商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 並木書房 |
発売年月日 | 2015/06/01 |
JAN | 9784890633272 |
- 書籍
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新史料による日露戦争陸戦史
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新史料による日露戦争陸戦史
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日露戦争は、当時の国家予算2.6億に対し、戦費18.26億を費やし(うち外貨公債調達額13億)、債還が全て終わったのが昭和61(1986)年という、途方も無い規模で行われた戦争であり、かつ、この戦争によってアジア地域への海外勢力の日本周辺への侵略の意図を挫くことに成功した未曾有の...
日露戦争は、当時の国家予算2.6億に対し、戦費18.26億を費やし(うち外貨公債調達額13億)、債還が全て終わったのが昭和61(1986)年という、途方も無い規模で行われた戦争であり、かつ、この戦争によってアジア地域への海外勢力の日本周辺への侵略の意図を挫くことに成功した未曾有の出来事であった。 米欧回覧実記にある通り、明治政府はその設立すぐに世界一周の旅に出て実態を目の当たりにしているが、帰国前に寄港した香港、上海で見たのは、英国などによる中国(清)などへの侵略の様であり、「次は日本だ」という(欧米列強による侵略への)危機感を政府で共有していたはずである。 後年「坂の上の雲」などで描かれた日露戦争の解釈に対して、その他にも多くの著作によって様々な解釈がなされているが、本書は、膨大な資料をつぶさに検証した上で、決定的な解釈を志向した、770ページにも及ぶ大著である。 著者の児玉源太郎についての著作を読んだ後なので、そのスタンスは理解した上ではあるが、改めて、各戦闘単位における解釈の見直しまでなされており、その筆力には圧倒される。 歴史は解釈に拠るところが大きいが、「司馬史観」のみならず、市井の戦史研究者や歴史家の解釈に対しても、躊躇なく新たな解釈を提示しており、恐らくは、今後日露戦争を解題するにあたって、本書は必ず取り上げられるべき一冊になるものと信じる。
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覆される通説と刺激的な副題がつく。平成に入り重要人物の一次資料が次々に発見されたということで、とても気になる前振りである。 770ページと4cmもの厚さがあり、たいへん気合いが入っている。なお、文字の大きさや間隔が適切で、厚い本ながらとても読みやすい。 多くの人は、日露戦争...
覆される通説と刺激的な副題がつく。平成に入り重要人物の一次資料が次々に発見されたということで、とても気になる前振りである。 770ページと4cmもの厚さがあり、たいへん気合いが入っている。なお、文字の大きさや間隔が適切で、厚い本ながらとても読みやすい。 多くの人は、日露戦争のことは司馬遼太郎の「坂の上の雲」で知り、なお興味がある人は新書などの解説書を読むだろうが、ネタ本が同じなのだ。また、坂の上の雲は小説で創作が含まれているし、参謀本部編の公刊戦史は日本軍に不利なことは書かないといった具合で、真実かどうか確認できず通説になっているのだ。 平成で発見されたのは、鈴木壮六、大庭二郎、などの日記や記録などで、国会図書館や防衛省戦史研究センターなどにあったようだが、平成になって見つかったというのはどういうことだろうか。研究者の怠慢なのだろうか、この発見の経緯はいまいち理解できないというか腑に落ちないというか。 本書は、各戦闘でどの部隊がどのような指示でどうしたかを詳しく記しており、まさに陸戦史である。大本営や兵站などにも触れており、たいへん興味深く読めた。この勝利した戦争でも、多くのミスや失敗や幸運があったことが良くわかる。 通説は人事や評判に関するものが多いが、それらに対してもしっかり書かれている。ダメ評価をそのまま公表できないのも分かる。真実を伝えるのは難しい。 どの通説が覆されたのか、本書を読んで確認してほしい。今後の日露戦争を学ぶには本書は欠かせないだろう。
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