商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2013/11/02 |
JAN | 9784396614737 |
- 書籍
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団塊の秋
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団塊の秋
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商品レビュー
3.3
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
しばらくの積本だったが、一気に読んだ。 奥付を見ると初版第1刷の発刊は2019年4月20日となっていた。堺屋太一さんが逝去されたのも2019年と書かれていたので調べてみると2019年2月8日に83歳で亡くなれていた。 「団塊の世代」という言葉の生みの親。 冒頭に次のような文がある。 「人生は、玄い冬にはじまり、青い冬と朱い夏を経て、白い秋に至る。暗い冬で終わるのではない。」 本書は、人生の「白い秋」というものを暗示した作品であろうか。 主な登場人物は7人。1971年に、大学の卒業旅行で偶然出会った7人が、その旅行での出会いを縁として、定期的に集いあい、お互いの人生を確かめ合いながら、よき仲間として交流を深めながら、自らの人生を歩んでいく様子を描いている。 小説は旅行直後の集いから、2028年までを描いた予測小説となっている。本書はもともと2013年に発刊されたものだそうなので、2013年(平成25年)までは、著者の振り返り、そして2013年~2028年については著者の予測ということになる。 登場人物の7人とは。。。 福島正男(大手銀行) 加藤清一(厚生官僚) 古田重明(新聞記者) 上杉憲三(商社マン) 大久保春江(高校教師) 石田光治(弁護士) 山中幸助(大手メーカー) それぞれが違った分野へ進み、それぞれに家庭を持ち、昭和から平成の時代をどのように過ごしてきたのかが描かれている(いわばエリート層に焦点を当てているが)。 時の時代背景を的確にとら得ている著者だからこそ、経済状況、世界情勢、政治の動静などから、どのような影響を受け、どのように人生が展開していくのかをリアリティをもって表現している。そしてさらには、この団塊の世代が後期高齢者に突入する2028年ころには、どのような人生へと変化していくのかもまた、リアリティをもって予測している。 章立ては、2015年当時(さまよえる活力)、2017年当時(年金プラス十万円)、2020年当時(孫に会いたい)、2022年当時(孫の進路)、2025年当時(養護センターまで二千三百十六歩)、そして2028年当時(電気守)を描いたものとなっており、例えば2028年の「電気守」の章では、上杉憲三が老後に、太陽光発電事業を家族経営で営んでいる様子が描かれている。 オイルショック、阪神淡路大震災、東日本大震災、バブル崩壊、リーマンショック、自民党政権、民主党政権、少子高齢化、年金制度改革などなど、近年の歴史を振り返ることのできる小説でもある。「あぁ、そうだったな、そんなことがあった」と思い出すことができる。 また、エリートであってもそうでなくても一人の人間に待ち受けている人生は様々であり、7人が歩む人生が幸福なのか、不幸なのか、人生というものを客観的に見つめることもできる小説である。 社会人として家族のために戦う時期、老後について考える時期、孫ができた時期、孫が成長してその進路を考える時期、老後の具体的な生活考える時期、・・・一人の人生が年を取るとともに、そのように変遷していく様子についても自分にあてはめて、あるいは比較して考えてみることができるかもしれない。 「白い秋」とは、どういう意味なのだろう。 色がついていない。また白紙に戻るということなのか。 色が抜けて、素にもどる時期を表しているのだろうか。
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2013年の発行なので予想とはかなりずれている。 そのずれを楽しんでみるのも一興だとも思ったが、団塊連中の話なんかどうでもよくなって放り出した。
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特定の主人公はなく、団塊の世代のそれぞれの人たちの人生を、その時起こるであろう堺屋氏による社会情勢の変化の予想など踏まえながら、それぞれの視点でとらえていく。 あえて主人公といえば「加米の会」そのものであり、この会を中心に時系列によるそれぞれの人生模様が展開されていく。 なかなか...
特定の主人公はなく、団塊の世代のそれぞれの人たちの人生を、その時起こるであろう堺屋氏による社会情勢の変化の予想など踏まえながら、それぞれの視点でとらえていく。 あえて主人公といえば「加米の会」そのものであり、この会を中心に時系列によるそれぞれの人生模様が展開されていく。 なかなか面白い試みではあるが、2030年まで小説では描かれており、しかもSFではなく現実感を伴った話なので、後世で一つ間違えば笑い話になりかねない小説。 ただし、身近な話が多い分、それなりに現実感は伴っていて、違和感なく読めた。 ただ、最後は家族関係などに行きつくところがあり、誰が一番幸せだったのか、どういう人生が一番幸せなのか、など考えさせられるところの多い話でもあった。
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