商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2014/02/22 |
JAN | 9784152094421 |
- 書籍
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あるときの物語(下)
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あるときの物語(下)
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
生と死、環境、自殺、いじめ、レイプ、売春、戦争、特攻隊、禅などなど多くのテーマがおり重なり、時間と空間を超えて繰り広げられる物語だった。残念ながら共感できるメッセージはなかったが、非常に練られて書き上げられた作品には違いない。
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- ネタバレ
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10年以上前に日本で書かれた日記が、時空を越えてカナダの小島にいるルースに語りかける。 我々読者は、ルースと一緒に祈る。「どうか彼らが無事生きていますように」と。 アメリカ企業を解雇されて日本に帰国した父の自殺未遂、語り手ナオへの凄惨を極めるいじめ、それらの先に彼らがみたものは?日記が3.11の波によって流されてきたものなのであれば、ナオたち家族は無事なのか?ハルキ①の日記はどうやってナオの手元に渡ったのか? これらの疑問を物語が解き明かしてくれることを期待するも、謎は謎のまま終わってしまう。ただ一点だけ明らかになったのは、「ヤスタニハルキ(父)とヤスタニナオ(娘)は存在していた」ということだけ。物語が終わった今も、やはり祈ることしかできない。 ふたりのヤスタニハルキに共通するかっこよさに私は震えた。戦争を憎み、「波と戦ったほうがまし」と海に自分の飛行機を向かわせた①と、自分の作ったインターフェースが軍事に利用されることに耐えられなかった②。その良心ゆえにふたりとも生きづらさを抱えるのだけれど、とっても美しい生き方だしかっこいいと思う。何の慰めにもならないけど、かっこいいよって伝えたいと思う。 物語の肝となる量子力学やシュレーディンガーの猫については残念ながらよく理解できなかったが、時間を粒子と捉える禅の考え方ははっとさせられた。刹那、刹那、刹那。『いま、いま、いま、と指でおさえているうちにも、いま、は遠くへ飛び去って、あたらしい「いま」が来ている。』と太宰も書いてたのを思い出した。刹那の連続の中に、世界中の選択が重なっていると思うと、「今」が奇跡みたいに思えてくる。
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死に方、というか死因を一様に扱いすぎではないか。 戦争での死と、津波での死と、寿命と、原発で土地を失うことは、どれもが「天災」というわけではない。 面白くなかったかというと違うが、読み返すかと言われるとそれも違う。
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