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仙台学(vol.11) 東日本大震災
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 荒蝦夷 |
発売年月日 | 2011/04/26 |
JAN | 9784904863121 |
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仙台学(vol.11)
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仙台学(vol.11)
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2011年3月から6月にかけて、岡山の街の本屋には活気がなかった(と、わたしはその年の11月のレビューに記している)。欲しい本が棚に並ばなかったからである。 被災した人々の様子も、原発の真実も、テレビとYouTubeが刺激的な映像ばかりを流し、一方的な情報ばかりを流している最中...
2011年3月から6月にかけて、岡山の街の本屋には活気がなかった(と、わたしはその年の11月のレビューに記している)。欲しい本が棚に並ばなかったからである。 被災した人々の様子も、原発の真実も、テレビとYouTubeが刺激的な映像ばかりを流し、一方的な情報ばかりを流している最中、そこに「人間の姿」がなかった。 この薄い定期刊行物の発行は、2011年4月26日である。寄稿者のほとんどが、「今、◯日に書いている」ということを記しているが、ほとんど4月初めの心境を赤裸々に綴っている。先ずは、こんなに早く雑誌を発行していたこと、その後10数年間この雑誌の存在を知らなかったことに、「驚愕」した。 後にルポ本は多刊されるが、そこに出てくる様な庶民の心境ではない。8割方は、ものを書くことを職業としている方たち、作家さんたちの「2011年4月初め」の、多くは福島や岩手県に住んでいる、いた人たちの「書き物」である。その中に、伊坂幸太郎、熊谷達也、高橋克彦がいる。 わたしは2011年の1年間、伊坂と熊谷、高橋の震災に対する文章や作品を探していた(ファンなので)。本の後書きはおろか、ネットにも彼らの声は載らなかった。テレビにはウンザリしていた。 その後「仙台ぐらし(荒蝦夷発行2012)」を2013年に読んで、伊坂幸太郎の気持ちの一端は知ることになった。その時の「震災のこと」のエッセイの基エッセイが、ここに載っている。本にしたときは、プライベートな事は削った様だ。作家の無力さを嘆いていることでは同じではあるが、1カ月のうちに触れ合った様々な市民から前向きな気持ちを貰っている。読めてよかった。伊坂は触れたら痛がる程に傷ついていた。 熊谷達也の気持ちは長いことわからなかった。2017年になってやっと「浜の甚兵衛」を読んで、熊谷が気仙沼市をモデルにした数代にわたる「仙河海サーガ」を書き連ねていることを知った。それで8作を一挙に読んだ。ここに載っているエッセイには、彼が元教師をしていた時の気仙沼市の教え子や同僚の消息を気にしていたこと、次第に「怒りが湧いてきた」ことが書かれている。メディアの情報の偏りに、彼も怒っていた。そして予定していた、マタギの物語を棚に置いてサーガに取り組んだのは、おそらくこのエッセイが起点だったに違いない。 高橋克彦も、「作家(芸術)の無力」を1ヶ月間痛感した様だ。けれども、エッセイ内で既に立ち直っている。今ではわかるが、芸術は無力ではないからである。 どうして、わたしはこの雑誌の存在を知らなかったのだろう。 ひとつは、有名作家たちの、震災直後の「生の弱音」が載っているので、作家たちがあまり表に出したらがなかった。というのも少しはあったかもしれない。その他、作家の都合もあったろう。 ひとつは、吹けば飛ぶような荒蝦夷社という雑誌は、大手の流通には載らない。遠く離れた西日本では目につきにくいのだ、という事もあったのではないか? そして、大事な事は、こういう雑誌こそが、2011年4月時点で、もっとも大切な雑誌だったのではないか?という事なのである。
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『温故知新3.11 #7 雑誌』 ー『仙台学』「特集/東日本大震災」ー 仙台市の小さな出版社「荒蝦夷(あらえみし)」が発行する『仙台学』は、東北在住・縁の作家が多く執筆する雑誌(B5判70ページ程度)です。 かつて伊坂幸太郎さんも本誌にエッセイを連載し、書籍化...
『温故知新3.11 #7 雑誌』 ー『仙台学』「特集/東日本大震災」ー 仙台市の小さな出版社「荒蝦夷(あらえみし)」が発行する『仙台学』は、東北在住・縁の作家が多く執筆する雑誌(B5判70ページ程度)です。 かつて伊坂幸太郎さんも本誌にエッセイを連載し、書籍化した『仙台ぐらし』も有名です。 伊坂幸太郎さんを始め、関心のある作家さんが「何をどう書いたか」に関心があり、ネット注文しました(ハイ、物好きです)。 『Feel Love』Vol.13の発行も2011.7.20と早かったのですが、本誌は震災から45日、2011.4.26の緊急発売で、このスピード感に驚かされます。 執筆者は、以下の東北ゆかりの17人(敬称略)で、一人4,000字程度の手記を寄せています。 赤坂憲雄 伊坂幸太郎 大島幹雄 木瀬公二 熊谷達也 黒木あるじ 斎藤純 佐藤賢一 高成田享 高橋克彦 高橋義夫 東雅夫 星亮一 三浦明博 山折哲雄 山川徹 吉田司 モノクロ写真とともに、各作家の文章から立ち上がる迫力は、古代朝廷の支配に抵抗し続けた東北の民を指す「荒蝦夷」の社名と重なります。 ある程度の文量がある為か、また大半が被災当事者の為か、その手記の内容は深く重く生々しさが感じられました。 やはりその内容からは、考えさせられることが多く、12年が経過した今、教訓は生かせているのか、日々の当たり前に感謝できているのか等、問い直すきっかけを与えてくれる一冊でした。
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