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信頼にいたらない世界 権威主義から公正へ
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信頼にいたらない世界 権威主義から公正へ

数土直紀【著】

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信頼にいたらない世界 権威主義から公正へ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 勁草書房
発売年月日 2013/11/18
JAN 9784326653850

信頼にいたらない世界

¥3,080

商品レビュー

2.5

2件のお客様レビュー

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2016/01/17

私たちが、一般に「自分が自由である」と思い、振舞おうとするとき、しかし同時に他者も自由であることのによるジレンマを出発点に、「自由であること」に何が必要なのか、それはいかにして成り立つのかを社会調査をもとに検討する。 第一部は比較的身近に感じながら読める内容だが、第二部はより専門...

私たちが、一般に「自分が自由である」と思い、振舞おうとするとき、しかし同時に他者も自由であることのによるジレンマを出発点に、「自由であること」に何が必要なのか、それはいかにして成り立つのかを社会調査をもとに検討する。 第一部は比較的身近に感じながら読める内容だが、第二部はより専門書らしさが増すかも。しかし、社会学徒でなかったとしても、「自由であること」を改めて問い直す分析は一読に値する内容だと思う。

Posted by ブクログ

2014/03/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

公的な競争が、ひとびとの安全や生活を保障するためのセーフティネットを強化したり、あるいは無秩序な競争に規制をかけたりすることは、「小さな政府がよい」と考えるひとびとにとっては、不必要な弱者救済にみえてしまうかもしれない。しかしそのような公的な制度による介入は、単に弱いものを救うことだけが目的なのではない。すべてのひとびとの対して機会を等しく提供し、そして競争においては誰であっても公正に扱われることを保障することは、健全な競争を促すということにほからない。(196) 日々目の前にある世界は、果たして私たちひとりひとりにとって信ずるに足りるものとして、あらわれているのだろうか。 人生における自由が増大する(=選択肢が増大する)ことは、必ずしも直接に私たちが有意義な選択を行う蓋然性を大きくするものではない。それは、就職や結婚といった人生における大きな転換点でしばしば語られる「苦しみ」に耳を傾けるなら、たちどころに理解が出来る。 私たちが選択を有意義なかたちで引き受けそれを前向きに解釈していくことをはじめて可能にするのは、その選択が(個々の問題の次元ではなく、より広い単位である)社会によって下支えされているという感覚、つまり社会への信頼感覚である。(第Ⅰ部) 信頼には、大きく分けてふたつのタイプがある。危ない橋をわたることなく、既存の空間や秩序にもたれかかるような、権威主義に裏づけられたタイプⅠの信頼。そして、今あるコミットメント関係にとらわれることなく他者と積極的にコンタクトをしながらリスクを分散し、フェアな競争への水路づけを志向するような、公正感覚に基づいたタイプⅡの信頼。現状、日本社会はこのふたつの信頼が混合しており、それぞれがお互いの特徴を打ち消し合っている。ただし、権威主義に対して批判的な成員が増えてくる、つまりタイプⅡの信頼を抱く成員が増えてくるのであれば、それは日本社会がリスクを様々なアクターで分散し、成員の達成(例えば、自己実現)を互助しあうような社会へと向かっていくことにつながるのではないか。(第Ⅱ部) ひとつの、大きな疑問。 高学歴化が日本で進行することによって、日本における信頼の構成が変わっていくのだとする筆者の結論には、かなりの留保が必要であると考えられる。筆者の「高学歴化観」は、自身の実証研究もひきながら綿密に組み立てられた他の議論と比すると不自然なほどに素朴なのだ。 学歴の上底である大学それ自体がユニバーサル化という変容を被っており、また加えて外部の要請もあって大学で求められ、伸ばされようとしている能力も、また変容を被らずにはいられない。そのような中で、筆者が想定するほど十全に、タイプⅡの信頼は育まれるのだろうか。もはや権威という概念をめぐって綱引きが起きないほどに、高学歴保持者は公正感覚に対する興味自体を喪失していくのではないだろうか。 「若者の政治離れ」と呼ばれる(色々と眉唾ものではある)言説ひとつから考えても、ただちにこのような疑問が浮かび上がってしまう。 大学の社会的意義、そして学生自身が大学をいかに意味付けているのか。 ひとつ、そうした観点から、もっともっと突き詰めることの出来る問いかけであったように思われる。 もっとも、本著は自分のような「脇道に過ぎない」観点からの議論以外にも、2種類の信頼の分析手法、政治体制と信頼の構成の国際比較など、豊かで多様な議論の余地を残している。この点において、多くの読み手の興味に応えうる一冊であることに異論の余地はないだろう。

Posted by ブクログ

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