商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | スタイルノート |
発売年月日 | 2014/12/01 |
JAN | 9784799801321 |
- 書籍
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いのちのノート
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いのちのノート
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駅での転落事故のために脳の海馬に損傷を受けた男。事故のために記憶が一日しかもたなくなったのだが、彼の周りで起こる不可解な謎...。 記憶喪失モノだけど、一晩寝ると前日の記憶が無いというのは珍しいパターンかもしれない。事故以前の記憶はあるのに、それ以降の記憶は一晩寝ると消えてしまう...
駅での転落事故のために脳の海馬に損傷を受けた男。事故のために記憶が一日しかもたなくなったのだが、彼の周りで起こる不可解な謎...。 記憶喪失モノだけど、一晩寝ると前日の記憶が無いというのは珍しいパターンかもしれない。事故以前の記憶はあるのに、それ以降の記憶は一晩寝ると消えてしまう。つまり彼の記憶は、毎朝起きるたびに、事故の日で止まってるわけだ。 そんな彼が朝、目覚めるところから物語は始まる。 朝起きるとテーブルの上に一冊のノートが...。 ”お前は8月7日に事故に遭い、脳の海馬に損傷を負った。そのためにそれ以降は一日しか記憶がもたない。 今日は8月8日ではない。まず今日が何日かを確認しろ...。” 冒頭の描写が読者を引き込む。これから何が起こるんだろう?という興味が増す。しばらくは、毎朝の描写が繰り返されるんだが、そのたびに会社へ行こうとと慌てたり、ノートを見て現実を理解する主人公が憐れにも思える。 事故から数ヵ月後、いつものように慌てて起きた主人公の手には血が...。階下のリビングに降りてみると、家具はメチャクチャに壊されて、床には血の付いたバットが...。前日までの記憶の無い彼は途方にくれるが、ノートを見つけ、自分の記憶が一日しかもたない事を知り警察を呼ぶことにする。やがて到着した警察、一人娘、弁護士...。そして行方が分からなくなった妻...。 一晩寝てると記憶が消えてしまうので、彼を尋問するのだが、警察の印象では彼は犯人ではない。しかし、彼自身は、もしかしたら自分がバットで妻を殴り殺したのか?と不安になる...。 この物語の肝は、主人公の記憶が一日しかもたないって事だよなぁ。普通の人間なら記憶を手繰り寄せて、いろいろと推理できるんだろうけど、彼にはその手段が無い。毎朝、ノートを見ては、自分が事故に遭ったことを知るような状態だ。 血は妻の血液型と一致してるが、その妻はどこへ消えたのか?現場が内側から施錠されていた謎は? ミステリー要素も満載で楽しめる展開だったんだけど...。 う~ん、結末がなぁ...。 なんていうか、尻すぼみ?肩すかし?そんな印象だったんだよなぁ。強引な着地点でもないんだけど、「えっ?そうなの?」って感じ...。 目を剥くようなどんでん返しを期待したわけじゃないけど、ちょっとインパクトに欠けるんだよなぁ。でも、現実的な結末とは思う。謎解きメインのミステリーなら現実離れしたインパクト重視の結末も有りだけど、こちらは現実重視というか、いかにも有りそうな結末にもって行ってる。 ソフトカバーで171頁の本書。 良く言えば早い展開で読みやすい。だけど、好みが分かれるかもね。人物の心理がほとんど描かれてないんだよなぁ。例えば、朝起きてノートを見て自分の現状を知る主人公、すんなりと納得しすぎだと思う。記憶を無くしてるとかノートに書かれてたら、あれほど簡単に納得できないんじゃないかな?妻の心理にしても同じことが言える。行動はスピーディに描かれてるのに、心理が描かれてないから残念な気がするなぁ。 展開は早くて読みやすいけど、読後の率直な感想は、「なんだか丁寧に描かれた”あらすじ”を読んだみたい」って感じだった。 記憶が一日しかもたないとか、血のついたバット、行方不明になった妻...面白そうなアイデアだ。 ページ数が倍ぐらいになっても、心理面を描いてれば、大満足できたと思う。 「BOOK」データベース~ 記憶が毎朝消えてしまう……。朝のラッシュアワー。階段から突き落とされた男。血まみれのリビングから消えた妻。ノートにこめられた記憶の真実とは……。非日常的な日常をテンポ良く描くSFでありライト・ミステリーとも言える作品。特殊状況、特殊能力の下の人間には普段の生活がどう見えてくるのかをテーマに書き続けている著者が繰り広げる、驚きの展開と結末。仮フランス装のちょっと凝った装幀の一冊。 作者は2014年、小学館「ゴルゴ13脚本大賞」佳作を受賞してるそうだけど、あ~、本書も何となく脚本っぽいな。心情が描かれてたらなぁ・・・。
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