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善き女の愛 新潮クレスト・ブックス
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善き女の愛 新潮クレスト・ブックス

アリス・マンロー(著者), 小竹由美子(訳者)

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善き女の愛 新潮クレスト・ブックス

2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2014/12/22
JAN 9784105901141

善き女の愛

¥2,640

商品レビュー

4.1

9件のお客様レビュー

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2024/06/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

1. 善き女の愛 2. ジャカルタ 3. コートの中 までで挫折。 文章が複雑でシーンとシーンや今主題となっていることとそうでないこと、の繋がりが曖昧でそれらが明示せずに切り替わるので今何を読んでいるのか非常に分かりづらい。それがつまらないわけではないが、事あるごとに首を傾げてから前の文章を読んでを繰り返すので特段読みたくない箇所を振り返らなければいけないのが苦痛になる。 それから訳。 平易な部分に関しては違和感が少ないが複雑だったり分かりにくい箇所になると途端に直訳的な表現になって分かりにくさに拍車を掛けている。とりわけジャカルタの社会主義者が登場するシーンはどれもこれもそれ以外のに比べても明らかに訳の質が悪くその落差がこれまた辛い。 それと指示語の使い方が巧くなく、何を指しているのかすっと頭に入ってこない。また、単語の選択も同様に微妙。 全体的に分かりやすくするという意識が希薄なのを感じて私の肌には遭わない。これは原文ゆえか、訳が原因かは不明。 同じ作者で別の訳者の本を読んで判断したい。

Posted by ブクログ

2023/10/22

◯県立図書館より。 ◯表題作が一番良かった。最後がどうなったかもよくわからないし、ミセス・クィンがどうして都合よくなくなったかもはっきりしない(本当に危篤で?それともイーニドがこっそり毒を盛った?)から、全体としてもやもやと霧の中で起こりそして終わったような感じがある。 ◯途中、...

◯県立図書館より。 ◯表題作が一番良かった。最後がどうなったかもよくわからないし、ミセス・クィンがどうして都合よくなくなったかもはっきりしない(本当に危篤で?それともイーニドがこっそり毒を盛った?)から、全体としてもやもやと霧の中で起こりそして終わったような感じがある。 ◯途中、イーニドとルパートがクロスワードを挟んで交わす会話が、イーニドの思い出の中の(少女時代の甘さと罪悪感が入り交じる)ルパートとのやりとりにオーバーラップしたりして、これはいい感じに二人の仲が進展していくのか?と思いきや、終盤で出てくる「薪小屋の中に押し込められていた古い学生カバン」をルパートが乱雑に放り出す場面で、甘やかなイーニドの回想は彼にとってはすでに過去であり取るに足りないもの、もしかしたら覚えてすらいないもの、として示唆されたりする。苦い。 ◯というか、全体を通して、ストーリーの核になっているのは主人公の女性のちょっとした感情の変化や微妙な決意なんかで、大々的に言葉に出して(あるいは心中で宣言して)いるわけではない。彼女たちのものの見方、感じ方の変化、それに対する控えめな表現だけですべてが進行し、静かに話が終わって行く。すべすべした布に生じた小さなビリングを注意深く取っていくように、一つ一つの描写に丁寧に心を傾けないと話の流れが読み取りにくい。川端康成みたいな小説だなあと感じた。 ◯収められた数編はどれも、女性をめぐるキーワード「結婚」「思い出」「出産または子供」がこれでもかと詰め込まれている。作者のアリス自身の半生の大部分が、作家としてというより家庭人として、主婦として、母として、妻としてのものだったのだと考えると、煮詰めたように濃厚で時に息が詰まりそうになる夫婦のやり取りや家庭の中での描写にも納得がいく。 ◯一つ一つがものすごく甘くてドロドロした、きれいな砂糖飾りのかかった焼き菓子みたいだった。クッキーアソート缶の中に1つか2つ入っていたら気持ちが華やかになっておいしいと思っただろうけど、こればかり続けて食べているとそのうち虫歯になって歯が痛みだしそうな、甘すぎるお菓子のような作品たち。

Posted by ブクログ

2023/07/02

可能性への怯え、不安、そして迷い。 人生を選び、まっすぐに進んでいると思っていても、その気配はいつでも潜んでいる。そしてときに夢に形を変えて忍び寄ってくる。 諦め、失意、失われた選択への憧れ。 平然と過ごしていても、心に去来しては掻き乱していく感情が日常の中に不意に顔を覗かせる。...

可能性への怯え、不安、そして迷い。 人生を選び、まっすぐに進んでいると思っていても、その気配はいつでも潜んでいる。そしてときに夢に形を変えて忍び寄ってくる。 諦め、失意、失われた選択への憧れ。 平然と過ごしていても、心に去来しては掻き乱していく感情が日常の中に不意に顔を覗かせる。 簡潔でありながらしっとりと繊細な文章で、女性たちの複雑に綾なす心のうちをアリス・マンローは見事に掬い上げる。綴られた思いは、揺らめき、翳ろいながら指の間を伝いこぼれて胸の内へ沁み込んでゆく。微かに苦味を残してー。 物語の中で時間や場面は自在に切り替わる。詳細には語られない過去が存在する。そのことが人間関係や複雑な感情の機微にしっかりとした背景と深みを添えている。一編を読むごとに本を閉じて、ため息と共にしばし反芻する。もう一度開いて文章を確かめて味わい、思いを巡らせる。 読者の想像力と積み重ねてきた人生を信頼して、作者から多くを委ねられているかのようだ。 一つだけ選ぶなら“善き女の愛”だろう。間違いなく完璧だ。“セイヴ・ザ・リーパー”も捨てがたい。ただ、一冊通して読み終わったときに、最後に置かれた“母の夢”は不思議に心に残る。女性であること、女性として生きていくこと、人生を引き受けることが、決して賛美するのでも決然とした意思表明でもなく、ただ確かなこととして伝わってくるようだ。各短編の女性たちの生き方を肯定するような温かさが感じられた。

Posted by ブクログ

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