商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2015/07/25 |
JAN | 9784396783662 |
- コミック
- 祥伝社
トリガー
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トリガー
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高校時代に同性の同級生に告白されて、相手に「気色悪い」と言う言葉を投げつける図式はよしながふみさんの『西洋骨董洋菓子店』と酷似している。大人になって偶然再会する辺りも似ているが、自分を否定し続けて「人波に立派で周囲より優れている人間である事」を選択した三井は、結婚し子供ももうけた...
高校時代に同性の同級生に告白されて、相手に「気色悪い」と言う言葉を投げつける図式はよしながふみさんの『西洋骨董洋菓子店』と酷似している。大人になって偶然再会する辺りも似ているが、自分を否定し続けて「人波に立派で周囲より優れている人間である事」を選択した三井は、結婚し子供ももうけたが、勘の良い妻に離婚を突きつけられる。妻は彼がゲイである事に気付いたのではないだろうが、彼が頭で考えた人生のコースに相応しいパーツとしてしか周囲のものを捉えていない人間性の欠如を見破ったのだろう。 離婚後、三井の隣に、高校時代に自分に告白して来た曽根が、曽根が片想いしているノンケの仕事仲間と事務所兼住居にするために越して来たところに出くわす。ここからの関係性が帯文にある「とあるクズエリートの人生の崩壊。」と評されるところだが、これは誰の身にも日々起こり得る人間関係ではないだろうか。 ある人間と知り合ったとする。色んな面で強者・敗者的な部分が発生すると、三井側の人間に当たる人間は「嗜虐者」になる可能性が高い。逆に曽根側の人間は、自覚せずに三井側の嗜虐性を煽っているのだが、実はどちらにもそんな意識はない。ただ、平等ではない、と感じる場面が重なり、同等の人間関係を結ぶのは難しいと感じてしまうのだ。 嗜虐性を満足させる相手と認識する人間は、本当に嗜虐趣味を心の奥底に持っているんだろうが、場合によっては容赦しないと言う人間にとっては、嗜虐性を煽るような言動を行う相手を鬱陶しいと感じるようになる。被害者面をうざいと感じるようになるのだ。被害者面されると、こちらは加害者であると言われているようなものなのである。 性根に嗜虐趣味を持った人間は基本他者の感情に無関心だ…だから自分が蔑まれていると感じた時に性根が顔を出し、そこに嗜虐趣味をぶつけられる人間が現れると、その人間の感情にも共感できない訳だから、本性が発露する。そして自分をこう言う人間にしてしまったのはお前のせいだとののしるのだ…他者に共感できない人間は実は自分にも共感できない。自分に向き合えない。三井よ…そう言う事だよ。でも、三井よ、私も気持ち解るよ。曽根が優しい人間で良かったね。優しくて強い人間で。設定としては決して珍しい図式ではないが、人間関係の一形態としてとても考えさせられるものがある。三井のような人間には曽根のような人間が必要なんだよ、天邪鬼で自尊心が強くて自分の弱さに「弱い」んだから…。 三井視点で描かれていたので、余計に感情移入してしまった。一見「強い」人は弱さを隠しているのではなく、弱さに対して誰かが何かしてくれると期待してないだけの人。黙って受け入れてくれる事を誰よりも望んでいるのだ。「ビューティフル・サンディ」も三井の少年時代の話で、性の定まらない思春期の疑似恋愛的感情を上手に処理できなかった人間はたくさんいるのだ、と言う事も考えさせられた。作品最後の三井のモノローグが全てを物語っている。一人の人間の話。 三井視点なので、曽根がどんな気持ちでいたか、何を考えていたか、そこを考えると愛情深い人間は懐が深い、と言う事も解って来て、彼のような強さを持ちたいなぁ、と心底思う。 帯読んでて、BLとして興味を引くためのキャッチコピーに騙されてはいかんな、と言う作品だった。と言うか、BL的煽りは必要ない。むしろ邪魔。普通に一人の人間を描いた漫画として十二分に読めるのに、BLとしてこうである、と言うのは必要ない。むしろ邪魔。BLも「漫画」の一種で、人間が描けてなければ面白くない、設定頼りは止めて、と思う様になったんだよ。設定を楽しむ時期は過ぎた…それだけの事。
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ゲイである事を隠して…というか、否定して生きてきたエリートリーマンの三井×高校の時三井に告ってきた元同級生の曽根。 だからと言って、ただの再会愛ではないところがポイント高でした。 再会はするんだけど、三井が曽根をゲイだと手酷く攻撃しまくりなんですよね。サイテイです…! そんな三井...
ゲイである事を隠して…というか、否定して生きてきたエリートリーマンの三井×高校の時三井に告ってきた元同級生の曽根。 だからと言って、ただの再会愛ではないところがポイント高でした。 再会はするんだけど、三井が曽根をゲイだと手酷く攻撃しまくりなんですよね。サイテイです…! そんな三井の攻撃を受けてもやさしく包み込むように受けとめる曽根。マリア様かと思っちゃうほどです。 順風満帆だった三井がどんどん荒んで転落していくのを、ふつうだったらさっさと見捨てるところだけど、見るに忍びなかったのか手を差し伸べた曽根。 かつて好きだった憧れの相手がこんなに弱くて惨めったらしくなってて、そんな奴から酷いことされてもですよ…! 受け止めるやさしさだけじゃなく、忍耐力もあるのは愛の力? 三井はどん底まで堕ちながらも、自分の弱さをさらけ出せる相手がいてくれたことで、なんとか自我を取り戻すことができたんだと思いました。 二人のHは究極でしたね。エロいとかより、切なくて痛くて苦しい気持ちが伝わってくるような… もし、三井が素直に自分の性癖を受け入れていたなら、二人はもっと早くに幸せを手に入れることができただろうなと思ってしまいました。 世間一般の常識や価値観というものに必死に合わせてきた三井の頑な思考や生きかた…というか、そんな世間に問題がありますね。 遠回りだったけど二人でちゃんと幸せになれそうでよかったです。女じゃないからと、頑なだったHも自由に開放できたのは曽根がいたからこそですよね~ 離婚とかDVとか生々しい描写があったけど、そこから目を背けずに読んでみると胸にこみあげてくるものがあって、とても奥深い作品でした。
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イシノアヤさん作品で今のところ一番好きかも。三井がクズでどうしようもないくせに最後の方自分の性癖を認めたところはウルっとしてしまいました(泣) 対する受の包容力とか、精神的な受け攻め逆転した関係性がいいです。で描き下ろしではうわーって展開で(笑)待ってました!って感じでした。大好...
イシノアヤさん作品で今のところ一番好きかも。三井がクズでどうしようもないくせに最後の方自分の性癖を認めたところはウルっとしてしまいました(泣) 対する受の包容力とか、精神的な受け攻め逆転した関係性がいいです。で描き下ろしではうわーって展開で(笑)待ってました!って感じでした。大好き。
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