商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | スイッチパブリッシング |
発売年月日 | 2013/12/02 |
JAN | 9784884184346 |
- 書籍
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小説のデーモンたち
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小説のデーモンたち
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
『創作論をテーマにした三部構成のエッセイ』 まず自分の感想を述べます。 正直読みにくい本でした。しかし興味深い内容でもありました。 また、自分は著者のファンではないため余計に読み難いと感じたのだと思います。 では、大まかに自分が良いと感じた所から。 ・エッセイではあるが、売り...
『創作論をテーマにした三部構成のエッセイ』 まず自分の感想を述べます。 正直読みにくい本でした。しかし興味深い内容でもありました。 また、自分は著者のファンではないため余計に読み難いと感じたのだと思います。 では、大まかに自分が良いと感じた所から。 ・エッセイではあるが、売り文句にもある創作論について確りと書かれていた。特に後半部分では創作論として主張が明確でわかりやすい所が多い。 ・中盤からは読みやすくなり、後半は主張が明確になり、テンポ良く読めた。 ・自身の性格や行動に関しての肯定と否定を繰り返す展開にその溢れる自己主張の部分は興味深くも思った。 ・創作論として作品を書く所までで終わらず作品を書いている途中や書き終わった後、そして次の作品についても書いている所。(詳しくは書かれないが実感を持って書かれていると感じられるので説得力があるように感じた) ファンには良いのではと思う所は次の通り。 ・2011/01から2013/06まで月単位で他作品の執筆状況大まかに分る。 ・他作品について著者が正直な所を語っている部分がある。(ドッグマザー、黒いアジアたち、他) ・東日本大震災に際しての著者に対する影響などを語っている部分が多くある。 ・小説以外の自身の活動についても多く語っている。(朗読会や演劇など) 読み難い点や悪いと感じた所は以下の通り。 ・エッセイが主なのか創作論が主なのかどっちつかずの物になっている(作家の生活が全て創作に繋がるという主張も分るが)。 ・前半では創作論に話を無理矢理持っていく展開が目立つ。 ・前半でも創作論的な話は多いが、前半部分では自身でもわかっていないものを無理矢理言葉にした様な抽象的な表現や根拠が不明確な断定(インスピレーションで判断する様な所)が目立つ。それはそうなのか?という感想や言い過ぎでは?という感想をしばしば抱いた。 ・時に溢れる自己主張の部分に読みにくさも感じた。 ・具体的な創作論として書かれた第三部が虚実入り交じった物語的な読み物であり、分りやすくはあるがメタ的な表現もあり好みが分かれると思われる(自分としては逆に面白く読めた部分でもある)。 総じて著者のファン向けのエッセイであると感じました。 ファンならば十分に楽しめるのでは無いでしょうか。 本の内容としては三部構成となっており、第一部と第二部は創作論をテーマにしながらも作家活動の部分が多く書かれたエッセイ、第三部は創作論が主体の虚実入り交じった読み物という構成になっています。 自分は著者の書いたアラビアの夜の種族がとても好きなのですが、他作品はいまいち肌に合わず著者のファンでは無い事と、著者の朗読会や劇などの活動にあまり興味が無い事から前半から中盤までの著者の(まだ確りと纏まっていない)創作論にからめた作家生活のエッセイ部分に入り込めず読み難く感じました。 創作論を含むエッセイであるということで、創作者にもアピールがあると思いますが、創作論としてはエッセイ部分(作者の活動部分)が多く、また雑誌連載を纏めたという事からか前半は著者の論も固まらないまま垂れ流されている感があり、著者の考えが纏まっていない文章を相当量読む事になりますので覚悟が必要です。 創作論として主な部分は小説のデーモンたちとして後半部分に明確に書かれますので創作論を期待する人はこの部分を読むだけでも著者の言いたいところは分ると思います(分ると思いますが著者の書く前半から中盤部分のエッセイを読んだ方が真に迫るとは思いますし、抽象的な部分も読みたいのならば前半部分から読んだ方が良いと思います)。 個人的には創作論部分については、なるほどと思う所も多かったので、創作論部分を目当てに読んでも悪くないとは思いますが何にせよ本題に入るのが遅いので、単刀直入かつシンプルな本が好みだという人は避けた方が良いかもしれません。 重ねて言いますが、著者のファンであれば、著者の活動や活動に際して意識、自身の作品に関しての感想や著者の創作についての考えなどが相当量の文章で書かれておりとても興味深い本であると思います。 創作論に惹かれた方は第三部デーモンスレイヤーの部分をパラパラとめくり軽く確認して気になったら最初から読むか第三部から読むかを決める。 ファンでしたら逆に最初から読まれたほうが良いと思います(後半には前半部分のネタバレ的な文章もありますので十分に楽しむなら前半から読んだ方が良いと思います)。 自分としては今作は前半入り込みにくく、中盤から慣れたのか読みやすくなり、後半からの創作論部分は興味深く読めた本でした。 著者のファンでしたら星が1つプラスされる評価になるのではないかなと思います。
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3.11以前…起こった後の小説家の苦悩。 創作が成り立つのは、現実があればこそ。 現実を超えるものにしか価値がないのなら、あの日の出来事を超えるものはどこにあるのだろう? 創作論らきしものは書けても、小説が生み出されるには、デーモンを己の内に従えねばならぬのか? 従えられるものに...
3.11以前…起こった後の小説家の苦悩。 創作が成り立つのは、現実があればこそ。 現実を超えるものにしか価値がないのなら、あの日の出来事を超えるものはどこにあるのだろう? 創作論らきしものは書けても、小説が生み出されるには、デーモンを己の内に従えねばならぬのか? 従えられるものにデーモンが微笑みかけるのか? …まぁ、書けたらそれでいいと思うのだけど。
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小説でもエッセイでもない、独白に近い文章の連なり、といった感じか。 自らの手で生み出す作品のためには「魔物」と対峙し、語り、斬り、祓い、そして飼いならさねばならない。 「創作論」とするには非常に個性的すぎるのかもしれないけれど、豊崎社長が帯文に記している通り、「小説神髄」なるも...
小説でもエッセイでもない、独白に近い文章の連なり、といった感じか。 自らの手で生み出す作品のためには「魔物」と対峙し、語り、斬り、祓い、そして飼いならさねばならない。 「創作論」とするには非常に個性的すぎるのかもしれないけれど、豊崎社長が帯文に記している通り、「小説神髄」なるものが原石のような形そこかしこに散りばめられ、埋め込まれていたように感じた。 クロスロードとロバート・ジョンソンの登場が象徴的で、深く印象に残る。 最後の1行を読んだときに、「ははっ」と何だかわからない嗤いが飛び出た。やっぱこの著者は面白い。
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