大いなる時を求めて 幻冬舎文庫

梁石日(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2014/12/04
• JAN: 9784344422872

商品レビュー

2024/02/10

著者の友人である詩人の金時鐘をモデルにした作品。
日本の植民地であった朝鮮での出来事が綴られている。
朝鮮の人たちに日本語や日本文化を強制する日本も、戦争に負ける。
そこから、終戦を迎え、日本文化を刷り込まれてきた主人公の金宗烈は朝鮮人としての自覚を取り戻す。
しかし、その際に暮らしていた済州島での虐殺事件に巻き込まれることになる。
そこから、日本へ密航して死を免れるが、暮らしは楽ではなかった。
詩作も始め、在日朝鮮人の詩人たちと同人誌を創刊するが、組織からの圧力に反発し続けたことで廃刊となる。
生きるために親も故郷も捨ても、生きたいと願う強い思いと自らの意志を捨てない強さは読み応えあり。

2024.2.10

2023/04/20

１９１０年の併合以来、日本の支配下にあった朝鮮。終戦を迎え、次第に朝鮮人としての自覚が芽生えてきた少年・金宗烈は、済洲島虐殺事件に巻き込まれてしまい…。「血と骨」前夜の物語。

2022/08/14

図書館の放出本。なんじゃこれ。2014年刊行なのに放出されただけの理由はあるな。ただ、著者名を思い出すために検索したwikiをいま読んで、私小説(というか身内記)の要素があったんだなと理解した。理解したけどわたしはもう私小説を読むほどナイーブではないし、身辺や体験を創作として書くのは日本の悪しき文学文化だと思ってる。自分語りや家系遡及は日記でやってほしいす