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女を観る歌舞伎
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女を観る歌舞伎

酒井順子(著者)

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女を観る歌舞伎

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2014/05/28
JAN 9784163900711

女を観る歌舞伎

¥1,540

商品レビュー

3.8

10件のお客様レビュー

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2024/08/22

歌舞伎、文楽に登場するさまざまな女たちを分析。 【突っ走る女】恋しい男に会いたいために火あぶりの刑を覚悟で鐘を叩く「伊達娘恋緋鹿子」のお七など、現代の感覚では彼女たちの思考や行動は理解に苦しむけど、ツッコミを入れつつ寄り添う著者。 全20のチャプター。楽しいです。

Posted by ブクログ

2023/08/17

歌舞伎の演目に出てくる女たちについてのエッセイ。 著者がいうように、歌舞伎は女性の華やかな衣装や、男性が演じる女の立ち振る舞いがなくては面白みがないと思う人は多いだろう。女性の歌舞伎が禁じられ、野郎歌舞伎だと人が入らなかったため女形が生まれた背景からも、納得がいく。 歌舞伎に...

歌舞伎の演目に出てくる女たちについてのエッセイ。 著者がいうように、歌舞伎は女性の華やかな衣装や、男性が演じる女の立ち振る舞いがなくては面白みがないと思う人は多いだろう。女性の歌舞伎が禁じられ、野郎歌舞伎だと人が入らなかったため女形が生まれた背景からも、納得がいく。 歌舞伎に出てくる女性は、大概、理不尽な不幸が多く、現代劇だと、あり得ない結末に、芝居だから・・で終わらせることもできるが、現代の女性を取り巻く環境や社会情勢と比較してのツッコミや感想が面白く、共感する部分も多かった。 紹介される演目は章によって、重複するものもあるが、歌舞伎を見たことがない人にとっては、歌舞伎の入門書としても、読めると思った。

Posted by ブクログ

2016/09/25

「ファンタジックな女たち」  嫉妬する女、運の悪い女、化ける女、女じゃなかった女、だめんず好きな女…日本の伝統芸能・歌舞伎の演目には、現代人から見ると度肝を抜かれるような様々な女の造型が見られる。お姫様に傾城、腰元から幽霊まで、華やかな衣装に身を包んだ「彼女たち」に非日常的世界の...

「ファンタジックな女たち」  嫉妬する女、運の悪い女、化ける女、女じゃなかった女、だめんず好きな女…日本の伝統芸能・歌舞伎の演目には、現代人から見ると度肝を抜かれるような様々な女の造型が見られる。お姫様に傾城、腰元から幽霊まで、華やかな衣装に身を包んだ「彼女たち」に非日常的世界の高揚を感じるという、酒井順子さんによる歌舞伎に見る女ガイド。  歌舞伎の難解さは、紆余曲折荒唐無稽、簡単に言ってしまえばそのありえないストーリーにあるように思えます。普通の小説や映画のように物語そのものに一貫したテーマがあって、共感したり感動したりするものというよりは、むしろまず役者ありきでいかに彼らの見せ場を作るか、歌舞伎の様式美を魅せるか、そういうことに重きを置いて作られたものだからなのかもしれません。  それゆえに、物語の全編ではなくその演目の有名な場面だけを取り出して上演されることも多く、歌舞伎を初めて見た人は物語の前後関係がまったくわからない、ということも少なくありません。  ただでさえストーリーが理解しにくい上に、歌舞伎の登場人物たちのキャラクターは、まことにぶっ飛んでいるのです。たとえば「身を落とす女」で解説されている「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」。ヒロインの桜姫は、お坊さんが同性愛の果てに心中した稚児の生まれ変わりの公家のお姫様。彼女は自分の生家を没落させた婚約者のまわしものチンピラに犯されたものの、そいつに惚れてしまい、結果その子供を産んで刺青さえ入れて女郎に身を落としますが、自分を犯したそのチンピラが父の仇とわかると、男と子供の命まで奪うことになるという、波乱万丈の物語。  酒井さんはお姫様が女郎に身を落とすというような物語は、私たちにとって考えられないことをやってのけるという意味で、ファンタジーなのだとみているのです。  江戸時代に男性作家によって描かれたこれら歌舞伎の中の女たちには、忠孝といった封建的な時代背景はもとより、男にとっての理想の女、悪く言えば都合のいい女、また男からみた女の怖さなどが現れているのだということがわかります。  それを念頭においてなお、酒井さんは、歌舞伎の中に生きてきたこれらの「今ではちょっとありえない女たち」に寄せてきた観客の女性たちの快哉や共感、同情に思いを馳せ、そこに今の時代の女である私たちが失ってしまった女の郷愁があるのだといいます。  とかく難しいと思われがちな歌舞伎の演目も、女を定点としたこの酒井さんのガイドによりより身近に思えて興味深く、今も歌舞伎の中に息づくファンタジックな女たちに会いに久しぶりに歌舞伎座へ足を運んでみたくなりました。

Posted by ブクログ

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