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異界白書 こっちへおいで Big Korotan
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異界白書 こっちへおいで Big Korotan

岩淵慶造【作】, 阿部潤【画】

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異界白書 こっちへおいで Big Korotan

990

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2014/01/31
JAN 9784092591295

異界白書

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2021/02/21
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ふとした瞬間に、異世界への扉を開けてしまったあなた。扉の先はどんな世界でしょうか? ほら、異界の住人が、こっちへおいでと手招きをします。その誘いにのって行った先、あなたを待ち受けるものとはいったいなんでしょう? *** 児童書、ホラーファンタジー?表紙を見る限り完全に学校の怪談系の怖い本だと思った(裏表紙にも人魂のようなものが描いてあった)のだが、ホラーより不思議な雰囲気の話だった。 日常の中に紛れ込んだ非日常に迷い込んでしまった少年少女たちの話が全部で9話収録されている。 優しくしかし、どこか不可思議な雰囲気をまとっている話ばかりだった。オチがちょっと怖いなと思ったのは、1話目と8話目。その他は明るい終わり方をしていた。 お気に入りの話は「オルゴール」、「あの樫の木の下で」、「かくれんぼ」。 「オルゴール」はちょっとオチが不穏。他の話が円満解決した分その不穏さが際立つ。 学校からの帰り道、帰路の脇道のどこからかオルゴールの音が聞こえてくることに気が付いた真琴。音の旋律が心地よく、音の出所が気になった真琴は意を決して音の出所を探ることに。 脇道に入り、道なりに進んでいると急に音が消えてしまう。その日はあきらめ、後日再びその脇道を進む。その日は音が聞こえなかったが、途切れたあたりまで赴くと、近くの住人に出会う。オルゴールの音の事を聞くと、警告めいた言葉を投げかけられてしまった。最初は、オルゴールの音を追いかけて、真琴の不思議な冒険が始まるロマンチックな話かと思ったが違った。途中まではそうだったので、このまま冒険譚が始まるのだと思ったのだが……。最後まで読んでびっくり。オルゴールの調べに誘われて真琴がたどり着いてしまった結末。 ただ、オルゴールから聞こえる曲が素敵で曲名を知りたかっただけなのに、不憫である。しかし、何度も引き返せる選択肢があったのだが、それを選ばず突き進んだところを見ると、オルゴールの音を聞いた瞬間からもうすでに囚われていたのかもしれない。この先真琴はどうなってしまうのだろう。もとの世界に戻れるのか、それとも戻れないのか。私はどうも戻れなさそうだなと思うのだが……。 「あの樫の木の下で」は童話のような話。友人とボール遊びをしていた『ぼく』は友達が暴投してしまったせいでボールを取り損ねてしまう。急いで探しに行くが、草に紛れ込んでしまったのか、なかなか見つからない。途方に暮れていると、近くに樫の木が植わっており、その胴体には大きな洞があった。その中に入ってしまったのかもしれないと、洞に入り込むぼくであったが、その先には不思議な世界が広がっていた。木の洞を介して別の場所へ迷い混んでしまった、ぼく。脳裏にとなりのトトロを思い浮かべながら読み進めていくと、迷いこんだ先は、ぼくが住んでいる町から途方もなく離れた小島だった。出会った少女に事情を話すと何故か遠くの建物を訪ねるように進言され、訪ねてみるとそこには怪我をした大きなコウモリが横たわっていた。舞台はぼくの住む現実世界だか、そこにいたのは、現実にはあり得ない大きさのオオコウモリ。日常と非日常が錯綜しており面白い。別の世界線だろうか?そこで、ぼくがコウモリを助けたり、そのお礼にもとの世界に帰る方法を教えてもらったりと、ほのぼのした雰囲気。怪我をしたコウモリのために、後日薬となるハチミツを木の洞の中においてあげるなど、ぼくの優しさに心を打たれた。最後に、元気になったオオコウモリと思われる大きな影が、ぼくの 頭上を飛んでいくシーンが一番好きだなぁ。 「かくれんぼ」は切なく少し悲しいお話。自分の家で友人とかくれんぼをしていた妙。隠れている部屋に、鬼が近づく気配がして、押し入れに逃げ込むと、奥の方から光が漏れていることに気がついた。鬼に見つかりたくない一心で、その光を目指して進むと、見たこともない扉があった。不思議に思いながら、その扉を開けると、その向こう側には見知らぬおじさんが、何か書き物をしている部屋にたどり着いた。 この話が、この本のなかで一番目か二番目か決めかねるぐらい好きな話。(オオコウモリの話と非常に悩む) 優しさと、切なさと、悲しみに満ちた話だった。最後まで読んで真相を知ったとき、胸が一杯になった。おじさんと妙の関係性がとても好き。たった一回の出会いだったにも関わらず、きっとこの二人の絆は深まったに違いないだろう。おじさんも、驚きはしたけど、この日こんな形で妙にあえてよかったと思う。結末は悲しいが、救われた気分になる話だった。

Posted by ブクログ

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