真実の朝鮮史 1868-2014

宮脇淳子(著者), 倉山満(著者)

• 販売会社／発売会社: ビジネス社
• 発売年月日: 2014/06/30
• JAN: 9784828417622

商品レビュー

2024/12/18

Wikiと数少ない種本丸写しで対談をしたのをまとめたようだが金九暗殺や朝鮮戦争の休戦年度を確認する手間暇はかけなかったらしい。「予備役なので軍人ではありません？」へえっ幹部自衛官が退職した場合と勘違いしているの？朝鮮総督が軍人なのは「総理大臣見習いポストなんです。軍の中から将来総理として育てたい人を朝鮮総督として送り込む」だってよ。それなら何故宇垣一成は大命降下されたのに陸軍の反対で流産したのか答えてほしい。この本の表にあるように阿部信行は首相経験者だ。それに朝鮮軍司令官だった林銑十郎が首相だった事は知らないようだ。閔妃暗殺の記述には大院君しか顔を知らないそうだが言及しているイザベラ・バードの「朝鮮紀行」には通りすがりの旅行者だった彼女が高宗と共に明成皇后閔氏と拝謁しているのは読み飛ばしているし通訳をしているアンダーウッド夫人はどうなるのか？「朝鮮紀行」は定説に従った記述をしているので、そこは使わない（使えない）とは御都合主義。朝鮮戦争当時に釜山で虐殺事件があったそうだが何故か進歩党事件は出て来ない。
林鍾国の「親日派」を種本にした拳骨拓史の「「親日派」朝鮮人消された歴史」と同じで朝鮮戦争当時の朝鮮人民軍や南労党パルチザンによる虐殺や拉致を書かないのは単に知らないのか、それとも「韓国憎し」で北朝鮮が相対的に甘くなっているのか？
倉山満はやたらに「ウェストファリア体制」だの「ウッドロー・ウィルソン諸悪の根源説」だのを宣っているが華夷秩序下の朝鮮での書契事件が理解出来ないしレーニンを亡命先のスイスからドイツ経由でロシアに送り込んだのはドイツ軍だろう？コミンテルンが万能なのでコルチャーク提督のオムスク政府と日本軍をはじめとする干渉軍がいるシベリアを飛び越えて3・1を仕掛けたとか「ハンガリー、中国、スペインでは内戦を引き起こしています」とかはすごい！スペイン戦争はスペイン共産党とコミンテルンが仕掛けたんだ！
「嘘だらけ」とか「ファンタジー」とかは、このお二人の脳内世界の「真実」にふさわしい。