商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2015/10/01 |
JAN | 9784575239249 |
- 書籍
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小人の巣
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小人の巣
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商品レビュー
3
9件のお客様レビュー
死をテーマにしている割には、セリフや流れが軽い気が… やりとりがチープでシラケる 期待値が高かった分、残念
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人が死にたくなる瞬間って結構そこらへんに転がっているものかもしれない。 いじめ、就職活動、将来への不安、恋愛、身近な人の死……。 実際日本の自殺者数は多く、作中では年間3万人以上、WHOの基準にならって変死者数の半分を含めると(遺書がないと変死扱い)10万人以上になると書かれて...
人が死にたくなる瞬間って結構そこらへんに転がっているものかもしれない。 いじめ、就職活動、将来への不安、恋愛、身近な人の死……。 実際日本の自殺者数は多く、作中では年間3万人以上、WHOの基準にならって変死者数の半分を含めると(遺書がないと変死扱い)10万人以上になると書かれている。 3分に1人が死を選んでいることになる。 本書は2015年10月発行なので、現在の自殺者数だけを見てみるとやや減少傾向にあり、2016年には2万1千人となっている。 しかし、これでも多い。 連作となる5つの短編の主人公たちも自殺を考えていて、「小人の巣」という自殺サイトにたどり着く。 サイトを運営するシャーマンの正体は病に伏せる10歳の少女で、「楽に死ねる薬を譲る代わりに臓器を提供してほしい」と頼まれる。 白河三兎の作風と物語の流れからして、登場人物たちが自殺をあきらめる方向になるというところは予想がつく。 あとはそのきっかけをどう描くかが見どころになるのだが、ちょっとインパクトが弱かった。 そのせいで、どうもきれいごとにしか思えなくなってくる。 ただ、5編の中では「アリとキリギリス」が考えさせられる内容だったと思う。 主人公は大学卒業後、ある計画を立てた。 10年間働いて会社を辞め、貯金で15年間悠々自適に生きてから妻と心中する。 それに妻も同意し、計画通り生きてきた。 そんな考えに思い至ったのは、事故や病気、老後の不安、そして働き続けていると妻との時間を確保できないといった理由からだった。 束縛されて不自由なまま不安を抱えて長く生きるよりも、短くあっても自由に生きることを選んだ。 私も生きるために働いているのか、働くために生きているのかわからなくなることがあって、ちょっと生き方について考えさせられた。 現代社会に生きる日本人にとっては、このエピソードが一番リアルに感じられるのではないだろうか。 ラストは、登場人物のこういった不安とはまた違う複雑な思いも見えてきてよかった。 作品全体でみると、著者の作品に多いラストの衝撃的な展開が今回はパンチが弱かった。 見せ方は相変わらずうまいなと思ったが。 お決まりの芯のあるヒロインもいたが、登場人物の視点から語られることはあっても交流が多くないので、あまりヒロインの内面に迫れなかった気がする。 それと10歳にしては達観しすぎ。 著者の作品を読むのは5作目になるが、その中では5番目。 とはいえ私の中では打率の高い作家なので、引き続き他の作品を読みたい。 文庫化されていない作品が多いのが金銭的に痛いところ。
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期待を裏切らない白河小説。 自殺ほう助サイト「小人の巣」 ポリシーは,どうせ自殺するなら無駄死にせず、病魔と闘いつつ生きたいと思ってる人に臓器提供をしなさい。ドナーカードを作ってきたら安楽死の薬をあげます、ってもの。このサイトの狙いとは? …ってこんな舞台で短編5編も、それもそれぞれに個性的なきっちりオチつけた物語をかけるなぁ、と感心した。特に「アリとキリギリス」の自殺したい理由がかなり変化球でオモロい。この1冊の中で一番気に入った短編。 オーラスの仕掛けにはびっくり。Zガンダム戦闘シーンのごとき哲学的言い争いの果てに見えた地平は生者のものか死者のものか…。作者のことだから、なんか仕掛けてるだろうとは思ったが、伏線を同じ正方形に畳むにしてもなんとも言えない畳み方(笑
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