日本産 魚料理大全

西潟正人(著者)

• 販売会社／発売会社: 緑書房
• 発売年月日: 2014/09/01
• JAN: 9784895311755

商品レビュー

2016/02/02

帯文：”魚介藻類370種、写真総数5,000点を網羅した魚の個性を味わい尽くす「魚料理図鑑」の決定版！”

目次：はじめに、推薦の言葉、本書の使い方、第I章 魚；マダイ,チダイ,キダイ,クロダイ,…他、第II章 イカ・タコ；アオリイカ,…他、第III章 貝・ホヤ・ナマコ；アサリなどの潮干狩りの貝,…他、第IV章 エビ・カニ；アマエビ,…他、第V章 海藻；テングサ,…他、付録、索引

2014/10/20

冒頭の言葉に以下のようにある。

『魚料理は魚好きがやらなければならない。料理は技巧で見せようとすると、食材の個性がないがしろにされてしまう。良寛の言葉に「自分の一番嫌いなものは、歌よみの歌、書家の書、料理人の料理」とある。』

最初、ここを飛ばして本文に突入してしまった。なんだか写真は冴えないし随分マニアックな魚が出てくるなあ。釣り自慢かなあ、などと思ってしまった。

だが読み進めると(あまり「読む」という性質の本でもないが)、どうもそういうわけでもない。そうして、遠回りしてまえがきにたどり着くと、冒頭の言葉に加えて、知名度が低いがために、漁場現場で捨てられてしまうおびただしい魚のことに触れ、魚は雑多にあってこそ面白い、という。まったくである。背表紙には「魚に貴賎なし！」とある。まったくである。

ゲンゲとかクジラとかヌタウナギとか、他にもいろいろ、なかなか調理機会が少ないなあ、とつい思ってしまう魚も出てくるが、そう思ってしまうことが、そもそもおかしいのだろう。

漁師にお任せで魚を見繕ってもらうと、思いもかけないものが入ってくることがある。そんな楽しさと、そういう魚ならどうやって使おうか、というワクワク感がつまっている。だが、それではいつまでも、不人気魚が流通に乗らない。

いろんな魚が食べたくなるし、料理したくなる。この次の一歩はどうすればいいのだ。