戦争と性

マグヌス・ヒルシュフェルト(著者), 高山洋吉(訳者), 宮台真司

• 販売会社／発売会社: 明月堂書店
• 発売年月日: 2014/05/29
• JAN: 9784903145488

商品レビュー

2024/06/18

(2014/9/11)
2014年5月に出版された本で、社会学者宮台 真司氏が冒頭に文章を寄せている。
この「戦争と性」自身は第二次世界大戦直後に書かれているもの。
戦争が「性」に与える影響を、率直に、あけすけに描いている。

所詮人間は動物なのだ、という読後感。
綺麗事でなく、当たり前のこと。
戦争に若い男が取られれば、残った若い女は困るのだ。
逆に戦地の若い男も女がいなくて困る。
そこをどう処理するか。
それがあけすけに描かれている。捕虜を相手にする女性、ナースとして世話をすることで性的に満たされる女性、、
パンのために身を売る女性。
スパイとして体当たりで相手に入り込む女性。

男は単純なので、手淫か、買うか。あるいは獣か、同性か。

このあたり、橋下市長のいってることはまともなのだ。攻め口を間違えただけ。
それ以上にきれいごとばかりいうマスコミ、それも今回の朝鮮従軍慰安婦問題の火付け役の某エリートを自負している新聞などは最悪。
読売や産経も好きではないけど。今回の朝日の居直りはひどい。

まさに戦争と性だ。日本と朝鮮だけの問題ではない。
貧乏で体を売るのが強制なら、歴史は強制だらけ。
そもそも仕事の多くが貧乏からの脱出のためだろう。金儲けする人は仕事と遊びが一緒とか言うが、、。

戦後すぐに書かれた本に教えられる思い。
よかった。

【第一篇 女たち】
第一章 特等席の貴婦人たち
第二章 苦難の途を歩む兵士の妻
第三章 傷兵看護における性愛

【第二篇 男たち】
第四章 塹壕内の性愛
第五章 軍隊内の性病

【第三篇 戦争中の性生活】
第六章 戦争娼家
第七章 兵站売淫
第八章 兵站種付馬と兵站娘

【第四篇 血腥い緞帳の背後で】
第九章 銃後の性愛生活
第十章 傷病兵
第十一章 捕虜
第十二章 性愛生活とスパイ

結語

2014/09/20

第一次世界大戦までのことであるが、戦争における性の余りにも愕然とするような現実が赤裸々に綴られている。
それは単に軍隊と兵士における男性側の売春だけにとどまらず、残された女性、上流階級の妻、看護婦、娼婦、将校、同性愛、性病、捕虜、未成年等多岐に渡る。
人間の性(さが)が、戦争というものによってこれほどまでに噴出し崩壊するという事実をまず受け止める必要がある。
その歴史的根源的事実の上で、従軍慰安婦問題における、強制性や管理や意思の問題の本質に迫る足がかりとすることができると思われる。

2014/09/09

読み続けるのがメッサ辛かった。あったなかったと言う話はどうでも良くて(とは言い切れないけど)根本の問題は何なのか？と言うことを考えさせられた。この国だけの問題ではなくて戦争そのものの問題ではないのかなぁと。日本人が例外的に性に関して浄いとは考えられないので根本的な人間の性欲と言うことに立ち返ってこの手の問題を見直すべきだと思う。多分いろんな事実が隠れているのではないかと言うのが私の感想。あと私自身も極限状態では何をするのか全く予想はつかないです。