商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2015/08/01 |
JAN | 9784041029619 |
- 書籍
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颶風の王
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颶風の王
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商品レビュー
4.1
44件のお客様レビュー
ヲヨバヌ 感想が難しい。 昔の人の強さ、馬との深い絆が描かれており、読んだことにより、活力になる。そんな作品です。 おすすめの読み方→3章に入った辺りで、”ユルリ 馬” でググってみてください。
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再読して評価が変わり ました。 うん、この物語は先々 私の力になってくれる 気がする。 忘れたくないのでここ に粗筋を書き残します。 これから読む方はパス してください。 雪崩に呑まれた身重の ミネと芦毛のアオから 始まる物語─ 閉じこめられた雪洞の 薄暗闇で、 アオの体温に温められ その肉を齧り命を繋ぐ 母子。 ミネは救出されやがて 産声をあげた子は捨三 と名付けられる。 彼は自分の出自を知り 母が馬とともにあった ように、 自らも馬をともにして 北海道に渡り新天地を 開拓する。 時は経ち昭和の戦後の 世で捨三は馬喰を営み 強かに生活を続けてた。 出征して帰らなかった 息子に代わり、 やがて孫の和子が後を 継ぐ。 和子といえば出奔した 仔馬のワカを暴風の夜 に探し歩き、 暗い森でシマフクロウ に威嚇されるシーンが 印象的。 もっといい馬を仕立て たい・・・。 厳しい環境においても 胸に小さな希望を灯す 和子。 しかし一家と馬たちの 平穏はにわかに壊れる。 台風で起こった崖崩れ が、 昆布運びのため働きに 出てた馬たちを孤島に 閉じ込めたのだ。 やがて時は平成の世と なり和子の孫娘ひかり は、 病床の祖母に請われて 孤島に残された馬たち を見に行く。 しかし馬が孤島に閉じ 込められたのはもはや 半世紀も前の話であり、 せいぜいが崖の崩れ跡 を見るばかりであろう。 しかしなんとそこには かつての群れの末裔が、 たった一頭生き残って たのだ。 風が吹きつけるなかで、 海鳥たちが鳴き交わす なかで、 その馬と邂逅を果たす ひかり。 慕わしげなまなざしと がっしりした四肢、 その姿には悲しみなど なかった。 颶風とは強く激しい風 のこと。 ひかりの記憶のなかで そのときの風は永遠に 吹き続けるでしょう。 そして私の記憶のなか でも・・・ 祖先のせめて名前だけ でも知りたい! 自分のルーツに想いを 馳せるきっかけとなる 作品です。
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北海道の開拓の物語は何冊か読んだけど、馬をテーマにした話はまた独創的で、冒頭の雪崩で遭難した話がまた壮絶で、この本の前に読んだ『ともぐい』の類似話かと思いきや、場面が、二世代移り変わり東北から根室に移住し、その孫が主人公となり馬との共存、そして無慈悲な別れを経て十勝へ。そしてまた二世代移り変わりまた孫が主人公となり置き去った馬との再会を果たすという単純であるも馬とのかかわりを持つ一族としてずっと受け継がれた血が運命を引き寄せる。 物語もさることながら、文章力もぐっと引き込まれ、場面がずっと最初から最後まで目に浮かぶようで、この本は「三浦綾子文学賞」なるものを受賞したそうなんだけど、まったくのノーマーク。返却棚で見つけたのが幸いしたのだが、こんなに力強い表現力で描かれた北海道の情景はこれまでにない感動を与えてくれた。 良本はいつでもすぐそばにあるのになかなか気づかないものである。
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