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ユキは十七歳 特攻で死んだ 子犬よさらば、愛しきいのち ポプラ文庫
682円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2015/07/03 |
JAN | 9784591146002 |
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ユキは十七歳 特攻で死んだ
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ユキは十七歳 特攻で死んだ
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人間というものは、使命感を抱き、その使命に誇りを持って燃えることができれば、どんな過酷さにも平気になれるものだ。むしろその過酷さを引き受けることが誇りになる とは、陸軍士官学校の教育についてのべられた中條高徳さん(陸土六十期、アサヒビール名誉顧問)のことばだ。 只一筋に征く 特...
人間というものは、使命感を抱き、その使命に誇りを持って燃えることができれば、どんな過酷さにも平気になれるものだ。むしろその過酷さを引き受けることが誇りになる とは、陸軍士官学校の教育についてのべられた中條高徳さん(陸土六十期、アサヒビール名誉顧問)のことばだ。 只一筋に征く 特別攻撃隊員 陸軍伍長荒木幸雄 西住寺で最後に一筆求められたのでしょう、大型ののりのきいた白いハンカチにひとこと、凛々しい短いことばを、楷書体のしっかりした字で墨痕あざやかに書き遺しています。 目標をさだめて、突撃開始。全速力で、激突するまでおよそ十数秒 特攻隊員に与えられた「極秘特攻隊必携」には、「最後マデ照準セヨ。眼ラツムルナカレ。眼ヲツムレバ命中セズ」とあった(『と号空中勤務必携』下志津飛行部隊)。 病で余命少なくなったあるひとは、自分の腕にとまって血を吸っている勤さえも、いのち愛しく、叩かず、払わなかった、また、大手術を受けて死の淵から生還したあるひとはいいました。草木の幼い芽吹きにも、一匹の小さな虫にも、いのちの不思議と生きとし生けるものへの愛しさを感じると それに通じるような、この世に生きるものへの切ない惜別の心情が、死を覚悟した十七歳の少年にあったのではないか 出発準備が整う14時ごろのこと、幸雄は仔犬を見つけたのだと思われる 中央に、身をかがめた荒木幸雄伍長が、子犬を抱いている。右の掌にのせ、左の手で子犬の首元を支えています。それを囲む少年飛行兵たち。荒木のむかって右にかがんで、子犬の背に手をさしのべる形田教正佐長(十八歳)。その後ろに立つ小柄な高橋峯好伍長(十七歳)。荒木の左に子犬の頭をなでる早川勉佐長(十八歳)。その後ろに高橋要伍長(十八歳)がいます。みな、少年飛行兵十五期の仲間だ。すでに、飛行服に飛行帽、帯で身をかためて、出撃の準備を整えている。左の二の腕につけられた第七十二振武隊のマーク。額にあげた飛行眼鏡が空を映して反射し、機元に巻いた白いマフラーが凛々しくあざやかだ。死の出撃まで、二時間。子犬はしょんぼりして悲しげだが、少年飛行兵たちは悲壮感を感じさせない。荒木伍長は真っ直ぐにカメラを見つめて、静かな笑みをたたえ、早川伍長と高橋要伍長は、子犬を見て白い歯を見せて明るく笑っている。千田伍長は顔をほころばせ、後ろに立つ高橋峯好伍長は、まわりを気にしたのか照れたような茶目っけのある笑みを浮かべて、わきに目をやっている。迫る死の恐怖を感じさせない、彼らのさわやかな微笑みは、いまも、見るひとの目に焼きつき、心をつかんで離さない。 出撃準備を整えた幸雄達だったが、沖縄地方の悪天候のため、出撃は翌日になった。 そして、午前四時に出撃。前方、晴れた日なら見えてくるはずの沖縄本島の島影は、黒い雨雲に おおわれていて見えない。あの雲の彼方で、守備軍が優勢な米軍を相手に凄絶な死闘をつづけている。住民たちは戦火に追われて、いのちを奪われつつある。援けなければならない。同胞を護らなければならない。そう信ずればこそ、いのちをかけて、彼らは征く。
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帝国陸軍・荒木幸雄陸軍伍長は1945年5月27日神風特別攻撃隊第七十二神武隊として沖縄周辺の海で特攻死した。表紙の写真は特攻前に撮られた実際の写真である。 死を直前にしながら彼らの表情には悲壮感のかけらもなく、朗らかに微笑んでいる。短くも烈しく燃えた若者たちは死が迫った中何を思...
帝国陸軍・荒木幸雄陸軍伍長は1945年5月27日神風特別攻撃隊第七十二神武隊として沖縄周辺の海で特攻死した。表紙の写真は特攻前に撮られた実際の写真である。 死を直前にしながら彼らの表情には悲壮感のかけらもなく、朗らかに微笑んでいる。短くも烈しく燃えた若者たちは死が迫った中何を思っていたのだろうか。国を思い、家族を思い、彼らはその若き命を捧げた。彼らの死の上に現在我々は今の平和を享受できているのだ。 先日衆議院で安保法案が可決された。戦争は絶対にしてはならない。その思いは全ての人が共通して持っているだろう。デモで反対を主張するのも一つの方法だろう。ただ戦争法案と煽り、徴兵制復活だと人々のヘイトを煽る行為が果たして本当に建設的な行為なのだろうか。今我々がしなくてはならないことは、抽象的なことを喚き散らすのではなく、きちんと問題点を指摘することではないだろうか。国際情勢をきちんと理解し、これからの国家安全に真に必要なことを議論することを忘れてはならない。 今の中高生には戦争そして特攻隊の事について知り、真剣に考えてもらいたい。当時と今とでは情勢が違うのでもし自分であったらなどと考える必要はないが、生命を尊重する心、平和を愛する心を是非学んでいただきたい。
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