商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2015/06/01 |
JAN | 9784488262037 |
- 書籍
- 文庫
薔薇の輪
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薔薇の輪
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商品レビュー
3.3
13件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
クリスティに並び賞される(らしい)イギリスミステリー界の女王、クリスチアナ・ブラント晩年の傑作長編…というのは完全に聞いてきた話の受け売りで、この本を手に取ろうと思うまで、作者については全くの無知であった。 うん、確かにオモロい。20世紀の欧米ミステリーテイストに溢れた良い作品である。少々古臭い部分があるのは古典だから。例えば探偵役のチャッキーは今風にみるとカッチョ良くはないし、推理の冴えもちょっとなぁ…とは思うんだが、例えばホームズ、例えばポアロだって今風に見れば、人格破綻のイメージもあるわけで…。 トリック部分も今となっては「えー、そうなの!」と驚くほどではないものの、そこに至るまでの物語がきちんと書き込まれててそれを読むのが気持ち良かった。 古典ミステリーを読んで、ちょっと風雅を気取る時間も良いものだな。
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イギリスの片田舎で起こった殺人事件。それに伴い姿を消した、障害を持った少女。一見殺人事件の謎を解くだけのミステリかと思いきや。なんだかもやもやと気持ちの悪い要素がいっぱい……読み心地はあっさりしていてさくさく読めますが。どの人もこの人もとにかく怪しくて、隠された何かがとても不気味...
イギリスの片田舎で起こった殺人事件。それに伴い姿を消した、障害を持った少女。一見殺人事件の謎を解くだけのミステリかと思いきや。なんだかもやもやと気持ちの悪い要素がいっぱい……読み心地はあっさりしていてさくさく読めますが。どの人もこの人もとにかく怪しくて、隠された何かがとても不気味な印象でした。 肝心のトリックについてはいまいち仕組み(と地理)がよくわからなくって、あまり理解できなかったのが残念。しかしタイトル「薔薇の輪」に隠されていたのがまさかそういう真相だったとは。彼らのしたことは表面的には悪どいことのように思えてしまいますが。それだけとも言い切れないかなあ。「スウィートハート」という呼び名があまりにも悲しい。
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★3.5 ブランドの長編は、人間関係の過剰なドタバタ劇を面白く受け止められるかどうかで評価が分かれる。ほぼ全ての登場人物達が荒唐無稽な言動をし、こちらはそれに振り回されて本筋を見失いかねず、悲劇なのか喜劇なのかも分からなくなってくる。ただし今まで読んだ作品は訳も古く、そのせいで余...
★3.5 ブランドの長編は、人間関係の過剰なドタバタ劇を面白く受け止められるかどうかで評価が分かれる。ほぼ全ての登場人物達が荒唐無稽な言動をし、こちらはそれに振り回されて本筋を見失いかねず、悲劇なのか喜劇なのかも分からなくなってくる。ただし今まで読んだ作品は訳も古く、そのせいで余計滑稽さを感じていた面があり、その点では翻訳自体が新しい本作品は滑稽さがだいぶ抑えられ、コミカル程度で読みやすかった。 事件の顛末は想像内ではあったが、屈折した人間関係と身勝手極まりない醜い人間像は、ブランドらしい皮肉のスパイスが効いた巧い書き味に仕上がっている。
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