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歌に私は泣くだらう 妻・河野裕子 闘病の十年 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2015/01/01 |
JAN | 9784101263816 |
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歌に私は泣くだらう
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歌に私は泣くだらう
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商品レビュー
4.8
16件のお客様レビュー
新潮社の「波」に連載されていた、さて、なんと呼べばいいのでしょう? エッセイ?、回想記?、追想起?・・・ まあ、なんでもいいのですが、20代、30代の頃であれば途中で放り出していたかもしれないということを感じますが、最後まで読み終えました。 よく知りませんが現代短歌の世界...
新潮社の「波」に連載されていた、さて、なんと呼べばいいのでしょう? エッセイ?、回想記?、追想起?・・・ まあ、なんでもいいのですが、20代、30代の頃であれば途中で放り出していたかもしれないということを感じますが、最後まで読み終えました。 よく知りませんが現代短歌の世界では河野裕子も永田和宏も知られた人なのでしょうが、妻である河野裕子との最後の10年の暮らしは、やはり胸をうちますね。 シマクマ君のひびというあほブログでも、少し詳しく書きました。覗いてみてください。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202403090000/
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歌人・永田和宏が、同じく著名な歌人で配偶者の河野裕子の生と死を見つめる一冊。乳がん発症と闘病、その間の苦悩、再発後、晩年に至るまで、まさに、生と死を見つめ、悲嘆から再生への道行きが綴られた一冊。最後の一首、「手をのべて」のくだりは心が揺さぶられます。 悲嘆が恐怖に近しいというこ...
歌人・永田和宏が、同じく著名な歌人で配偶者の河野裕子の生と死を見つめる一冊。乳がん発症と闘病、その間の苦悩、再発後、晩年に至るまで、まさに、生と死を見つめ、悲嘆から再生への道行きが綴られた一冊。最後の一首、「手をのべて」のくだりは心が揺さぶられます。 悲嘆が恐怖に近しいということがほんとうだと感じられるかもしれない。 寂しい人間にとっては、身を分けたと思える、孤独を癒し続けた伴侶と引き剥がされることが、そして1人残されることが、死ぬほど寂しいのだと思う。それを思うと、恐怖以外の何ものでもない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「歌に私はなくだらう」は、歌人河野裕子がなくなってまだ生々しい1年後に夫永田和宏によって書かれたもので、哀切きわまりない。同時にすさまじいというか凄い内容です。 癌になってから、河野は 薬の影響もあったのか、精神の変調をきたし、「なぜ自分だけがこんな目に合う」と家族、特にご主人を詰問し、えんえんとなじることがあったそうで、それが続くとご主人も逃げ出したくなる、それがまたよけい河野を傷つける、特に乳がんということで妻として女性として夫に捨てられるのではないかという恐れがあったかもしれなくて、嫉妬が病的になり、ついには娘にまでのろわしい言葉をはくようになったそうです。連日の妻のののしり、ぶちまけられる不満に耐えきれなくなった永田が 椅子を振り上げて窓ガラスを割る、娘が、父永田が迢空賞受賞のための外出先のエレベーターの中で狂ったような母親に「張りて」をかませるという状態。家出騒動もあったそうで、 およそ闘病記らしくない闘病記かもしれません。しかし、そういう時期を経て、癌の再発後、河野は精神の高みに達したかのように違う面を歌にみせ始め、 みほとけよ 祈らせ給へあまりにも短きこの世を 過ぎゆくわれに 手をのべて あなたとあなたに触れたきに 息が足りない この世の息が という歌を口述筆記で残しています。 亡くなる前日には、高熱の中で、 「今晩、ごはんは? 何食べるの?」と 夫に聞いています。 永田が 「魚の味噌漬け いただいたのがあるし、きゅうりも漬けようか」 と答えると、 「それでいいね」 と安心したようだったそうです。亡くなる前日も夫の食事を気にするなんて、と違和感を覚える方もおられるでしょう。 歌人であり、妻であり、夫に対して母親的側面もあった昭和の女性。その恋人であり夫だった人との激しい関係に圧倒されます。
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