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ニュルンベルク裁判の通訳
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ニュルンベルク裁判の通訳

フランチェスカ・ガイバ(著者), フランチェスカガイバ(著者), 武田珂代子(訳者), 武田珂代子(訳者)

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ニュルンベルク裁判の通訳

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2013/10/28
JAN 9784622077763

ニュルンベルク裁判の通訳

¥4,620

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2025/08/08

独英仏露の4カ国語同時対応という、前例の無いシステムを採用したニュルンベルク裁判。 聞き手が何時間も同じ通訳者の声を聞き続けても疲れない話し方をすることが通訳者には求められた。長時間聞くに堪えない話し方をする通訳者を降板させた例もあったという。 むしろベルギーやオランダのような、...

独英仏露の4カ国語同時対応という、前例の無いシステムを採用したニュルンベルク裁判。 聞き手が何時間も同じ通訳者の声を聞き続けても疲れない話し方をすることが通訳者には求められた。長時間聞くに堪えない話し方をする通訳者を降板させた例もあったという。 むしろベルギーやオランダのような、複数言語を操っている小国でよい候補者が見付かることもあった。また、パリ電話交換局職員は電話で日常会話を同日訳することに慣れていて、通訳者の良い発掘場になる事も分かった。 被告人自身が、通訳された内容の確認をできないという点は同時通訳の難点だった。 例えば英露通訳者が露英も行えば人員コストは3分の1(4パターン)になるが、通訳者負担が倍増することから1原発語1通訳者の12パターンで実行された。 各言語からまず英語にして、英語から最終語にするリレー訳もありこれなら6パターンで済むが、訳出までの時間がかかること、1次訳の質によって影響を受けることからこれも採用されなかった。 IBMが200のヘッドフォンを無償貸与したが、国際連合への売り込みを視野に入れた企業作戦だったとも言える。 原発者の口調が早すぎる事を伝える黄ランプと、あまりに早過ぎ通訳できないことから原発者を止める赤ランプが使われた。特に、数字の発言は早過ぎると誤訳を頻出させた。SLOW(減速)ボタンは、現在の通訳でも使われているシステムである。 例えば独仏通訳者が咳込んで訳出来なくなった際、独英通訳者の英語を聞いて英仏訳者が仏語訳したことで、現場に気付かれず訳出しきった例もあった。 ただ、黄ランプでドイツ語話者が単語を区切って話すと、最後の動詞がいつまでも出てこないので訳しきることができず通訳者がやきもきすることもあった。 通訳者は3セット用意された。稼働・待機・休日。休日セットはコストの無駄で不要という考えもあったが、この日に訳出や用語の確認ができること、通訳が精神負担が大きい事もあり必要なセットだと徐々に理解されていった。かつ、この休日に他聞き取り調査の通訳や同行など、なんらかの業務を行っていることが多かった。 最良の通訳者であっても、殺戮や強制収容所の内容のショックから通訳を続行できず交代させられた、もしくは自ら交代を願い出るケースもあった。映像フィルムも裁判の場で流された。強制収容所に居たことのある通訳者もいた。また、加害者側の意識で通訳ができなくなったドイツ軍元少尉だった通訳者もいた。 原語を聞き訳が始まるまでの時間差をdecalageデカラージュと言うが、これが8-10秒を超えるようだと交代のサインになった。 ローレンス裁判長と通訳者の関係は良好だった。わからなかった用語や表現確認に、弁護人・検察官側が通訳デスクに来ることもあったからだ。ローレンス裁判長がうつらうつらしている時に、英訳者が声を張り上げて話し始め、裁判長が頭を跳ね上げ、通訳者たちが微笑み合うということもあった。 被告人の中にも通訳者と良好な関係を築いた者がいた。英仏に堪能なアルベルト・シュペーアは同時通訳システムに関心を示し、通訳者に向く人と向かない人を判断することができた。ブルックリン育ちのヒャルマール・シャハトも英独に堪能で、通訳者が詰まった表現にメモを送ることがあった。アルフレド・よードルは手元に文書がある方が通訳効率があがると気付いたので、最終弁論文書を予め渡して事前翻訳してもらっていた。自分たちのためによい通訳が行われることが重要であると認識しており、できるだけ通訳者を助けようとしたのである。 通訳者のほとんどは一時的に通訳を職業としていただけで、出身国のみならず前の職業もばらばらだった。弁護士、医療従事者、大学院生、ラジオアナウンサー、軍将校… レオン・ドステール:ニュルンベルク裁判、翻訳局長、初代主席通訳者 当時の国連は逐次通訳流だったため、これ以降同時通訳の流れとなるのに反発もあった。逐次通訳者は同時通訳者を電話交換手と軽んじた。

Posted by ブクログ

2017/10/12

本書の下敷きになった研究は、「同時通訳という職業の起源はなにか」という素朴な疑問への答えを求めて始まったものだ。今日、同時通訳は広く用いられ、国際的な会議や会合には当然あるものとさえ思われている。しかし驚くことに、同時通訳という職業やその技術の起源はほとんど知られていないのだ。も...

本書の下敷きになった研究は、「同時通訳という職業の起源はなにか」という素朴な疑問への答えを求めて始まったものだ。今日、同時通訳は広く用いられ、国際的な会議や会合には当然あるものとさえ思われている。しかし驚くことに、同時通訳という職業やその技術の起源はほとんど知られていないのだ。もちろん、通訳者や翻訳者は有史以来、異なる言語を話す人どうしが接触する際には必ず存在した。それでも、一世紀ほど前までは通訳が職業とみなされることはなく、通訳に従事していたのは軍人、外交官、秘書、その他外国語の知識を有する人々だった。この状況が変化したのは、国際機関が誕生し、言語関連業務を担当する専門家の必要性が高まったためだ。本書では、通訳という職業の誕生を気づいたひとつの要素である同時通訳システムの考案に焦点を置く。話者の発言をその場で瞬時に別の言語に訳出できるようにマイクとイヤホンを接続することが可能だということを誰がいつ、どのようにして着想したのだろうか。通訳者が発言を聞きながら同時に訳すことが可能だと考えたのは誰なのだろうか。 ニュルンベルク裁判における通訳は、同時通訳というほとんど未知の技術を多言語で実施させ、同時通訳が国際的に普及する突破口になったという点で通訳史における金字塔的出来事と言える。それにもかかわらず、ニュルンベルク裁判の通訳を主題とした研究は半世紀近く存在しなかった。本書によって同裁判の通訳の全体像が初めて明らかになり、特に同時通訳採用のいきさつ、通訳者の選抜と訓練、訳出上の問題とその対処法、また国連への同時通訳導入との関係など、通訳研究にとって極めて興味深く重要な側面に光が当てられたという点は意義深い。

Posted by ブクログ

2013/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フランチェスカ・ガイバ『ニュルンベルク裁判の通訳』みすず書房、読了。45年11月から10カ月にわたり開廷された史上最大の軍事裁判。裁判は4カ国語の同時通訳で行われた。本書は通訳者の選定と訓練から法廷での同時通訳・通訳機器の運用に至るまで克明に描かれ、通訳の意義と歴史を分析する。 法廷で次々と明るみにされたのは人道に対する罪。通訳者の心理的負担も並大抵のものではなかったという。ニュルンベルク裁判通訳者たちは後に同時通訳者として活躍するが、同時通訳を採用しなかった東京裁判とは対照的。 ニュルンベルク裁判は法廷通訳の原型といってよい。その歴史を学ぶことは、過去を知ることに留まらず、現代日本の法廷通訳を見直すことにもなろう。専門書ながら非常に読みやすい。 http://www.msz.co.jp/book/detail/07776.html 

Posted by ブクログ

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