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国連と帝国 世界秩序をめぐる攻防の20世紀
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国連と帝国 世界秩序をめぐる攻防の20世紀

マーク・マゾワー(著者), 池田年穂(訳者)

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国連と帝国 世界秩序をめぐる攻防の20世紀

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 慶應義塾大学出版会
発売年月日 2015/07/01
JAN 9784766422436

国連と帝国

¥3,080

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

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2021/02/11

訳者によると欧米の知人らから、「なぜ日本人はそんなに国連を有難がるのか」と不思議がられるとのことだが、本書を読むと国連が国連憲章の建前と異なり、南アフリカのヤン・スマッツを中心に著者のいう「帝国主義的インターナショナリズム」継承を企図し、設立され、その後、ネールにより、反植民地主...

訳者によると欧米の知人らから、「なぜ日本人はそんなに国連を有難がるのか」と不思議がられるとのことだが、本書を読むと国連が国連憲章の建前と異なり、南アフリカのヤン・スマッツを中心に著者のいう「帝国主義的インターナショナリズム」継承を企図し、設立され、その後、ネールにより、反植民地主義の先鞭をつけたことにより、設立当初と性格を異にし、今日に至っており、一貫したポリシーのようなものはないことがわかる。日本と国連との関係を考え直すには格好の書であると思う。

Posted by ブクログ

2017/04/05

南アのスマッツという軍人政治家やジマーンといった帝国主義的なインターナショナリストの存在を知らなかったし、そうした人間にとって国連は英連邦の延長線上にあったわけだ。

Posted by ブクログ

2015/09/27

ヨーロッパのユダヤ人問題は、19世紀末以来、民族の権利やマイノリティの権利についてのインターナショナルな考えを考慮の中心に据えてきた。1919年の平和の構築において、国際連盟を戦後の和平の条件に結びつけることが重要課題の1つとなったユダヤ人ロビイストたちがベルサイユで東ヨーロッパ...

ヨーロッパのユダヤ人問題は、19世紀末以来、民族の権利やマイノリティの権利についてのインターナショナルな考えを考慮の中心に据えてきた。1919年の平和の構築において、国際連盟を戦後の和平の条件に結びつけることが重要課題の1つとなったユダヤ人ロビイストたちがベルサイユで東ヨーロッパの新国家群が国際的な承認を得られるのは、国際連盟の監視により保障される「マイノリティの権利遵守」次第とさせた後だったからである。パリに圧あった東ヨーロッパの代表たちは、大っぴらに自分たちが自国の市民をどう扱っているか国際組織に報告するのを強制されるという不面目に抗議したが、ポーランド東部、ルーマニア、ウクライナでのユダヤ人虐殺(ポグロム)が報告されたことにより、彼らの立場は危ういものとなった 。 1930年代半ばまでには、国際連盟のマイノリティの権利保護の体制は混乱状態に陥っていた。東ヨーロッパ諸国の内政に絡む干渉の度合いは、ひどく憤慨されるものだった。しかし国際連盟の考案者たちは、いかなる強制執行の機関をも準備しておらず、それゆえマイノリティグループも、また同時に彼らを支援することのある強大国も遠ざけてしまった。さらにドイツが大国として、このような監視に従ってこなかったので、ナチスが第三帝国内でユダヤ人を標的にし始めた後にも、ジュネーブには介入しようにも事実上法的基盤がなかった。ひとたび国際連盟の威信が衰えると、ポーランドが先鞭をつけたのだが東ヨーロッパ諸国は、ことさらにユダヤ人を劣等民族に貶め退去させようとするあからさまな努力において、マイノリティに対する形式的な義務を思い煩うこともやめたし、実際にボイコットや定員枠、その他同様の差別的な政策の実施の面でドイツに倣い始めた。1937年までにヨーロッパは第一次大戦終結以来の無類の規模の難民危機に直面していた。国際連盟は手を差し伸べるには無力であるように思われた。誰が難民とみなされるかについては、一般的な定義がなく、実際、何十万人もの無国籍の人々が20年間も法的に忘れられた状態で暮らしていた 。 世界的な難民危機は国際連盟の失敗を証するものえ、ヨーロッパを再度戦争に陥れようとしていた。ヒトラーはドイツでは人間が溢れ返っているし、劣等姻族という余剰の人口は放り出さざるを得ず、ドイツ民族事態が、1918年に戦前の帝国領土のかなりと海外に持っていた植民地を奪われていたので、もっと土地を必要としている、そう主張した。しかし、この主張はナチスの中にだけ見られたものではなかった。実際、ヨーロッパは人口過剰という慢性的な問題に苦しんでいるとか、海外への余剰人口の創出を可能にせねばならないとか、1918年以降の人口硫黄への障壁が国際的な緊張悪化の一因となっている、といった合意が広く見られた 。

Posted by ブクログ

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