味では音楽じゃないな。 ときに太棹三味線は、音楽ではなく、「合いの手」だったら、効果音だったりする。 実は、初めて文楽劇場の客席に座ったときは、太夫の語りや三味線を僕は受付つけられないのではと、少し心配だったのだが、当たり前にすんなりその声と音に浸っていられた。 しおんさんが兎も角、太夫の語りが三業の中心と云うので、いつも太夫の前に席を取って、人形なんてタダの状況説明ぐらいのつもりで、録に見ていなかった。最近は舞台の人形の動きも見るようになったけど。 しかし、三味線の良し悪しはさっぱり判らない。勿論、ちゃんとした技量があるのは判るけど、それ以上のことは、全然。 さて、本書。 イントロは文楽、または義太夫の中の太棹三味線について。なるほどと心に落ちる。 本章は「道行」について。女流義太夫の鶴沢寛也さんとのイベントで語った内容。 道行は音楽だという。奥州安達ケ原の道行の場を観て、これ好き、と思った。春の野山を舞台に商人姿の男女が踊る。いいなあ。話の筋には全く関係ないけど。 妹背山婦女庭訓、仮名手本忠臣蔵は観た。義経千本桜は道行だけは観ている。 春には義経千本桜の通し狂言。また見に行こうと思っている。 でも、このイベント見た人達が無茶苦茶羨ましい。 終盤は、著者と寛也さんの対談。一度読んだだけじゃ、理解できない。説教節も清本も知らないし。 義太夫の音が自分に「入る」のかというと、かなり怪しい。でも、西洋の楽典に縛られた表現に限界を感じるし、太夫と三味線に少しはなじんでいる。もっと深く入りたいと思う。 オマケは著者の書いた新作「源氏物語 玉葛」。この人の書いた薩摩琵琶の「天守物語」も読んだことあるけど、本当この人トンデモナイよ。 らっすんごれらいとか、ちょと待てちょっと待てお姉さんとか、あるけど。 著者には長生きして、文楽のことももっと教えて欲しかったなあ。

Posted by ブクログ

2017/03/30

歌舞伎を見てて、義太夫が何を言ってるかよくわかんない、とか、浄瑠璃での踊り(道行など)は雰囲気でしか見てない、という人にはとてもよい解説書。義太夫がどんなことをどんなふうに言っているかとても丁寧にわかりやすく教えてくれる。歌舞伎好きにはとてもおすすめ。

Posted by ブクログ

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