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ミス・ブロウディの青春 白水Uブックス海外小説 永遠の本棚
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2015/09/17 |
JAN | 9784560072035 |
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ミス・ブロウディの青春
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ミス・ブロウディの青春
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商品レビュー
3
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分は特別な存在だと信じていても失敗や後悔はある。先生になったら過去の反省を生徒に伝えれば特別な女性なるはずだ!と思う気持ちはわからないでもない。似たような母親もいるけれど結局は別人格。上手くいかないょ。それでも先生は老年になっても生徒との繋がりもあるし憧れられてもいた。先生冥利には尽きる人生だったのではないかな? 読んでいる時よりも感想を書いている今になって案外面白い作品だったと思っている。ミュリエル・スパークは他の作品も読みたい。
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青春は幾つになっても・・・ 「ミス・ブロウディの青春」を6/24から6/26にかけて読んだ。最近は平日は疲れて眠くて、休日にまとめて、ということになっている・・・ スコットランド、エディンバラの女学校の変わり者先生ブロウディは、ブロウディ・セットと呼ばれることになるお気に入りの生...
青春は幾つになっても・・・ 「ミス・ブロウディの青春」を6/24から6/26にかけて読んだ。最近は平日は疲れて眠くて、休日にまとめて、ということになっている・・・ スコットランド、エディンバラの女学校の変わり者先生ブロウディは、ブロウディ・セットと呼ばれることになるお気に入りの生徒を5人くらい周りに作っている。「青春」とはこの生徒たちの「青春」なのかと思いきや、タイトル通り、先生の「青春」なのだ、と読み進めるほどにわかってくる。その筋と、セットの生徒たちが大人になってからのそれぞれのそれからがパッチワークみたいに(この比喩合ってるのか?)織り重なっていく。 まずは、先生がエディンバラの下町?に連れて行き、職業安定所の脇を通る場面から。あ、そうそう、時代設定は大戦間の恐慌後。 ゆっくりと、けいれんするように動く列が生きもののようにふるえるのが見えるように思えた。その列が一匹の竜の身体で、この町にいる権利はないのにどうしても出て行かず、といって殺そうとしても死なない、そんなふうに見える。 (p59) 続いて後日談の方から。女優としてまあまの成功をおさめていた40歳近いジェニーはローマで雨宿り中、同じく雨宿りしていた「あまりよくは知らぬ」(見知らぬではない?)男と奇妙な体験をする。 その感じというのは、肉体的とも精神的とも言いきれぬ、すべてを含むような感覚で、ただひとつ言えるのは、そこには、彼女が十一歳の時以来忘れていた罪のないよろこびがあった、ということである。 この短いハプニングは、おどろきと、どんなものにも可能性がかくされているんだわ。という気持ちで彼女をいっぱいにするのだった。 (p122) ラスト近くからも一箇所。 先生が亡くなったあと、先生の名前と思い出は、夏のつばめのように口から口へと飛び交っていたが、冬になるとどこかへ飛んでしまった。 (p191) 「直喩の勝利!」みたいな味わい深い一文・・・ 先生の「変わり者」とセットの一人サンディの「裏切り」もこの小説の読みどころの一つなんだけど、今回はそっちにあんまり頭振れなかったような気が。前者は、先生はムッソリーニの信奉者で黒シャツ隊の写真なんかも持っていたけど、別に生徒たちにそういう教育を教え込んでいたということでもなし。この時代ファシズム側にも一定の理解とあるところまでの共感者はいたみたい。そしてファシズム側にもなんらかの可能性はあったのではないか。前に読んだ「日の名残り」でもそう思ったけど。 後者はもっと読み込んでないけど、一番セットの中で中心に描かれているサンディが最終的に「裏切る」のだからそこは読み落としてはいけないところなのかも(汗)。ただ、死の直前になってようやく先生がサンディの「裏切り」を直感する、というところは巧みだなあ、とは思った。 この作品は1969年に映画化もされている。そして木村氏(短編集も訳した)による新訳もあるみたい。そっちは「ブロディ」になっている。 (2018 07/01)
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キリスト教文明の人々は、森羅万象の中にキリスト教的な摂理を見いだせたときに、したりと膝を打つ。当たり前といえばあまりに当たり前のことを納得させられる作品。(本作の場合、神の摂理を人が代行した時、とばっちりに見舞われるという部分が、神の摂理)。 50年も前に書かれたものとは思えぬポ...
キリスト教文明の人々は、森羅万象の中にキリスト教的な摂理を見いだせたときに、したりと膝を打つ。当たり前といえばあまりに当たり前のことを納得させられる作品。(本作の場合、神の摂理を人が代行した時、とばっちりに見舞われるという部分が、神の摂理)。 50年も前に書かれたものとは思えぬポップな小説で、イギリスの小説でこういう軽妙な印象を受けたことは珍しい。内容まで軽くはないので、その点の心配は無用。 ロンドンに対するエジンバラの立ち位置や、宗教改革の歴史などに通じていると、より一層ニンマリしながら読めるのだろうという予感はする。
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