商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2015/02/01 |
JAN | 9784106106057 |
- 書籍
- 新書
無頼のススメ
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無頼のススメ
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伊集院静(1950~2023年)氏は、在日韓国人2世として山口県に生まれ(その後帰化)、立教大学文学部卒、広告代理店シマ・クリエイティブハウス、電通勤務後、作家に転身し、1992年に『受け月』で直木賞、その後も、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞、司馬遼太郎賞等を受賞。2011年に出版...
伊集院静(1950~2023年)氏は、在日韓国人2世として山口県に生まれ(その後帰化)、立教大学文学部卒、広告代理店シマ・クリエイティブハウス、電通勤務後、作家に転身し、1992年に『受け月』で直木賞、その後も、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞、司馬遼太郎賞等を受賞。2011年に出版した『大人の流儀』は、その後シリーズ化し、ベストセラーとなった。二人目の妻は夏目雅子、三人目の妻は篠ひろ子。伊達歩の名で作詞家としても活動し、近藤真彦の『愚か者』(1987年日本レコード大賞)等を作った。競輪、麻雀をはじめとしたギャンブルにも造詣が深く、「無頼派作家」と呼ばれた。紫綬褒章受章。2023年10月末、肝内胆管がんの診断を受け、治療のために活動を中止することを明らかにしたが、11月24日に死去。享年74。 私はこれまで、伊集院氏の『伊集院静の流儀』、『旅人よ どの街で死ぬか。男の美眺』等を読み、同性の男から見ても惚れ惚れするほど恰好がいいが、一方で、シニカルというか、達観しているというか、そのように見える価値観に僅かな反発を感じていたのだが、今回の訃報を聞き、伊集院氏の書いたものをもう一度読んでみようと思い、本書を手に取った。 そもそも「無頼」とは何か。。。? 辞書によると、「①正業につかず、無法な行いをする者。また、その行為。②たよるべきところのないこと。」である。そして、伊集院氏は冒頭で、「無頼とは読んで字のごとく、「頼るものなし」という覚悟のことです。」と書いた上で、「何かの主義やイズムにせよ、他人の意見にせよ、自分の頭と身体を使って考えるのではなく、いつも何かに寄りかかって生きようとする人には、狭量さと不自由がついて回ります。しかし、頼るものなし、と最初から決めていると、まず他人に対して楽でいられる。自分は、何かや誰かに頼って生きるのではない。腹の底でそう決めておけば、他人にどう思われようがどうでもよくなってきます。・・・「頼るものなし」という姿勢ができると、周りに振り回されて右往左往することがなくなります。」、「無頼というと、一人きりのアウトローみたいに思うかもしれないが、それは違います。いつも誰かとつるんでいたり、他人と自分をひき比べて悩んだりするのではなく、自分の駄目さ加減をよくよく知っておくこと。それが第一歩で、だから独立独歩を貫くことができるようになる。」と「無頼」をススメるのだ。 そして、具体的な24の心得を挙げるのだが、それらは次のようなものである。「正義など通らないのが世の中だ」、「生きものとしての勘を磨く」、「人とつるまず、「孤」を知ること」、「理不尽こそが人を育てる」、「人間は何をするかわからない生きものだ」、「誰でも「事情」を抱えて生きている」、「自分のフォームで流れを読む」、「虚しく往くから実ちて帰れる」、「差し伸べた手にしかブドウは落ちない」、「顔は死生観まで映し出す」、「神や仏にだって頼らない」。。。等々。 私は基本的に理想主義者で(年をとるに従って理想主義的になった)、今も世界各地で起こっている紛争や様々な問題を見ても、人間はもっと賢明になれるはずだと考える方である。しかし、伊集院氏の、現実はそんなものではない、という主張も理解するし、そうした思考も、世の中を渡っていく上では必要なものであろう。 伊集院氏は、最後の項で、「「俺は俺で打ち止め」・・・宿縁とか業とか罪とか、自分の中に何があるにせよ、自分をいう存在はすべて自分で終わり。たとえ来世があっても一切思いをかけない、死をもって自分は跡形もなくなる。そう考えているのです。」と書いているのだが、今ごろ彼岸で何を考えているのだろうか。。。 (2023年12月了)
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「大人の流儀」シリーズが好きで、本書にも同じような内容を期待しました。「大人の流儀」シリーズが、折々の事件、著者の身の回りの出来事を題材に、読者への生きる勇気を与えてくれるような内容なのに対し、本書は著者のいいたいことをまとまりなくつぶやいているだけという読後感でちょっと残念でし...
「大人の流儀」シリーズが好きで、本書にも同じような内容を期待しました。「大人の流儀」シリーズが、折々の事件、著者の身の回りの出来事を題材に、読者への生きる勇気を与えてくれるような内容なのに対し、本書は著者のいいたいことをまとまりなくつぶやいているだけという読後感でちょっと残念でした。
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本来なら小説などを読んで、その世界観に惹かれてから入るべきなのであろうが、自分にとっては初めての伊集院静の著書。 そういうこともあって、あまり予備知識や先入観もない状態で読めたので、逆に真っ当なことを言っているのと同時に、何処か達観しているも、あまり冷徹さまでは感じない文体と...
本来なら小説などを読んで、その世界観に惹かれてから入るべきなのであろうが、自分にとっては初めての伊集院静の著書。 そういうこともあって、あまり予備知識や先入観もない状態で読めたので、逆に真っ当なことを言っているのと同時に、何処か達観しているも、あまり冷徹さまでは感じない文体と感じた。 人生論と言えば、それは本来誰にも強要すべきことではないものであろうが、あらゆる事に経験の少ない自分にとっては大いに参考となるものであり、そういうものは思いもかけず血肉となり、思考の何処かに影響を及ぼすものと信じている。 なにかと組織や、他人を気にしすぎる自分には、 「人とつるまず、孤を知ること」という言葉が突き刺さる。しかし孤を知るということは単に独りよがりではなく、他者との関わりを前提にしているも、それのみに陥ることなく、自身を見極め、知ることにであり、ある意味結局人として死ぬのは孤という真理に通じるのであろう。
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