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孟子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 角川ソフィア文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2015/02/01 |
JAN | 9784044072339 |
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孟子
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
四書五経の四書の一つに数えられる「孟子」の入門書です。 角川ソフィア文庫の本書は入門書としてちょうど良い構成だと思います。難しすぎず、一方で孟子の思想的特徴はしっかり押さえている。解説もしっかりしています。 個人的に本書を読んで感じたのは孟子思想の現実主義性ですね。 これまで孟子と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「性善説」でしたので、てっきり理想主義的な思想書だと思いましたが全く違いました。 孟子は、人の善性は教育によってしっかりと育まれなければ悪事を犯すようになると考えていました。また「安定した収入がなければ、安定して道徳心を保つことはできない」(恒産なくして恒心なし)と説きます。その通りですよね。 その意味で孟子の思想は孔子(論語に見られる孔子の思想)と比べても現実的だと感じます。 面白いのは百家の一つである農家の弁士、陳相とのやり取りの下り。 陳相が、 「滕の国主は賢君だが、民とともに耕すことを知らないのでまだ君子の道を極めていない」 と述べたのに対し孟子は、 「(農家の代表である)許先生は自分の冠は自分で作るのか?農業に使う鋤や鍬をなぜ自分でこしらえないのか?」 「これらまで自分でこなすと農業の時間がとれないと述べるなら、どうして君子に政治と農作業を両立せよなどと主張するのか」 と至極真っ当に論駁します。 これらの議論はとても面白いですし、そのほかにも楊朱や墨子の思想に対する反論にも現実的な考えが示され、そのレトリックも妙なので面白く読めます。 一方で孟子はある意味 下剋上や革命を是認する姿勢も見られることから、昔から物議をかもしてきた思想でもあります(古代王朝である夏は殷の湯王に滅ぼされ、その殷も周の武王に滅されます。これは前王朝の悪政に起因するのですが、臣が君主を滅ぼしたことに違いはありません。しかし孟子はこの革命行為を擁護します。)。 こういった孟子思想のセンシティブな特徴も、本書ではしっかりと取り上げられています。 その他にも「孟母断機」や「孟母三遷」の故事で有名な母親とのエピソードや、中国神話(羿のエピソードなど)を扱ったコラムが織り交ぜられており、楽しく気軽に読むことができます。 中国思想初心者にはとてもおすすめの一冊だと思います。
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心静かに読みたい本、適度な文量、初心者にも分かりやすく解説している、現代でも親しまれている教え、読みながらこれまで生きて来た道のりと照らし合わせ採点してみるようでもあり、今後の参考にもなる。
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「孟子」って、「性善説」ということになっているけど、孟子の思想を適切に表現したものではなさそうですね〜。 結構、現実論というか、経済政策の話し多い。 「孟子」は7篇からなる本なんですが、人間の性(本性)は、「善」であるという議論は、第6篇「告子」でやっとでてきます。(もちろん...
「孟子」って、「性善説」ということになっているけど、孟子の思想を適切に表現したものではなさそうですね〜。 結構、現実論というか、経済政策の話し多い。 「孟子」は7篇からなる本なんですが、人間の性(本性)は、「善」であるという議論は、第6篇「告子」でやっとでてきます。(もちろん、その前にも、人間のなかにはよい部分があるという話しはたくさんでてきますが、その本質が善である、と明確に定義する文章はこの第6篇まででてきません) で、「水が自然に高いところから下に流れるように、人間の本性は善なのだ」という有名な議論は、告子の「人間の性には良いも悪いもない。水平状態にある水がどっちの方向に流れるかは状況しだいだ」という議論への反論ででてきたものですね。 文脈のなかで読むと、ちょっとディベートで、相手に反論するために言ってみたというニュアンスかな〜。 つまり、孟子は善なるものが人間のなかにあって、それが育つようにしようということはなんども言っているけど、人間のそもそもの本質は善であるという議論は、そんなにしっかりやっていないみたいです。また、「人間の本性が善であるなら、どうして世の中は悪があるのか」という問いにも、世の中が悪い、つまり経済政策が悪い、そしてちゃんとした政治をやらないリーダーが悪いのだというロジックのようです。 違う章では、人間の本性は善なんだけど、もともと人間にはちょっと弱いところ、怠惰なところもあるよね、みたいな話しもでてきて、「性善説」で一貫しているわけではない。 当時、人間の本質はなんだ?みたいな議論が中国で流行っていたので、ちょっと言ってみたというレベルの話しみたい。。。。。 そして、孟子でも、荀子でも、「悪」の定義は、ずるずると快楽に耽ってしまうとか、独力しないとか、ちょっと人への思いやりがないとか、自己中な行動が多いくらいなことをイメージしていそうで、西欧哲学での絶対悪みたいなことをイメージしているわけではない。 つまり、人間の本性が善か、悪かというのは、かれらにとって、そこまで本質的な議論ではないんだろうな〜と思った。 ある意味、「老子」なんかのほうが、世界の起源をカオスから生じる「道」にもとめ、そこから無為自然を導き出して、全てに応用していくという話しなので、「本性」実在論的に議論を進めているな〜。その「本性」の実在性が、「道」というなんとも表現できないものであるのだけど。 「論語」が孔子の断片的な言行を集めたもので、内容の論理的なつながりはあまりないのに対して、「孟子」は内容の論理的な展開がある程度おえる。 で、「孟子」で面白いのは、結構、ディベートしているんですね。いろいろな国の王様とか他の諸氏とね。 戦国時代にいろいろな国を回って、就職先をさがしてあるく、戦略コンサルタント、政治経済アドバイザーみたいな感じ。 で、革命の必要性も認めているので、なかなか耳にいたいアドバイスをする辛口のコンサルみたいな人ですね。 なんか、イメージが変わったな〜。 結構、こんな「孟子」好きかもしれない。
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