商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2014/10/10 |
JAN | 9784167901981 |
- 書籍
- 文庫
三国志(第十一巻)
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三国志(第十一巻)
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商品レビュー
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三国が並び立ってからまだたったの数十年しかたっていないのに、三国ともが国家として衰退してく。 建国の頃は忠臣、賢臣が次々と現れたはずなのに、今はどの国も人材不足であることは否めない。 蜀についてはもはやほとんど記載がないので、推して知るしかないけど、呉はひどい。 もともと人材不足の国であったけれど、孫権の父や兄の時代からの忠臣が孫権を支え、孫権もまた臣の言うことをよく聴く人であったはずなのに、年老いた孫権は聞きたいことしか聞かなくなってしまった。 共に呉を造った有能な部下が世を去り、それでもまだ何人か残っていた忠臣を、あろうことか孫権は次々と誅していく。 並び立った二人の跡継ぎをめぐり、国は二つに割れ、孫権の周りにいるのは財産と権力を狙う奸物(皇后だったり娘だったりするけど)ばかり。 最終的に孫権は二人の跡継ぎを、一人は流罪にもう一人は死罪にし(ふたりとも自分の息子なのに)、末っ子の孫亮に後を譲ることになる。(魏に続いてまたもやちびっこ皇帝の出来上がりだ) 彼を補佐するのが諸葛亮の甥である諸葛格。 多少を知恵はあるけれど尊大で、自意識過剰の諸葛恪は内政をしっかりと補佐する代わりに、日に打って出て自分の実力を見せつけようとし、結局大敗を喫してしまう。 放置された皇帝と呉という国のために諸葛恪を討った孫峻だったが、彼もまた権力の頂点に立った時俗物に成り下がってしまうのだった。やれやれ。 魏も、そこそこ良い皇帝であった曹叡(そうえい)の後を継いだ、血のつながらない養子の曹芳8歳は、暗愚な若者へと成長する。 当初司馬懿は、天下を牛耳るつもりはなかった思うんだよね。 曹爽一味のお友だち政権が増長しなければ、黙って田舎に引っ込んでいたのではないだろうか。 曹爽は悪人ではなかった。 ただ優しすぎて、そしてその優しさは自分の仲間だけに向けられ、行き過ぎた行為を止めることができなかったがゆえの堕落した政権。 それを一掃しようとしただけ、なんだと思う。 ところが、その後皇帝に会ってみたら、暗愚で淫蕩で残忍。 皇帝を嗜めることもせず、曹氏というだけで奉るのが本当の忠臣なのか? 曹氏だというだけで帝の座に置いておくのが本当に正しいことなのか? 皇帝の代わりに政を行ううちに司馬懿はともかく、司馬師(しばし・司馬懿の息子)たちは徐々に曹氏に見切りをつけていったのだろう。 上に立つものであるのなら、上に立つものとしての矜持が必要ってことだよね。
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特に第九巻で見られた人物に対する好悪の激しいくだりは影を潜め、宮城谷昌光らしいおだやかで、また含蓄のある筆致に戻っている。 相変らず淡々と『正史』準拠の進行のため、展開にもの足りなさを少々感じるのは否めない。ただ、本巻は曹爽の族滅など言わば“動”の展開が多く、読んでいて応えることもあったため、恬淡とした筆致に救われた面もある。 「人はいつ僥倖に逢うかわからず、天佑はいつくだるかわからない。そのときになってはじめては、まにあわないことがあり、それこそ人生の要所であり、分岐点になりうる。人の価値は、何も起こらない時間、平凡な時間を、どのように過ごすかによって決まる。」『敗残』より。 「忍耐力も、賢さのひとつといってよい。」『大政』より。
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広い戦場での英雄豪傑の活躍はなくなり、密室での陰謀やクーデターの連続。 権力を獲ったものは専横と粛清を繰り返す。 吉川英治が諸葛孔明の死で物語を終わらせたのもなんとなく分かる。
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