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ことばの本質に迫る理論言語学
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ことばの本質に迫る理論言語学

畠山雄二【編】, 岸本秀樹, 谷口一美, 本田謙介, 田中江扶, 藤田耕司【著】

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ことばの本質に迫る理論言語学

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 くろしお出版
発売年月日 2014/02/01
JAN 9784874246146

ことばの本質に迫る理論言語学

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2023/08/12

 6人の先生で書いた統語論、意味論の分野の本。日本語文法、認知文法、機能文法、生成文法。「1つの項目は4ページで完結されており、最後に『解くべき問題』という『おまけ』がついている。よって、読書は、1つの項目を読み終えるごとに研究ネタというか論文ネタを最低でも1つはゲットできるよう...

 6人の先生で書いた統語論、意味論の分野の本。日本語文法、認知文法、機能文法、生成文法。「1つの項目は4ページで完結されており、最後に『解くべき問題』という『おまけ』がついている。よって、読書は、1つの項目を読み終えるごとに研究ネタというか論文ネタを最低でも1つはゲットできるようになっている。本書は全部で80ケの項目からなっているので、読者は、本書を完読すれば、最低でも80ケの研究ネタなり論文ネタをゲットできるようになっている。また、実際に本書を読んでいただけるとわかるように、1つの章を読み終えると、当該の章が扱っている分野を、かなり高いレベルで理解することができるようになっている。その意味では、本書は、本編も『おまけ』とともに垂涎物ということもあり、本当の意味で『ハッピーセット』な本になっている。将来、言語の研究をやりながら生計を立てていきたいという人には、マジで、願ったり叶ったりの本に仕上がっている」(pp.iv-v)ということだそうで、確かに学部の時にこんな本あればよかったよなと思う。  やっぱり言葉の本は面白いと思うのだけど、特に英語の教員をやっているおれにとっては、例えば、日本語文法の「間接受け身」(「(必ずしも)対応する能動分をつくることができない」(p.47)ような文)の項目のところで、「日本語の『焼け出す』や英語のrumorは受け身でしかしようできない(能動形が存在しない)特殊な動詞」(p.49)ということには気づかなかった。あとは、「コンピュータが熱をもった」とか「お鍋がぐつぐついっている」のような文は「英語に直訳しても自然な英語にならない(むしろ非文法的であると判断される)。それでは、通常、無生物の主語を許さないはずの日本語で、なぜ(10)のような表現が許されるのであろうか」(p.73)とか、日本語と英語を対照させるネタに興味をもった。2章の認知文法のところでは「time-away構文」(p.119)って知らなかった。意味論といえばメタファーの話だけど、「月見うどん」や「目玉焼き」は「その出現当時には比喩らしい表現であったかもしれないが、長くしようされるにつれて比喩らしさを失い、あたかもその表現の文字どおりの意味であるかのように定着してしまったのである。こうしたものを『慣習的比喩』あるいは『死んだメタファー』という。」(p.130)とかも面白いなあ。章ごとに「おすすめの本と論文」が載っているところも「ハッピーセット」感があるのだけど、『ことばは味を超える』って本は面白そうだなあ。機能文法は実は学部の時は本で読んだだけで授業がなかった気がするのだけど、日本語の指示詞と英語のthisとthatの話(pp.194-7)は初学者がひっかかるところなので、こういうのをうまいこと学校文法に入れられないのかなあと思う。でも「なわ張り」とか「会話空間」とかやっぱり難しい。会話空間内(話し手に心理的に近い空間)で話し手のなわ張り内はコ、なわ張り外はソ、会話空間外がア、英語は話し手のなわ張り内はthis、なわ張り外は全部that、だからソとアが英語のthatに対応する、というのはやっぱりある程度の用例に触れた後じゃないと演繹的に言っても難しいよなと思う。そして、この会話空間内にあるかないかで、あるものをまとめる指示詞は現代日本語にも英語にもないけど、これは「偶然の空白(accidental gap)である可能性が高い」(p.197)、「江戸期の日本語にはコ・ソ・アに加えてカという指示詞があった」(同)というのは面白い。その後の項目はいよいよitとthatの英語での違いが出てくるが、「itが使えるのは、話し手がitの指す内容をいわれる前からすでに知っている場合」(p.199)ということで、逆に知ってたら"It's amazing!"って言えるのか、と思った。他にも色々あるが、生成文法のところはやっぱり難しい。c統御とか例外的格付与とか、学部の時に結構勉強した気がするが、全然定着しなかった。  最後にこの編者は英語教育について物申しているが、これについてはつい最近読んだ『英文法の教え方』という本の著者と一緒。そして「言語学界と英語教育を変えてみせろ!」(p.356)と豪語するこの人は一体何様なのだろうか。この人の本は他の本もバブル感満載のオジさんの感じがすぐに出るので、素直に読めなくなってしまう。(23/08/12)

Posted by ブクログ

2014/08/08

こういう本を待っていました。英語教育の構造的問題点に対する警笛となる一冊。豪華執筆陣を組織し、継続的にシリーズを通して社会へ、そして将来を担う若手へメッセージを放っていく編者の地道な努力に敬意を示すべき。応えるべきは、そう、我々であり読者の貴方なのである。熱い。前書き、あとがきを...

こういう本を待っていました。英語教育の構造的問題点に対する警笛となる一冊。豪華執筆陣を組織し、継続的にシリーズを通して社会へ、そして将来を担う若手へメッセージを放っていく編者の地道な努力に敬意を示すべき。応えるべきは、そう、我々であり読者の貴方なのである。熱い。前書き、あとがきを読んで胸が熱くなったのはここだけの秘密だよ☆必携の書なのでどの学校にも1冊ずつ置くべき。内容に関してはネタバレのため避けますが、理解を深めたい人向けのフォロー体制も抜群で、きめ細やかな配慮がなされており◎真心がこもった1冊です(140808)。

Posted by ブクログ

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