商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2015/05/01 |
JAN | 9784562051649 |
- 書籍
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インドの軍事力近代化
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インドの軍事力近代化
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商品レビュー
5
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急激な経済発展に伴って軍事力の近代化が進んでいるインドだけど、インドはインドで内実は大変なんだなあと。 対擾乱が陸軍の主任務な上に、百万単位の準軍隊が更に。核武装は科学者主導で核兵器を持った物の運用やドクトリンの整備は遅れている。各軍の向いている方向はバラバラだし、スリランカへの介入で手ひどい打撃を受けてパワープロジェクションには暫くは積極的になれない。 「戦略的抑制」は好ましい方向性だけど、意図したモノなのか結果論なのかは微妙だね。 パキスタンとインドが共に核武装したことが、両国間での正規戦の可能性を減らしたのは確かなようではあるが。
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インドの差異なんの全てをパキスタンのせいにするのは戦略と呼べるようなものではない。モーゲンソーが言うところの顔を立てる政策ということもある。陸軍はパキスタンを抑止し、あるいはインド国内におけるテロや攪乱へのパキスタンによる支援を止めさせるうえで、その役割を果たさなければならない。
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中国の台頭が進む昨今ですが、それに伴い同国へのバランサーとしてインドに注目が集まっています。 日本においても、中国への対抗策としてインドとの関係強化を唱える動きがあり、また例えばNHKスペシャルにてインドの軍事力増強が取り上げられ等、軍事大国化しつつあるインドとのイメージが徐々に...
中国の台頭が進む昨今ですが、それに伴い同国へのバランサーとしてインドに注目が集まっています。 日本においても、中国への対抗策としてインドとの関係強化を唱える動きがあり、また例えばNHKスペシャルにてインドの軍事力増強が取り上げられ等、軍事大国化しつつあるインドとのイメージが徐々に強まってきている傾向があるようです。 しかし、では実際のインドの軍事力は一体どのようなものなのか? 本書はこれをテーマにしています。 著者らはインドがこれまで度々示してきた戦略的抑制を賞賛し、そのメリットを説きつつも、同国の安全保障分野における欠陥を詳細に解説しており、その内容は例えば イギリスによって作り上げられた植民地軍の流れを組む陸軍が陸・海・空の三軍の中で圧倒的な存在感を放つ一方、植民地軍が帝国主義の手段として用いられたという負の歴史により、安全保障分野への理解に欠ける政治家とそれよりはマシだがそれでも不十分な知識しか持たない官僚機構が、専門知識を有する軍人を強力にコントロールすると言う構図が誕生した。 これにより、同国は戦略的な視点に基づく確固たる安全保障政策を持てず、その結果、陸・海・空軍が勢力争いに昂じて、自軍に都合の良い戦略目標を独自に策定したり、それに基づく作戦計画を立案している。 しかし、それらへの政治家の支持は不確かで、またそもそも作戦計画自体が勝手に他軍種の協力を織り込んでいる等の問題点を含んでいる。 加えて、同国においては警察官採用は有力者との縁故によるものが一般的で、同地における警察は腐敗し、捜査能力がない。 その結果、同時複数の反乱が常時勃発中であり、陸軍兵力を治安維持に割り振っている。 しかし、外征軍と国内治安維持軍の性格は全く違うものであり、これらの間の人材の移動は困難な為、これもインドの軍事力向上の足かせとなっている。 等です。 そして、これらの事情により、(増加の一途をたどる国防費にも関わらず)インドは国力が圧倒的に低いパキスタンに翻弄され続けるばかりか、このままだと相手に戦略的な「王手」をかけられるかも知れず、その上、中国に対しては(本書によれば)軍事力方面において15年も遅れており、話にならない状況だそうです。 その他、兵器の国産神話と安全保障分野における徹底した情報の非公開がもたらしている弊害等も解説されており、かなり参考になる内容となっています。 最後に翻訳の質についてですが、これまで幾度も原著がいかに良くとも翻訳の質が低すぎて読み難い内容となっているケースに遭遇したことがありますが、しかし本書においては翻訳者がインドの安全保障分野に精通した専門家である為、日本人が執筆した本と見なしてもほぼ間違いがない程に高水準な翻訳となっています。 内容良し、翻訳良しとなれば、インドの安全保障分野に関心のある方にとっては必読の一冊と言えるのではないでしょうか。
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