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街への鍵 ハヤカワ・ミステリ1898
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街への鍵 ハヤカワ・ミステリ1898

ルース・レンデル(著者), 山本やよい(訳者)

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街への鍵 ハヤカワ・ミステリ1898

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2015/08/08
JAN 9784150018986

街への鍵

¥2,090

商品レビュー

3.2

10件のお客様レビュー

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2023/01/19

 1996年作。  クロード・シャブロルという映画監督がいて、ヌーヴェルバーグの一派とされているようなのだが、ルース・レンデル原作の映画を幾つか作っている。それが普通に面白く、私もレンデルに興味を持つようになって、『殺しの人形』だけはハヤカワ文庫のを買って読んだ。  が、いま探し...

 1996年作。  クロード・シャブロルという映画監督がいて、ヌーヴェルバーグの一派とされているようなのだが、ルース・レンデル原作の映画を幾つか作っている。それが普通に面白く、私もレンデルに興味を持つようになって、『殺しの人形』だけはハヤカワ文庫のを買って読んだ。  が、いま探してみると、かつては角川文庫あたりでもラインナップがあったはずなのに、文庫で中古でなく購入できるルース・レンデルの小説がほとんど見当たらないのだ。この作家が亡くなったのは2015年らしいが、急速に忘れ去られつつある作家なのだろうか?  本書はハヤカワ・(ポケット・)ミステリという、新書版よりもさらに縦に長いサイズの本で、本文は2段組になっている。  面白いかと思って読んでみたのだが、残念ながら、これはつまらなかった。  一応ミステリっぽい「サスペンス小説」のはずだが、ようやくサスペンスが感じられ始めるのは350ページも過ぎた辺りからである。その前から殺人事件は起きているのだが、被害者がホームレスで身寄りもないせいか、周囲の反応も薄く、緊迫感は全然ない。  複数の人物を切り替えながら多層的に話を進めていくのだが、メアリの恋愛物語以外は特に進展する話もなく、ひたすら退屈である。しかも、読み終わってから振り返ると、そんなふうに多重視点で描いてゆく必要があったかどうか、疑わしい。  現在の日本のエンタメ小説界では当たり前の、改行だらけのスカスカ文体とは異なり、特に人物を念入りに描写しているようには見えるけれども、いかんせん、ヘンリー・ジェイムズの「描写」への凄まじい執念とそれが醸し出す緊張と濃密と比べてしまうと、どうしてもこれは三流止まりの描写なのである。  そんな感じで、読んでいてなんだか淋しくなってしまうような本だった。

Posted by ブクログ

2021/01/22

なかなか自分の意思を表出できないメアリ。同棲相手はDVの気がある。メアリは骨髄移植のドナーとなり、その相手と会い、自分と似たものを感じ惹かれあうようになる。ロンドンのリージェンツ・パーク界隈を中心に、猟奇的な殺人と、浮浪者、ヤク中、犬の散歩請負人などがレンデル的な進行で絡み合う。...

なかなか自分の意思を表出できないメアリ。同棲相手はDVの気がある。メアリは骨髄移植のドナーとなり、その相手と会い、自分と似たものを感じ惹かれあうようになる。ロンドンのリージェンツ・パーク界隈を中心に、猟奇的な殺人と、浮浪者、ヤク中、犬の散歩請負人などがレンデル的な進行で絡み合う。最後まで読むと、これはメアリの再生の物語なのだと思った。 骨髄提供をしたメアリはそれを理解しないアリステアとの同棲を解消してロンドンのリージェンツ・パークに近い屋敷に、数カ月旅行に出かける老夫婦の留守を預かる。その界隈には麻薬中毒のボブ、交通事故で妻と子供二人を亡くしたショックから路上で生活しているローマン、犬の散歩を請け負い年金生活を食いつないでいるビーンがいた。 メアリは提供相手と会い次第に惹かれてゆく。一方浮浪者が殺され公園の鉄柵にさらされる事件が起きる。散歩人ビーンの過去、提供相手の秘密、DV的なアリステアとメアリの関係、これらがからまり、最後は悲劇の結果か?と思いきや、確かに悲劇もあるのだが、主人公メアリはそれを乗り越え、新たな人生を歩みだす。ああ、よかったよかった。 失意のローマンはホワイトカラーで、彼のアクセントが浮浪者仲間から浮いている、という記述が興味深い。 ルース・レンデル、今回は読み通すことができた。 1996発表 2015.8.15発行 図書館

Posted by ブクログ

2020/03/27

主人公「メアリ」への、夫のDVが絡む内容に、イヤミスに近いものを想像したが、読み終わると、これが案外、面白かった。 ホームレス連続殺人の犯人について、最後に一気に、急展開されるが、実は、ちょっとずつ伏線が張られていたのも、上手いと思ったし、ミステリーのジャンルにしては、人物の描...

主人公「メアリ」への、夫のDVが絡む内容に、イヤミスに近いものを想像したが、読み終わると、これが案外、面白かった。 ホームレス連続殺人の犯人について、最後に一気に、急展開されるが、実は、ちょっとずつ伏線が張られていたのも、上手いと思ったし、ミステリーのジャンルにしては、人物の描写と設定が事細かくて、感情移入できました。メアリ、ローマン、ビーンと、すごく個性的なキャラだった。 また、犯人については、上記した以外の謎もあり、これが結構ややこしく、面白かったし、メアリの成長に関わる、驚愕の謎もあるので、ミステリー好きの方には、一読をお勧めします。 個人的には、メアリにとって、グーシーの存在が、ローマンにとって、メアリの存在が、それぞれ大きかったのだろうなと思える、人間ドラマとしての描写も素晴らしく、思えました。 それから、ロンドンの地名と道路の描写が、多いのも、特徴的でした。これをちゃんと追えれば、謎解きも、より楽しめそうに感じました。

Posted by ブクログ

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